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【TRPG】ギルドアドベンチャー part2 [転載禁止]©2ch.net

1 : ◆zlaomeJBGM :2015/04/22(水) 04:10:42.53 0
ジャンル:ファンタジー
コンセプト:何でも屋ギルドの一員となって冒険
期間(目安):シナリオによりけり
最低参加人数:3
GM:あり※シナリオを担当したい場合は交代します。
決定リール:あり
○日ルール:七日
版権・越境:ナシ
敵役参加:基本ナシ
避難所の有無:あり

この王国には金さえ払えば何でもやるギルドがある!
ベビーシッター!ハイッよろこんで!
輸送車の護衛!まかせとけ!
ダンジョン攻略!合点だ!
夕飯の支度!カレーでいいじゃん!
暗殺依頼!・・・そういうのはちょっと

とにかく、汚れ仕事以外なら何でもやるギルドが存在する。
その名も何でも屋ギルド「銀の杯団」!
ここで君は平凡からかけ離れた日常を送ることになるだろう

ギルドアドベンチャーここに開幕!



ギルドアドベンチャー避難所
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/9925/1398870009/

2 : ◆zlaomeJBGM :2015/04/22(水) 04:12:03.23 0
【キャラクターシート・テンプレ】
名前:
種族:
性別:
年齢:
ジョブ:
性格:
髪型:
容姿:
装備:
備考:(キャラ設定的な)
好きなもの:
苦手なもの:
うわさ1:
うわさ2:

腕力:
体力:
精神力:
魔力:
知識:
容姿:
素早さ:
幸運:
(合計400の数値を1〜99ふる)

職業スキル:『』
個人スキル:『』

3 : ◆zlaomeJBGM :2015/04/22(水) 04:14:17.64 0
レギュレーション

種族について:特に制限は無し、ただし、あまりにも度が過ぎたものに関してはNGが出るかも
文明について:世界観的には中世に近い、科学技術と魔術もそれなりに発達し
       人が乗れるゴーレムやあまり浸透していないが銃火器のたぐいも存在している
ジョブについて:特に制限は無し、しかし、これも度が過ぎていた場合NGが出るかも
その他:細かい設定等々は各々で出しても問題ナシ、しかし、クエスト進行に関わる場合は応相談

設定
【銀の杯団本部】
ギルドの拠点、普段は「銀の杯亭」という酒場を営んでいる。
もちろん、従業員はギルドメンバーが当番制で働いている。
二階建てになっており、一階が酒場で二階にはギルドメンバーが経営している子店が集まっている。
敷地内には、ギルドメンバーの寄宿舎があり、そこで生活をしている。
【王国】
ルミエリア王国、海に面しており公益が盛ん
治安はほどほどによく、目立った不安もない。
ちなみに銀の杯団は王国の認可を受けているので、有事の場合は呼び出しがかかることもある。

4 :メアリ ◆IC7RKFJkf6 :2015/04/22(水) 07:45:07.24 O
今回依頼主は失うものもなく、ピクシーも力を得た上、日頃から家を訪ねる事にしたそうだ。
女神達もウルドが来てからはあっさりとしていて、双子は最後にドゲザ?をして(させられて)からいなくなった。
結果だけ見ればハッピーエンド、だと思う。
ただ…奉り方、は少々良くなかったらしい。落ち着いてから叱られたが、知らなかったのだから勘弁して欲しい。
「今回は頑張ったもん…」
いつもより頭を使って、苦手な敬語も使って、武器に頼らず依頼を終えた。少し暴れ足りない…
…歳からしたら、この方がいいだなんて全然わかってはいないが。
そこは精神年齢9歳なのでご了承を

5 :フロウ ◆aGab3MEKhY :2015/04/22(水) 23:36:15.90 0
時は流れて数日後、場所も変わって取水亭。フロウは今回の依頼について報告書とは別に、
個人的にまとめを作っていた。それが今一段落したところだった。結局昼食をとらずに昼休みが終わってしまった。

(うーん、”神様”かあ)

牧場での一件を思い返しながら、彼はメガネを外した。窓の外を見れば、いつもと変わらない、
しかし確かに時間の流れている港がある。ウルドは現れるなり妹達を力ずくで平服させたり
ピクシーたちに力を与えたりと、いとも簡単に状況を収束させた。

流石に神様だと感心もしたが、どうにも妹たちとの関係を見るにあまり中は良くないようだった。
妹たちが支配者気質であり、長女がストイックなのだろう。去り際に彼女らに思いっきり睨まれたが、
報復に来たという話も聞かない。アフターケアで何度か訪問して牧場主やピクシーたちに訪ねても
問題はないそうだ。

(まあ、会えただけでもよしとしよう)
 晴れて神々との邂逅を果たしたのだ。神官冥利に尽きるというものだ。現実はまったくといっていいほど
格好がつかないが、それでも結果は残った。

フロウは小さく息を吐くと、その「まとめ」を机の引き出しに雑に突っ込んだ。後には文房具と一冊の絵本が
残された。「運命の女神ノルン」と書かれている。その表紙を軽く撫でる。
結局のところこれは、絵本でもあるが、女神たちの取り扱いを簡潔に記した『原書』のような
ものでもあったのだ。蔵書にするべきか、一般に開示しておくべきか、彼は迷った。

(…………………………)
 迷ったものの、彼は席を立つとそれを元の本棚へと戻した。もしかしたら、この絵本を手にした別の誰かにも
何か数奇な運命が訪れるかもしれない。そう思うと、この本を仕舞う気はなれなかった。

「さてと、それじゃ開けますか」
 フロウは取水亭の入口まで行き、ドアにかかるボードを「open」に裏返すと、カウンターに戻ってお客の来店を待った。
いつもの時間に、彼は戻ってきたのだった。

6 :エアハルト ◆Sg5djUdds2 :2015/04/23(木) 22:12:50.19 0
ギルド一階にある酒場『銀の杯亭』にて。本日の当番であるエアハルトは細々とした雑事を片付けていた。
現在は昼営業の時間も終わり、休憩と夕方の仕込みを兼ねた準備期間中。とくに忙しさもなく、酒場内にはのんびりとした空気が流れている。

「そういえばエアハルト。お前宛てに小包が届いてたぞ」

「小包?」

同じように当番として働いていた他の団員からの言葉にエアハルトは首をかしげる。
なんで自分あての荷物が、寄宿舎ではなく酒場の方に届いているのか……。
疑問に思いながら荷物を受け取るエアハルトだったが、その送り元が『レイン牧場』であるのをみて、すぐさま思い出した。

(そうだ、そういえばあの依頼中に、牧場のチーズやハムを宅配で届けてもらえないかお願いしたんだった!)

まだ神様が関わっているような大変な依頼だと気付く前の話である。
仕事中に何をしているんだと言われそうだが、それほどあの牧場で食べたものは美味しかったのだ。美味しいは正義である。
生ものであるため、留守にしている率の高い寄宿舎の方に送るより酒場に送った方が、誰かしらが冷蔵庫にでも入れておいてくれるだろうと思い、こちらを送り先にしておいたのだ。
騒動が予想外に大事になったためにスッカリ忘れていた。
団員に礼をいってから、早速中身を確認する。
出てきたのは明らかに自分が頼んだものより多く、上等そうな牧場の特産品の数々だった。
一緒に添えられていた手紙には、事件解決の礼とその後の牧場の様子などが、丁寧な言葉と親しみをもって書かれている。

<牧場自慢の味を、ぜひみなさんでお召し上がりください>

そう締めくくられた最後の一文を確認し、エアハルトはゆるゆると湧き上がる感情に笑みを隠せなかった。
そして、作業を続けるほかの団員に一言断ると、送られた荷物を抱え、足取り軽く取水亭に向かうのだった。

7 : ◆zlaomeJBGM :2015/04/26(日) 00:44:13.08 0
ギルドの仕事で空けている間に、ほんの少しだけ埃をかぶった店内。
どうせ扉を叩くものは居なかっただろう。諦観半分で椅子にもたれて天井を仰ぐ。
壁に、棚に。様々な針がまったく同じ数字を指して廻っていく空間。
クォーツが歯車を回す、一様な響きの中にほんのひとつ外れた音があった。

「...そう、か......」

違和感を聞き取り手を伸ばしたのは、首に下げられた懐中時計。
小さな円の中の最も長い針は、壁や棚にある長針よりもひとつだけ小さい数字を指していた。
目を閉じて思い返す。癇癪屋の二人組と、平身低頭するその長姉の姿。
慌しく過ぎたかの光景は、ティアに神という存在への失望のほかにも要らぬ置き土産をくれたようだ。

止まった時の中で、心音だけが響いていた。切り離された森の一角で。
いや、もしかしたら粘性の水底から引き上げられたあの時から。
今まで規則的に歩み流れてきたティアの時間は、少しだけ狂っていったのかも知れない。

だが、今はそれでもいいと。そう思えた。
ほんの少し歩調を乱してみるだけで、あれほどまでに温かな時間を過せるのなら。
理路整然の中で逸れてしまった、一際目立つこの秒針の音も悪くないとさえ思えた。

癖で手早く手にしていた精密ドライバーを、何の気なしにくるりと回してから仕舞い込む。
今のこの時にメスを入れて元に戻してしまうのは、あまりにも勿体無いと感じた。
そうだ、たまには用が無くても顔を出したっていい。皆が自然と集まるだろう、あの小さな貸本屋に。
思い立ったが早いか扉を開け、さっき引っくり返したばかりの「開店中」の札を裏返してしまう。

「さあ......行ってやるか!」

8 :エアハルト ◆Sg5djUdds2 :2015/04/26(日) 15:01:16.40 0
次回予告:
エメラルダの個人的な依頼。
それはなんと、ドラゴンの素材を入手してくるというものだった。
なんでもこの時期にしか取れない希少な素材があるというのだが……?

「大丈夫大丈夫。ちょっと行って取って来るだけの簡単な仕事さ!」

だが、そう言う姉(エメラルダ)とは対照的に、弟(エアハルト)の表情は渋い。

――目的地でメンバーを待ち受けるものとは一体?



次回「錬金術師の採取依頼〜竜の皮編〜」

9 :エアハルト ◆Sg5djUdds2 :2015/04/26(日) 21:34:02.45 0
その日、いつもは朝礼その他対人雑事の一切を弟(エアハルト)にまかせ、研究室に篭りっきりの変人錬金術師(エメラルダ)が、どういう気まぐれか、きちんと朝礼に参加していた。
ある(知らない)ものは無関心に、ある(知っている)ものは天変地異の前触れかと、戦々恐々としていたが、その後朝礼は何事もなく進み、何時もどおり団員への依頼の前ふりと、酒場の当番の確認、それ以外のものへの自由行動の許可を通達し終わりを告げた。
そんな(一部)不可思議な朝礼を終え、依頼もなく当番でもない一部のメンバーが、思い思いに過ごそうとしていた、とある日のことである。

「実はだね、個人的に依頼したい仕事があるんだ。もし時間があれば、この後『取水亭』にきてくれないかな?」

朝礼後、そう声をかけたエメラルダの言葉によって、今回、幸か不幸か巻き込まれたメンバーは貸本屋『取水亭』へと集められたのだった。

◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

「やぁやぁ、よくきてくれたね! とりあえず、こっちにきて座ってくれ」

そういって、まるでこの店の主のような面をして、厚かましくも店の一角を占拠し、いつの間にか椅子と小さな机まで用意するエメラルダ。
相変わらずその仮面の奥の表情は窺えないが、声やしぐさからは機嫌が良いことが窺える。
だが、そんな姉とは対照的に、弟であるエアハルトは浮かない表情だ。
言いたいのに言えない、といった風で、その視線はエメラルダと集められた面々の間をいったりきたりしている。

「大丈夫大丈夫。ちょっと行って取って来るだけの簡単な仕事さ!」

調子のいいことを言うエメラルダだが、隣に立つ弟のおかげで、言葉通りの簡単な仕事ではないことは推察できた。
そんな周囲の懐疑的な視線も気にせず、エメラルダは依頼内容を明かしていく。

「今回依頼したいのは、近くの山岳地帯に住み着いている竜の皮の入手だ。
 あ、竜っていってもワイバーンだから、そう大物でもないよ?一応情報も用意しといた。はいこれ」

そういって広げた本には、ワイバーンについての情報が図解と共に記されていた。
エメラルダが取水亭にて、メンバーが集まるのを待つ間に借りておいたものだ。


【ワイバーン(翼竜)】
大きな翼と長くしなやかな尾をもつ小型の竜種。前脚はなく、腕部が翼になっている。
属性を持つものも居り、その場合は名前の頭にそれぞれ色の形容詞が付く。
鋭い爪や牙、尾を振り回して攻撃し、属性持ちは口からその属性の息(ブレス)を吐きだす。
場所によっては戦闘や移動手段などに利用するため、飼育しているところもある。
野性の翼竜に出会ってしまった場合、できるだけ戦闘は避けたほうがいいだろう。
熟練の冒険者チームならば勝てるかもしれないが、個人では相当の腕前がないとまず無理だ。
それでも戦闘になってしまった時は、鱗のない翼を狙うのが有効である。
物理攻撃の場合、胴体は硬い鱗があるためあまり効かない。
魔法攻撃の場合、属性持ちに対しては対属性のものを使用するといい。

〜ルミエリア王国魔物研究会著『世界のモンスター事典』より抜粋〜


「以前エアハルトが巣を発見してね。そのとき、その翼竜が脱皮の時期だってことに気付いたんだ。今行けばちょうど脱皮したてぐらいだろう。
 ってことで、今回の目的はその脱皮殻の採取。
 ご本人(翼竜)が留守の間にちょぉっと忍び込んで、抜け殻もらって、帰ってくるだけだよ。ね、簡単な仕事だろう?」

確かに簡単な仕事だ。
巣に忍び込んでご本人(翼竜)に見つからずにすめば、の話だが。

「報酬は一人銀貨三十枚。手に入れた量によってはもうちょっと出してもいいかな。
 行き帰りの必要経費は全てこっちが持つから、遠慮なく言ってくれ。
 あと、事前準備として各個人の好きな錬金アイテムを一つあげるよ。使わなくても返却の必要はないから、これも報酬の一部と思ってくれていい」

そこまで言って、エメラルダは期待の篭った視線でメンバーを見回し、強請る様に首をかしげた。

「で、どうかな?受けてくれるかい?」

10 :メアリ ◆IC7RKFJkf6 :2015/04/26(日) 23:15:03.11 O
いつもと少しだけ違った朝礼のあと、いつも通り依頼をもらわなかったメアリはそそくさと部屋に戻ろうとしていた。
2年程ギルドにいても、仕事があまり多くないわけは人間見知りだからである。
副団長がある程度の理解を示してくれているらしく、この前までは人間と仕事をすることは少なかった。
しかもしたらしたで、アダ名で仲間外れなのでさらに辛い。
最近はティアを皮切りに交流が増えてきたなあ、と思ったところでエメラルダが話しかけてきた。
種を片方預けた以上、お店に行ったりはしているので、断るほどでもないか、と取水亭に行くメアリだった。

だが、取水亭に見知らぬ女性がいるとわかった瞬間、フロウの後ろに隠れた。
「だ、だ、れ?」
弓を背にした女性、纏う空気は穏やかだが…生憎一般的な女性人間と仕事をしたことがない(無論エメラルダは除く)
その緊張で、話をしっかり聞かないまま固まっていたメアリだった。
…勝手に、なんか戦うんだろう、と思い込むくらいには、聞いていない。

11 :フロウ ◆aGab3MEKhY :2015/04/27(月) 23:40:21.43 0
「はあー……」
 フロウは深くため息を吐いた。ここは貸本屋『取水亭』、彼の数ある職場の中のひとつであり
砦である。しかし、その砦は今や陥落し、侵略者の良いように使われてしまっていた。

>>『やぁやぁ、よくきてくれたね! とりあえず、こっちにきて座ってくれ』

 上得意が変人というのは非常に厄介なものだ。取水亭は貸本屋だが主な客層はギルドのメンバーである。
今すぐ必要な知識をかじるために立ち読みで済ます人が多く、しかしそれが仕事の成功率と生存率に関わるとあっては
止めることはできない。しかるにこの図々しい奇人、錬金術師のエメラルダは客としてはまっとうな部類だった。

 今日は久しぶりにゆっくり過ごそうかと思っていたのに、彼女は一団を引き連れてやってくると、
そのまま依頼の話を切り出した。ワイバーンの抜け殻を持ってこいとのことだった。

「また珍しくまともな依頼ですね」
 しかし難易度が高い。借りた図鑑を片手に力説しているのがまた小憎らしい。

>>『で、どうかな?受けてくれるかい?』
 体力がない割に動きにばね仕掛けのような妙な勢いとキレがあるので怖い。

「まあ、手空きですから……」
 消極的に依頼を受けたフロウは、今度は視線をもう二人の女性へと向けた。

12 :フロウ ◆aGab3MEKhY :2015/04/28(火) 00:02:23.19 0
>>『だ、だ、れ?』
「メアリ、カウンターの中まで入ってきてはいけないとあれほど……」

 見知らぬ女性を見てフロウの背中に隠れた(つもり)のメアリの視線の先には
フロウもあまり馴染みのない人物が立っていた。名前は確か……

「おっと、自己紹介がまだでしたね。ええと……確か……待ってください今思い出します、そう、フローラさん」
 フロウはティアのときよりもいくらか時間をかけながらも名前を思い出すことができた。
そう、彼女の名前はフローラ・スマインターグ。彼女はレンジャーだったろうか。

「私はフロウ・パスパーチャ。しがない魔法使いですが、今回はよろしくお願いしますね」
 そう言って頭を下げる。そして背中のメアリに声をかける。

「ほらメアリ、一緒にお仕事するんですから、あなたも自己紹介しなさい」
 少しきつめに、言い聞かせるようにする。多少反感を招くだろうが、それで恐怖心が紛れるなら儲けものである。

「ちゃんとできらたマタタビあげますから」
 飴と鞭を使い分けながらメアリの背中を軽く押す。このとき、またこの獣人の少女と組むのだということを
フロウは再認識すると、困ったような笑みを浮かべながら、もう一度小さくため息を吐いたのだった。

13 :フローラ ◆CFwoAEJ66. :2015/04/28(火) 01:00:42.25 0
私はいったい何の間違いで、ここに来てしまったのだろうか。

そんな問いに頭を悩ませながら、勧められた丸テーブルに視線を落とす。
今朝の朝礼でなんとなく、周囲がざわついているような気がして。
彼らの注目の真ん中に居たのが、嬉々として目の前で話す仮面の女性で。
見たことも無かったその姿をもっと近くでと思い、人波をこっそり掻き分けて近づいて。
かと思ったら仮面の女性はこちらを向いて、この貸本屋まで私を引っ張っていって...

そこまで考えて感づいた。
もしや近くに居たというだけで、巻き込まれたのではあるまいか。
口調から察するに、この場の自分以外の人はどうやら顔見知りではあるようだ。
朝礼で声が掛からなかったのをいいことに外出を画策していたフローラは、ため息とともに肩を落とした。

「あ、あの、私......」

言い終わらない内に急に背筋を伸ばした獣人の少女。こそこそとエルフの男性の影に隠れていく。
あからさまに怯える表情。ああ、私が何をしたというのだろうか。
出来ることなら帰りたい。傷心と気まずさから心の内で滂沱の涙を流すフローラだった。


>「おっと、自己紹介がまだでしたね。ええと……確か……待ってください今思い出します、そう、フローラさん」
>「私はフロウ・パスパーチャ。しがない魔法使いですが、今回はよろしくお願いしますね」

そんな早くも挫けそうな彼女に、やっとまともな会話が舞い込んできた。
右も左もわからぬところに、救いの手を差し伸べられたような心地である。
なんとか場が好転しそうな雰囲気に、フローラも応えようと口を開く。
...ただし、たとえ連れて来られたのが手違いだろうと、「よろしく」の言葉がフローラがもう既に逃れられないことも意味していたが。

14 :フローラ ◆CFwoAEJ66. :2015/04/28(火) 01:13:37.67 0
「はい、フローラですっ。こちらこそ宜しくお願いします」

座ったままぺこりとお辞儀をして、フローラは答礼とした。
言い切ってから顔を上げる。そこにあったのはさながら娘と母親といった光景だ。
男性であるにもかかわらず母親扱いされる、そんなフロウに背中を押されるメアリにやさしく微笑んで見せた。

「そんなに怖くないですよー。ほら、今日ちょうどこんなものを摘んで来たんです。
 花を千切って根元を吸うと、ほんわり甘いんです。ほら、おいでーっ」

テーブルの横にしゃがんで両手を広げ、子供をあやす様にメアリを呼ぶフローラ。
彼女と仲直りすることで、先の傷心を癒したいという気の表れかもしれない。
これでメアリが来てくれたら、今日という日は幸運だったと思うことにしようと決めて。
手にした桃色の花をゆらゆらと振りながら、メアリの反応をのんびりと窺った。

15 :メアリ ◆IC7RKFJkf6 :2015/04/28(火) 21:56:13.35 O
怖いのは人間、個人じゃない。

>>「ほらメアリ、一緒にお仕事するんですから、あなたも自己紹介しなさい」
>>「ちゃんとできらたマタタビあげますから」

フロウに言われなくても理解はしている。
ただ、もはや反射反応で逃げてしまうのだ。
「マタタビより…今度買い物付き合ってね…?」
実はティアに、殺風景すぎる部屋だと言われて、気になっていた。
なんせ毛布とリュック位しかない。ちょっと嘆くように言われて、混乱している。
フロウなら、何を買えば良いかわかるはず!
「あ、あたしはメアリ…です」
フロウの後ろから前へ出て、まだ離れた場所からフローラへ話しかけてみる。
優しそう、だが。
そういう人達の方が怖いことをして来た、副団長とは逆だった。
恐る恐る、と目を合わせるが、逃げ出したくて仕方ない。
なのだが…

>>「そんなに怖くないですよー。ほら、今日ちょうどこんなものを摘んで来たんです。
 花を千切って根元を吸うと、ほんわり甘いんです。ほら、おいでーっ」

「…お花?」
ふわふわとする優しい香り。
あまり馴染みがない甘い匂いにふらふら引き寄せられて…
「………ふにゃ!」
変な、感覚がした。
マタタビとは違う、何か幸せな感じ。
…メアリはそのままフローラに飛び付いた。

16 :フロウ ◆aGab3MEKhY :2015/04/30(木) 23:37:05.53 0
>>「そんなに怖くないですよー。ほら、今日ちょうどこんなものを摘んで来たんです。
 花を千切って根元を吸うと、ほんわり甘いんです。ほら、おいでーっ」
>>「………ふにゃ!」

フローラの言葉にメアリがじゃれつき始める。その光景はさながら旅行者と遊ぶ街猫のよう。

(これなら今回は大丈夫そうかな)
 フロウは感心と安堵が入り混じった思いで二人を見た。メアリは幼い。
急激で過酷な環境の変化で成長が阻害されたことに加え、豊かとは言いにくい生活のせいで
子供の時期が進まないのだ。修羅場の経験が下駄を履かせて精神年齢が二桁いくかいかないかだろう。

 本心ではもっと落ち着いて暮らせる状況で、自分の時間を取り戻して、あるべき成長期を
消化していって欲しいとフロウは思っているが、この暮らしに慣れているのを無理に変えるのも……
そういう依頼とはまったく関係のない複雑な心境を胸の奥にしまうと、彼はエメラルダに向き直る。

「行きか帰りを楽にしたいので、ワイバーンの嫌がる匂いの香水とか発煙筒みたいなのってあります?」
 
 そしてつつがなく依頼を進めようと話しを切り出した。安全ではないが、冒険者としての生活の中で
取り組んでいくしかないだろうと、フロウは気持ちを改めた。

17 :フローラ ◆CFwoAEJ66. :2015/05/03(日) 01:09:51.02 0
「おっとぉ... あはは、来てくれたね!
 ほら、ここから蜜を吸うと美味しいよ〜っ」

少し重めの衝撃に身をふらつかせながらも、フローラは笑顔でそれを受け止めた。
そして左手でメアリの頭を撫で、右手で花弁をメアリにあてがう。
まるで愛玩動物のようにメアリで遊ぶ折、彼女の耳はフロウの声を聞き取った。

>「行きか帰りを楽にしたいので、ワイバーンの嫌がる匂いの香水とか発煙筒みたいなのってあります?」
「...あ」

そういえばそうだ。連れてこられた理由探しと傷心のために完全に本題を忘れていた。
と言うより、まともに聞いてはいなかった。唐突なワイバーンとの言葉に笑顔をそのまま顔を青ざめさせる。
そんな変に器用な事をしながら、フローラはしかし黙って過ごすことにした。
あまり的はずれなことを言いたくなかったし、成り行きでなんとかなるだろうと高を括っているのだ。
これから話を聞けばいい。緩んでいたフローラの表情は、心なしかきりっと引き締まった気がした。

18 :エメラルダ ◆Sg5djUdds2 :2015/05/05(火) 23:43:13.79 0
無事(?)自己紹介も終わり、メアリとフローラが戯れるのを、エメラルダはうんうんと頷きながら眺めた。
仲良きことは美しきかな。依頼を円滑に進めるためにはメンバー同士の協力が不可欠である。
エメラルダ自身も、依頼を受けるとき、メンバーとは友好的にいこうと気を使っている。……まぁエメラルダの場合、それは必ず失敗するのだが。

>>「行きか帰りを楽にしたいので、ワイバーンの嫌がる匂いの香水とか発煙筒みたいなのってあります?」

「なるほど、確かにそういったアイテムはあった方がいいね」

フロウの言葉にエメラルダは自身の知識を探り、製作に必要なアイテムがあるかどうか在庫状況を思い出す。

【アイテム入手判定 使用ステータス:(エメラルダ知識+フロウ幸運)/2】
【判定値:(90+40)/2=65】

19 :エメラルダ(GM) ◆Sg5djUdds2 :2015/05/05(火) 23:49:28.95 0
【アイテム入手判定 失敗】

「うぅん、ごめん。似たような効果のものは作れそうなんだが、材料がないみたいだ」

エメラルダはフロウにそう謝ってから、一つ咳払いをしてメンバーに向き直った。

20 :エメラルダ(GM) ◆Sg5djUdds2 :2015/05/05(火) 23:51:56.66 0
「改めて、依頼を受けてくれてありがとう! 私が依頼人のエメラルダ・ヴィーラントだ。こっちは弟のエアハルト。
 エアハルトはみんなと同行して採取に協力するから仲良くしてやってくれ」

エメラルダの紹介に、今まで後ろで顔を逸らしていたエアハルトが頭を下げる。

「フローラさん、はじめまして。メアリさんフロウさん、今回もよろしくお願いします」

その表情に笑顔はない。あきらめた様な、申し訳なさそうな顔をしてメンバーを見つめていた。
特に、どこか戸惑いながら姉の話を聞いていたフローラに、彼女は姉に問答無用で連れてこられたのだろうなぁと予測して一際深く頭を下げる。
……まぁ、ほかの面子も似たり寄ったりだろうが。本当に申し訳ない。

「無事依頼も受けてもらえたことだし、配布するアイテムの説明に移ろうか!
 あ、そうそう。さっきは言い忘れてたんだけど、今回の翼竜は『赤翼竜』だから、それも踏まえて選んだほうがいいかもしれないね!」

そして、そんな弟の思いを慮ることもなく、エメラルダはさらりと重大な事実を投下した。
言い忘れたなどと嘯いているが、もちろんわざとである。
ただでさえ厄介な竜種相手の依頼。それが更に強力な力をもつ「属性持ち」ともなれば、依頼を拒否される可能性が高まるため今まで黙っていたのだ。
非難の言葉もなんのその。仮面で表情は窺えないが、その下では絶対に笑顔を浮かべているであろうエメラルダ。
そんな彼女に悪びれなく説明されたアイテムは、それぞれ今回の依頼に役立つであろうものだった。

『エンチャントクリーム』『中級ポーション』『万能薬』『投擲カプセル』

【メンバーは四つの中からそれぞれ一つアイテムを入手】

21 :メアリ ◆IC7RKFJkf6 :2015/05/06(水) 18:39:53.55 O
フローラに貰った花の蜜を、ちうちうと吸いながらエメラルダ達の話を聞く。
エメラルダとエアハルトは、とりあえず怖くない人、と認識している。関わった事自体は少ないので、好きな人、とまではいかない。
フローラは、今くれた花のおかけで緊張感は薄まった。まだまだ不安はあるけれど、話くらいはできそうだ。
周りから見ると餌付け成功、といったところか。

>「フローラさん、はじめまして。メアリさんフロウさん、今回もよろしくお願いします」

「…よろしく。…?…ティアは、来ないの?」
最近一緒に過ごすことが増えた人をキョロキョロ探す。
だが彼はないない、他の仕事なのだろうか。
フロウの次に安心できる人がいない、それがわかった途端メアリはしょんぼりとしてしまう。
耳も尻尾も、分かりやすくたれてしまった。
仕事の内容よりも、好きな人たちといられることの方が大切なメアリ。
それでも、少しだけ狂った時計をぎゅっと抱き締めた…仕方ないのだと、言い聞かせるために。

>「あ、そうそう。さっきは言い忘れてたんだけど、今回の翼竜は『赤翼竜』だから、それも踏まえて選んだほうがいいかもしれないね!」

「…『赤翼竜』ってなあに?」
メアリは知識の片寄り方が激しい、翼竜がわかっても、赤翼竜はわからない。
ようは大雑把な部分しか知らない物事が多いのだ。
しかもテンションが低いので、ぼんやりと聞き返すだけ。
知らない言葉に反応しただけのうようなものだ。
その後見せられた道具も、よくわからない。
ただ、ぼんやりとしたまま、クリームの容器をいじるのだった。
…愛に飢えた、寂しい幼子。
一人前になるまでに、どれだけかかるのだろうか。

22 :フロウ ◆aGab3MEKhY :2015/05/07(木) 23:38:04.47 0
『そうそう。さっきは言い忘れてたんだけど、今回の翼竜は『赤翼竜』だから』
エメラルダは人としておかしいが決して馬鹿ではない。目的のために他人をたばかるしたたかさを持ち、
『うぅん、ごめん。似たような効果のものは作れそうなんだが、材料がないみたいだ』
素直に自分の不手際を申告する正直さを併せ持っている。測りかねるし油断もできない人物だ。

「にしても、『赤』とは珍しいですね」
 万能薬をを手に取りながら呟く。海辺のルミエリアでは『青翼竜』がメジャーである。
海水をがぶ飲みしては余計な塩分を排泄する生態を利用した塩田もあるくらいだ。
余談だが一部の悪食な冒険者には翼竜の塩は垂涎の逸品らしく納品の依頼もしばしば発生する。

>>『…『赤翼竜』ってなあに?』
「火を吐いて火に強い赤い翼竜です。一応食べられます」
 そう言って本棚の一つに歩み寄ると一冊を取り出して表紙を見せる。
タイトルはずばり『食べられるモンスター図鑑』

「それはさておき、相手が相手ですので、予め作戦の一つ二つは立ててから行きましょう」
 フロウは周囲を促して意見を仰ぐ。何も律儀にまずは一当たりしなくてもよいのだ。

「これが討伐依頼だったら迷わず辞退してましたが、そうでないならやりようはあるはずです」

23 :フローラ ◆CFwoAEJ66. :2015/05/08(金) 23:57:20.67 0
「赤い翼竜さん、ですかぁ」

なんとなく話を聞くうち、この依頼の輪郭がおよそ掴めてきた。
第一に、対象が赤の翼竜であること。
第二に、討伐依頼というわけではないということ。
最後に、依頼遂行に際して錬金術を用いたアイテムをもらえるということ。

そこまで頭のなかで纏めて、彼女は対象である赤の翼竜に思いを巡らせる。
自然において赤は警戒色、こと上位のモンスターは炎を扱う力を持つ傾向にある。
そしてフローラの経験から行くと、炎のモンスターは刺激的な辛さを持っているのだ。
以前、サラマンダーのぶつ切りを具に加えた煮物が壮絶な辛味を醸したことは忘れられない。

「......うへぇ」

味を思い出して顔をしかめる。甘党の彼女にはツラい思い出だったのだろう。
そんなどうでもいい過去に思いを馳せていると、目に見えてテンションの落ちたメアリがいた。
背筋は曲がり耳は垂れ、はきはきとした雰囲気が失われてしまっている。
フローラはなにも言わずにメアリを抱き抱え、ぬいぐるみのように膝の上に座らせて。
メアリの頭の横から顔を出すようにして、とりあえずの意見を伝えることにした。

「見つからなければそれでいいんですが、相応の対策が必要ですねー。
 あ、私は投擲カプセルをいただきますねっ」

何をしに行くのかとは今さら聞けないが、翼竜が相手となれば野伏である自分のステージなのだ。
萎れたメアリの耳に頬擦りしながら、今度の依頼の完遂を心に誓った。

24 :エメラルダ(GM) ◆Sg5djUdds2 :2015/05/10(日) 00:31:58.61 0
>>「…?…ティアは、来ないの?」

「ティア氏は今色々と忙しいらしくてねぇ。……さすがに誘えなかったよ」

メアリの疑問にエメラルダはそっと視線をそらした。
今回の依頼、勿論エメラルダは前回比較的友好に接することにできた(無茶振りできそうな)メンバー全員に声をかけようとした。
だがティアは現在とある事情で神殿関係のアレコレに忙殺されており、店にいっても不在、今日の朝礼にも出れていない。
となれば接触する機会もなく、たまに見かけた様子も心身ともにげっそりとした様子だったのでさすがに引き込めなかったのだ。

>>「これが討伐依頼だったら迷わず辞退してましたが、そうでないならやりようはあるはずです」
>>「見つからなければそれでいいんですが、相応の対策が必要ですねー」

「うんうん! みんなで力を合わせれば翼竜くらいどうとでもなるよ! 
 まぁとりあえず、基本はひっそり逃げるが勝ち、かな? 頑張ってね!」

エメラルダは適当に調子の良いことを嘯くと、全員がそれぞれアイテムを選んだことを横目で確認した。

「みんなアイテムはそれでいいね? 出発までに山岳地帯行きの馬車を確保しておくから、それまでに各々準備しておいてくれ。
 今の時間ならまだ朝市が開いてるだろうから、買い物しておくのもいいと思うよ?
 じゃぁ、出発は今日の午後一で町の南門に集合! 良い成果を期待してるよ。みんなよろしくね!」

25 :メアリ ◆IC7RKFJkf6 :2015/05/10(日) 10:55:26.88 O
フローラに抱えられても、メアリは何の反応もしなかった。
しないというよりは出来ない、感情を落ち着けるのに必死で、声なんて聞こえない。
「…大丈夫…怖くない…」
フロウがいるのだから、万が一があっても止めてくれる。
普通に、普通に仕事をすればいい。
一度深呼吸して、意識を辺りに戻すと…
「ふにゃ!?」
耳に頬擦りされていた。
くすぐったくて仕方無い、なんて言う前に笑ってしまった。
耳も尻尾も敏感な場所、慌ててフローラから逃げ出す。
「く、くすぐったいのやだ…」
丁度エメラルダの話も終わるとこらしく、各自の準備の時間となる。
怯えたままダッシュで取水亭から飛び出し、とにかく何か買えたら、とあちこちのお店を走り抜けるのだった。

【買い物判定幸運20、成功時『身代わりの縫いぐるみ』を入手】

26 :メアリ ◆IC7RKFJkf6 :2015/05/10(日) 10:59:17.99 O
【失敗】

…結局何も買えなかった。
焦っている心では大切な物なんてわからない。
仕方無いので、何とか最後に聞いた南門で、座り込んで待つだけだ。

27 :フロウ ◆aGab3MEKhY :2015/05/11(月) 23:19:37.52 0
買い物判定一つ目!

28 :フロウ ◆aGab3MEKhY :2015/05/11(月) 23:20:40.53 0
ついで二つ目

29 :フロウ ◆aGab3MEKhY :2015/05/11(月) 23:41:44.23 0
【書き忘れましたがフロウの幸運は40】

二兎を追うものは一兎をも得ずとはよく言ったもので、取水亭を出たフロウは
必要な物の買い出しへと出かけたのだが、結論から言ってどちらも手に入れることができなかった。
一つは発煙筒用の材料、そしてもう一つは……

『酔い止めならさっき網元に納品したばっかりでね〜』
お店のおばちゃんの無慈悲な言葉に彼の頭は真っ白になった。馬車と聞いたときから
考えていたことであり、急いで問屋へ向かったものの生憎の品切れ。ついで発煙筒の素材を
買い付けに行ったが入荷待ちの状態であった。

「………………………………な、なぜ酔い止めに限って」
 山岳地帯へ登る馬車は、いかつい。この時点で意識がほぼなくなった彼は
とぼとぼとと歩いて南門へと向かったのだった。

30 :フローラ ◆CFwoAEJ66. :2015/05/12(火) 22:07:52.38 0
「あっ...... あーあ」

腕の中からするりと抜け出し、どこかへかけていったメアリ。
そんな彼女を名残惜しそうな声で見送って、フローラは依頼のことに集中することにした。
エメラルダから粘着投網と空のカプセルを受け取り、手のひらで転がしてみる。
不思議な光沢を持つその球に、自分の瞳を映し見ていた。

「...私も買い物行ってこようかな」

正直に言えば、入用になったものは現地でいくらでも調達できる。
今までの生活からその確かなスキルを、フローラは身に付けているのだ。
それでも、いやだからこそ。欲しいものが少しだけ。
あまり気負うことは無い。鼻歌混じりに取水亭の戸を潜り、市場へと繰り出すことにした。

【物品購入ロール 使用ステータス:幸運(54)】
【成功時、目的地周辺の地図を入手】

31 :フローラ ◆CFwoAEJ66. :2015/05/12(火) 22:12:46.26 0
「......よしっ!」

幸いにしてある程度開拓が進んでいたらしく、難なく周辺地図を手にすることが出来た。
後は描いてある地形と実際に見て確かめる植生である程度できることに目星が付くだろう。
金銭というシステムにまだ少しだけ馴染めず財布を忘れがちな彼女も、今回はしっかり携帯していたようだ。
そうして上機嫌で集合場所の南門までたどり着いたときに。

「お待たせしまし......どうしましたっ!?」

出発前からげんなりとしたフロウを見て、何事かと慌ててしまうのであった。

32 :エアハルト(GM) ◆Sg5djUdds2 :2015/05/13(水) 21:46:22.56 0
メンバーが一時解散しそれぞれ準備を進める中、エアハルトも目的地までの足を手に入れるため商店をまわっていた。
目的地である翼竜の巣は王国南側にあるアルマ山一帯の山岳地帯、その奥まったところにある。
まずは近くの村まで馬車で移動し、それから徒歩で奥地に向かうことになるだろう。
個人用の荷馬車を借りられればいいのだが、なにぶん急なことだったので根回しも済んでおらず、うまく確保できるかわからない。
最悪、村から離れたルートを回っている乗り合い馬車に同乗し、そこから徒歩で向かうしかないだろう。
しかしそうなるとその分徒歩での移動時間が伸びるため、メンバーの負担も大きい。なるべくなら荷馬車を入手したいものだが……。

「姉ちゃんも思いつきで決めないで、前もって計画を立ててから行動に移してくれればいいのに……」

今朝になって「そういえばこの前言ってた翼竜の脱皮そろそろじゃないか?」などど言い出し「よし、今日とってこい!」と言うが早いか、エアハルトの訴えを聞きもせずにメンバー(被害者)を集めてきてしまった。
なんだかんだ言いながらもエメラルダの命令には逆らえない(逆らわない)エアハルトは深いため息を吐き出すと、本日三件目の商店の扉を叩くのだった。

【交渉ロール 使用ステータス:幸運(10)】
【成功の場合、機動性の高い山岳用の荷馬車を入手】

33 :エアハルト(GM) ◆Sg5djUdds2 :2015/05/13(水) 21:47:00.40 0
【交渉ロール 失敗】

エアハルトが南門に着いたのは、ちょうどメンバー全員が集まったところだった。
本来なら余裕を持って来たかったのだが、時間ギリギリまで馬車の手配に奔走したため、この時間になってしまったのだ。
……しかも、結局馬車入手できなかった。
遅刻ギリギリの上用意もできなかったとは、依頼した側としてあるまじき失態である。

「みなさんすいません。ちょっと馬車の手配がうまくいかなくて……」

エアハルトはメンバーに不手際を謝罪すると、目的地までのルートを説明をした。

「……というわけで、本来ならもっと近くまで行く予定だったんですが、今回は乗り合い馬車で少し離れた地点から徒歩で向かうことになってしまいました。
 目的地まで大分歩かせることになってしまいます。本当にすいません」

34 :メアリ ◆IC7RKFJkf6 :2015/05/14(木) 06:42:19.49 O
>>「今回は乗り合い馬車で少し離れた地点から徒歩で向かうことになってしまいました」

座り込んでいたメアリは、ばっと顔をあげた。
乗り合い馬車だなんて話は聞いていない、前のように借りるのだと思っていた。
しかも馬車ならフロウは凄いことになるし…
と、考えたところで、ポケットに入れっぱなしの物に気がついた。
わりと前に、酔い止めだと渡された錠剤のようなお菓子、まだ紙に包まれたまま持っていた。
「…フロウ、これあげる」
正確には返す、しかも少し古いが…げんなりしているフロウには効くかもしれない。
ああ、それから…
「…毛布持ってくればよかったな…」
理由は、すぐにわかる。

乗り合い馬車。
つまり沢山人が乗っていて、ぎゅうぎゅう詰めとまではいかなくともかなり密度が高い。
そんな中、メアリは縮こまって隠れるように隅にいた。
馬車には人間が多い、しかもギルドの人でもない。
震えを隠すことなんてできなかった。角を見ながらも耳が人々の存在を捉えてしまう。
怖い、怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い…
降りるまでのメアリは、ずっとこのままとなるのだろう…

35 :フロウ ◆aGab3MEKhY :2015/05/14(木) 23:07:18.98 0
>>「お待たせしまし......どうしましたっ!?」
「いえね、私、車に乗ると酔ってしまって……」

 フロウはフローラに事情を説明した。こればかりは彼の三半規管だか平衡感覚だかの
打たれ弱さのせいなのだが、何度乗っても、何をしても改善されない。
>>「…フロウ、これあげる」
「ああ、ありがとうメアリ。あなたが物持ちの良い子で助かりました」

 礼を言いながらすんなりと受け取ることはすなわち、彼の余裕のなさの現れである。気休めに
少し気を持ち直す。するとそこにエアハルトがやってきて次のように告げたのだった。

>>「今回は乗り合い馬車で少し離れた地点から徒歩で向かうことになってしまいました」
「…………」

そして

「いやー、残念だなあ!馬車が乗合で本当残念だなあ!アッ八ッ八ッハッハッハ!」
 フロウは上機嫌だった。揺れる馬車の中は彼ら以外の人も載せて狭い。隣のメアリの様子に
気が付くこともないくらい彼は舞い上がっていた。地震などの際に棚に支えやバネをつけておくと
揺れを吸収するのと同じように、馬車の揺れも格段に少ない。

 フロウはあえて狭い隙間、メアリと他の客や荷物の間に座って揺れを受け流していた。
気持ちが悪くないわけではないがずっとマシだ。酔い止めも効いている。

「まあ、徒歩だから遅くになるかもしれませんが、その時は夜討ちでも朝駆けでもすればいいでしょう!」
 上機嫌で誰にともなく言う。乗合馬車万歳だ。揺れが自分に伝わってこない。


そして

「さあ、早速登山といきましょうか!」
 到着して馬車を降りてからも元気よく声を出す。馬車に乗って体力が残っているなんて何年ぶりのことか。
今度から気を使わないようエメラルダに言っておこう。山へ向かって歩き出しながらそんなふうに考える。
今の彼の心は晴れ渡っているが、それもいつまで続くことやら

36 :フローラ ◆CFwoAEJ66. :2015/05/15(金) 22:23:10.83 0
「ドンマイです、エアハルトさんっ。今回は色々と急でしたからねぇ......」

どうやら移動は馬車の予定だったらしく、そして生憎と貸し切りは叶わなかったらしい。
折衷案としての乗り合い馬車。こうした保険も用意してある辺りがエメラルダの狡猾さである。
その辺りの事情に疎いフローラは何の考えも持たず、足があるならいいかと呑気に思っていた。
心なしか、苦労しているなという気がして。フローラはエアハルトに慰めの言葉をかけた。


その後。
高笑いするフロウ、小さくなったメアリを正面に、エアハルトのとなりの席で苦笑いを浮かべていた。
フローラにとって、馬車の揺れは問題ではない。物心ついた頃から慣れ親しんだ感覚でもあるのだから。
苦笑いの原因は、何故か大声を上げるひどく上機嫌なフロウの様子であった。

「あ、あはは...」

小さく震えるメアリの様子も、正面からならよく見えた。
でも、上の空な彼女に今接触するのも、緊張の糸を切ってしまいそうで憚られた。
隣のエアハルトと依頼の話と少しの談笑を交わしながら。ゆっくりと馬車は目的地に近づいていった。

37 :フローラ ◆CFwoAEJ66. :2015/05/15(金) 22:38:13.52 0
「......ぷはぁ!!やっぱり自然は良いですよねぇっ!!」

馬車が停留所を発ってから、深呼吸をして声を上げる。
乗り合い馬車とて公共の場所。その中で大声を出すのはどうかと思っていたのだ。
それ故に、変なテンションのフロウからは若干の距離を置いていたのだが...

「ほらほら、メアリちゃんもしっかりー。
 ここらには食べられる木の実も落ちてるんですよーっ」

虚勢と言うわけではないが、目一杯元気な様子をメアリに見せる。
暗い顔をしているメアリを、何故だか放って置けないのだ。
つかつかと行ってしまうフロウを横目に、メアリの頭にポンポンと手を置いて。

ゆっくり探索...と行きたかったが、どうやらフロウは待ってくれそうにない。
ポーチから地図を手早く取り出し。エアさん、行きますよー。そう声をかけた。
メアリの手を引いて、フロウを追いかけるように駆け足で進む。足元で小さく砂煙が上がった。

38 :エアハルト(GM) ◆Sg5djUdds2 :2015/05/16(土) 03:27:19.52 0
フローラに慰めの言葉をもらい気を取り直したエアハルトだったが、馬車の中でまた新たな問題に直面していた。

>>「いやー、残念だなあ!馬車が乗合で本当残念だなあ!アッ八ッ八ッハッハッハ!」

「ふ、フロウさん?」

まず、あきらかにフロウのテンションがおかしい。
これは喜んでいる……のだろうか?
そういえば最初に乗り合い馬車になってしまった件を話したときも、どこか反応が鈍かった。
嫌な顔もせず頷いてくれてありがたい、などと思っていたのだが。
首を傾げつつ隣に座っているフローラと話をしている内、どうやらフロウは非常に乗り物に酔いやすい体質らしいということがわかった。
たぶんこの上機嫌はその関係なのだろう。
ならば、と……今はフロウをそっとしておく(見なかった)ことにした。
そしてもう一人気がかりな人物をチラリと盗み見る。

「……」

メアリはひたすら何も見ないよう、身を縮めて震えていた。
馬車や乗り物が怖いわけではないだろう。馬車に乗ることを話したときは普通にしていたし、嫌がる様子もなかった。
ならば怖いのは何か。それはきっと人間だ。
エアハルトもメアリが人見知りだというのは気付いていたが、まさかここまでとは思わなかった。
こんなことなら無理にでも馬車を手に入れてくるべきだったか、と後悔しつつ横に視線をスライドさせると、上機嫌(?)なフロウが目に入る。

「……」

しばらく二人の間に視線をさまよわせると、エアハルトはつかの間目を閉じ、そして開いた。
……うん、しかたない。今回は仕方なかったんだ。
考えるのをやめたエアハルトは、苦笑するフローラと、これから行く場所の地形や生態系などの話をしつつ道中を過ごすのだった。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

無事(?)最寄の停留所につき、一同は開放感に包まれていた。

>>「......ぷはぁ!!やっぱり自然は良いですよねぇっ!!」

「そうですねぇ。空気も美味しいです」

エアハルトも腕をあげて大きく伸びをし、凝り固まった姿勢をほぐす。
そして、そのままそっとまたメアリの様子を窺った。
前回の依頼のときもそうだったが、メアリは無邪気で幼い子供のようにみえるため、子供好きなエアハルトとしてはどうしても気になってしまうのだ。
しかし、人がいっぱいの馬車に放り込んでしまった罪悪感から、エアハルトは声をかけるのをためらっていた。
そうしてフローラが食べられる木の実でメアリの気を紛らわそうと明るく声をかけるのを見守っていると、引き続き元気なフロウの声が聞こえてくる。

>>「さあ、早速登山といきましょうか!」

「はい、そうですね! ってはやぁ!? 待って下さいフロウさんまだ道は長いんです最初からそんなにとばすと……!!」

エアハルトがいつもとちがうフロウの様子に戸惑っていると、フローラからもエアハルトを呼ぶ声がかかった。
慌ててそちらを見ると、フローラは準備万端。いつのまにやら地図も取り出しメアリの手を引いて素早くフロウの後を追ってる。

「ま、まってくださぁい!」

エアハルトは情けない声を出しつつ、気付けば先を進んでいる仲間たちの元へと慌てて向かうのだった。

39 :GM ◆Sg5djUdds2 :2015/05/17(日) 13:25:29.22 0
険しい山道を越え、一行がたどり着いたのは山肌にぽっかりと口をあけた洞窟だった。
洞窟の周囲には木がまばらに生え、ところどころ岩肌を覗かせている。
入り口から薄暗い中の様子を窺えば、湿った空気にまじって腐臭が漂ってくる。
奇妙なことに、空気が湿っているにも関わらず壁面に苔などは生えていなかった。
入り口付近までしか光が届いていないため奥の様子はわからない。

エアハルトによる案内はここで途絶える。
彼が確かめたのはここに巣があるということだけで洞窟の中までは知らないらしい。
さて、一行は無事に洞窟の奥にたどりつけるのだろうか?

40 :メアリ ◆IC7RKFJkf6 :2015/05/17(日) 23:25:06.46 O
ぐったりとしているメアリに差し伸べられたのは女性の手。
ああ、きっと悪い事が起きる。知らない人間に、更に女性に連れていかれて良いことなんて無かったのだから。
拒絶する暇もなく引きずられるように進み、あっという間に巣についた。
「…臭い…けど、見た目はキレイ…?出入りが多いのかな…」
あまり働かない頭から出た言葉をそのまま紡ぐ。
実際、注意を払う部分ではあるだろうが、いかんせん頭が働かない状態。
安心できるものがないだけで、ここまで役立たずになってしまうのだ。
フロウも今は安心できない、隣にいたのに怖かった。
もう、何をしていいのかわらかないのだ…

41 :フロウ ◆aGab3MEKhY :2015/05/19(火) 23:29:05.31 0
「なるほど、ここですか」
 フロウは洞窟を前にエアハルトへと振り返る。ここに来るまでは年甲斐もなくハイキングにはしゃぐ
老人のようだったが、今は普段の彼に戻っていた。空元気も今も必要ないだろう。
自分以外には逆効果だったようだし。

「それはそうと、メアリ。…メアリ。……メアリ!」
 心ここにあらずといった様子の憔悴しきっているメアリの鼻をつまむと、触れそうなほどに顔を
近づける。相手の目を覗き込み、自分の姿が正しく写り定まるまで様子を見る。

「しっかりしなさい。あなたは私よりずっと強いんですから。……怖かったのは分かっています、
いつも見ていますからね。でもそろそろ、あなたの中の勇気にも目を向けてみてもいい頃ですよ。メアリ」

 穏やかな両目に大写しになった少女の姿が見切れる。そこまで言い終えたフロウは洞窟の壁面を
触りながらフローラに話しかけた。

「この匂いがするということは、恐らく中に餌食となった動物がいるということです。
問題は中にいるかどうかということですが、どうやって確かめますか……」

十中八九いると思いながらフロウは呟いた。脱皮や越冬に際して手近に食料を蓄えておく
ことは人間に限ったことでもないからだ。

「そうだ。矢にこのバター瓶を括りつけて奥へと放つのはどうでしょう。いれば何らかの
反応を示すと思うのですが」

懐に手を忍ばせると、次の瞬間には木製の容器にたっぷりと詰まったバター瓶が現れる。
高カロリーで野生の動物には大人気のアイテムである。

「……あの子のことを気にかけてくれて、ありがとうございます」
 そして、他の者に聞こえるか聞こえないかという小声でフロウは言うと、改めて会釈した。

42 :フローラ ◆CFwoAEJ66. :2015/05/22(金) 00:10:04.81 0
道行く中で、様々な花や野草を見かける。
これが野外探索の醍醐味とばかりに、フローラは手を引くメアリに語って聞かせていた。

毒々しく咲く赤い花が持つ、解毒作用のこと。
刺々しい茎の青い植物が持つ、止血作用のこと。
ちらりと見えた太った蛇の、調理方法の数々。
目の前を横切った小動物の、可愛らしい習性の数々。

今はまだ、聞いて解ってくれなくてもいい。
心ここにあらずとばかりにただ引きずられるメアリに、いつか自分の足で歩いて欲しいと思った。
そのために今、自分で出来ることならしてあげたいな、と。そんな思いを話に乗せていた。


そして草木も少なくなり、洞窟の前までたどり着いてから。

(.........あ、採集するの忘れてた!?)

話しかけるのに夢中になりすぎて、肝心の資材調達が疎かどころか忘れられているのを自覚した。
現状の装備は粘着ネットと、いつもの弓矢と魔法のみ。
......何とかなるか。根拠もなしになんとなく腹を括った。

43 :フローラ ◆CFwoAEJ66. :2015/05/22(金) 00:13:31.95 0
>「…臭い…けど、見た目はキレイ…?出入りが多いのかな…」
>「この匂いがするということは、恐らく中に餌食となった動物がいるということです。
問題は中にいるかどうかということですが、どうやって確かめますか……」

「かも知れませんね。もっとも、食べ残しを腐らせるのは考え物ですけど...」

言いながら、苔も生えていない岩肌に触れる。ひやりと冷たい感覚が伝わってくる。
正気を取り戻した(?)フロウの声で、メアリも何とか立ち直ることは出来そうか。
幾分か改善された序受けように、空いたほうの手を胸に当ててほっと一息をついた。

>「そうだ。矢にこのバター瓶を括りつけて奥へと放つのはどうでしょう。いれば何らかの
反応を示すと思うのですが」

「あー、矢って意外とデリケートなので、ものを括ったりすると全然飛ばなくなっちゃうんですよー。
 ですので、ちょっとお借りしますね?」

構えた弓矢の紅と翠。二色の宝石が淡く光を持って震えた。
宝石を介し妖精と共に司る。それが彼女の操る妖精魔法というものだった。

「風よ、炎よ。流れる理の間隙を縫いとめる者よ。
 数多の悠久を手繰り寄せ、今暫し綻び、惑い、逸脱せよ......!」

バターの小瓶は炎に包まれ、風に煽られた炎は矢の形を形成する。
その矢を手掴みつがえ、弓懸を挿した手をゆっくりと引いていく。

「――――――破ッ!!」

明らかに平時の彼女とは異なる覇気で、気合一閃矢を放つ。
朱の焔が一瞬照らす周囲を、その壁面を。逃しはしないと鋭い目で見ていた。
そうして炎が見えなくなって、奥からふわりと柔らかな風が吹き。
バターの焦げたいい匂いがやってきたところで、フローラは弓を背負いなおし弓懸を外す。

「これで大丈夫ですかね。様子見、しますか?」

よく見せた笑顔で、フロウに言葉を返した。
メアリへの気遣い、ありがとう。その返事を言外に隠して。

44 :GM ◆Sg5djUdds2 :2015/05/23(土) 02:28:08.05 0
魔法によって一瞬照らされた壁面に蠢く何かがいた。
それは火が消え、バター瓶が食欲を誘う香りを漂わせた瞬間一斉に行動を開始する。
カサカサと足音を響かせながら溶けたバターやその残骸に群がる複数の影。
それらは残骸を食い尽くすと、新たな侵入者の存在を探し入り口から覗ける薄暗がりに姿を現した。
大きな芋虫のような外見にムカデのような無数の足。空気の流れでも読んでいるのか、上体を持ち上げ、口から複数の触手を蠢かせている。
それ――クロウラーは入り口の方にいる侵入者を察知すると、そちらに向かって威嚇するように奇声をあげた。

45 :エアハルト(GM) ◆Sg5djUdds2 :2015/05/23(土) 02:28:59.83 0
「――っ!! クロウラー!」

姿を見せたその存在に、エアハルトはすぐさま腰のナイフを構え、戦闘体制に入った。
ここからはまだ一匹しか確認できないが、先ほど一瞬みえた壁面の影や今も微かに聞こえてくる足音から判断するに、他にも何匹かいるようだ。

「……みなさん。俺が先行して囮になります。やつらが俺に気を取られている内に攻撃してください。
 もし近寄られたら、やつらが触手から放つ麻痺毒に注意してくださいね」

翼竜が巣にいるかもしれないし、あまり戦闘音を響かせて刺激したくはないが仕方ない。
こいつらは無視して進むには厄介なモンスターだ。
エアハルトはカンテラを最大照度に調整してから腰に括り付け、全員の準備が完了したのを確認すると勢いよく走りだした。

46 :メアリ ◆IC7RKFJkf6 :2015/05/23(土) 11:25:18.71 O
>>「――――――破ッ!!」

「…かっこいい…!」
フロウに説教をもらいつつも、やっと安心したメアリ。
そして目にしたフローラの技に、目を輝かせた。
フロウは派手な魔法をあまりつかわないので、こういうのは見かけないのだ。
可愛いものは好きだが、かっこいいものも大好き。
やっとフローラという人に、良い好奇心が向き始めたのだが…
「?虫?」
同時に見えた大量の蠢くもの。
猫目でしっかり見てみると、そこらじゅうにわちゃわちゃとした生き物がいた。
戦闘の空気を感じ、カンテラを腰ベルトへ括る。そして先陣を切ると言おうとしたら…
>>「……みなさん。俺が先行して囮になります。やつらが俺に気を取られている内に攻撃してください。
 もし近寄られたら、やつらが触手から放つ麻痺毒に注意してくださいね」
先にエアハルトに言われた。
「…わかった、剣が効くなら頑張るよ」
しかし反発はせずに受け入れる。自分は周りと戦う方が良いと納得したからだ。
戦士としての顔つきになったメアリは、エアハルトからほんの少し遅れて走り出す。
双剣を引き抜きざまに左右の虫の頭を撥ね飛ばし、次にエアハルトを狙う虫達に飛びかかる。
素早さを生かし、止まらずに切り続けるメアリ。
そこに先程までの弱々しさなど、まったく感じられなかった。

47 :フロウ ◆aGab3MEKhY :2015/05/24(日) 23:54:09.35 0
「そうか……彼女は……!」
 フローラの放った炎の矢を見ながら、フロウは自分の記憶違いに気づいた。彼女は
妖精使い、冒険者の中でも珍しい部類に入る職業だ。なぜ忘れていたのか。それと同時に
穏やかな人間性にも納得がいった。

 やがて風に乗ったバターの香りが届くと、中からそれは現れた。クロウラー、端的に表せば
大きな芋虫だ。問題は持っている毒だが、フロウはこう見えて耐性持ちで、どちらかというと
噛まれた際の物理的なダメージのほうが怖い。が

>>「……みなさん。俺が先行して囮になります。やつらが俺に気を取られている内に攻撃してください。
 もし近寄られたら、やつらが触手から放つ麻痺毒に注意してくださいね」
>>「…わかった、剣が効くなら頑張るよ」

 気を取り直したメアリが次々に敵を葬っていく。いざ戦えばよほど物理的に硬いか速くない限り、
この少女の刃には抗えないのだ。ギルドではパワー馬鹿と言われているが、実際は獣人の体を存分に
使った、今のクビキリのような軽業も難なくこなす。修羅場のほうが心配しなくていいというのは皮肉なものだ。

「では、この次のための『布石』を作っておきましょうかね」
 フロウはそう言って盾を構えると、杖を天高く掲げて呪文を唱え始める。

【神に奪われし娘、嘆きの乙女よ、その怒りを我が前に現し給え】
【神に汚されし娘、怒りの乙女よ、その怨みを我が術に現し給え】
【神に屠られし娘、怨みの乙女よ、その嘆きを我が敵に現し給え】
【その力、雨となり、沼となり、霧となり、汝を癒す慰めと為さん】

【蛇使いの褥よ!】
 エルフ語で呪文が紡がれる度に杖の皿が不吉にかたかたと揺れていき、そして皿の上から
血が腐ったような色をした煙が湧き出て、クロウラーの亡骸を包んでいく。そして、見る間にそれらを
石へと変えていってしまう。

「ふう、後でこれを使えば、遮蔽物くらいにはなるでしょう」
 およそ神官とは思えない所業をしながら、フロウは周りの状況を確認した。

48 :フローラ ◆CFwoAEJ66. :2015/05/26(火) 00:06:25.35 0
エアハルトとメアリが押し寄せるクロウラーを蹴散らしてゆく。
フロウはその亡骸を煙に巻き、石へと変貌させてゆく。

「この調子なら、援護は要らないですかね...」

戦闘での魔法の行使はかなりの消耗を伴ってしまう。
なぜなら、敵を傷つけるだけの威力を以って魔力を練らなければならないからだ。
狩りにおいては一撃必殺が基本であり理想。残念ながらこのような乱戦だとそれは望めない。

今一度弓を上げ、右手を添えて弦を引く。
小さく詠唱を終え、弓の弦と胴の間に渦巻く微風を生み出した。
静かに目を閉じて、手を離す。クロウラーの遥か上を通り抜け、微風は奥へ奥へと吸い込まれていく。

そして、すっと息を吸う。
弦を離した右掌を、力強くくるりと反す。
すると少し前と同じように、やわらかく風が奥から戻ってくるのであった。

【魔法行使ロール 使用ステータス:魔力(71)】

49 :フローラ ◆CFwoAEJ66. :2015/05/26(火) 00:15:27.96 0
【魔法行使ロール 成功】

戻ってきた微風は、しかし先ほどとは違う点があった。
一つは、バターの焦げた香りがもうしなくなっている事。
そしてもうひとつが、洞窟内の「音」を幾つか拾ってきていることであった。

斬撃の音。
飛び散る血の音。
クロウラーの呻く声。
届いた風の音から、それらを一つ一つ聞き分けて排し、別の手がかりを探してゆく。

フローラは、端からこの戦闘に取り合う気はなかった。
だからこの隙間に、これからのための情報分析を優先させたのだ。
クロウラー殲滅の一切を味方に預けて。小さく何かを呟きながら、目を閉じたフローラは耳を澄ませていった。

50 :GM ◆Sg5djUdds2 :2015/05/26(火) 20:59:01.40 0
【フローラの偵察成功】
【奥からはクロウラーの蠢く音以外なんの物音もしない】

51 :エアハルト(GM) ◆Sg5djUdds2 :2015/05/26(火) 21:00:08.48 0
「とりあえず、もう襲い掛かってくるのはいないみたいですね」

入口付近の敵をあらかた片付けたのを確認すると、エアハルトはほっと一息ついた。
腰に括り付けていたランタンを外し、燃料の節約のため照度を調節しながら周囲の状況を確認する。
どうやら全員怪我もなく無事なようだ。
早速奥へ進む……その前に、フローラからこの洞窟の先の情報を教えてもらった。

「やっぱり奥にはまだクロウラーがいるんですねぇ。面倒ですけど注意して進みましょう」

周囲の壁や天井に注意を払いながら先へ進む。
先導するのは己の役目とばかりにエアハルトは歩を進めた。

52 :メアリ ◆IC7RKFJkf6 :2015/05/27(水) 14:02:19.36 O
辺りのクロウラーを片付けたが、剣を戻しはしない。
そこへ与えられたフローラからの情報で、尚更油断ならないと構えたまま歩き出そうとした。

>>「やっぱり奥にはまだクロウラーがいるんですねぇ。面倒ですけど注意して進みましょう」

そうしたらエアハルトが先頭を行こうとする。
道案内を考えれば当然な話なのだが、メアリとしては嬉しくない。
一度右手の剣を背にしまうと、歩き出したエアハルトの服の裾を掴み、自分が前に出る。

「うん、でもあたしが前歩くよ。目と鼻と耳、良い方が直ぐに動けるでしょ?」

怪我をしてほしくないから、と言うのは黙っておく。
実際暗い道を見るには猫目が便利なのだし、反射神経だって悪くない。
だからといって昔みたいに走ったりはしない、ちゃんと皆が一緒な事を確認しながら進む。
そして改めて抜いた剣をいつでも振るえるように、戦士として歩いた。

53 :フロウ ◆aGab3MEKhY :2015/05/29(金) 00:36:29.66 0
「よっっっこいっしょっと!」
 周囲の敵が一掃されると、フロウは石になったクロウラーを寄せては積み上げる。
高さは彼の肩の辺りで、横は約2mほど。伏せれば正面からの火は防げるだろう。
もしも赤翼竜と戦うならば、どちらで戦えばよいかまでは分からない。
 
 外なら自由に飛び回られて火を吐かれるが、この石の衝立で少しは抵抗できるだろう、
狭い洞窟内で戦うなら相手の行動は制限されるがこちらの逃げ場も心もとない。
そんなふうに考えているとエアハルトとメアリが戦いの終わりを告げた。

「では、いよいよ中へ進むんですね」
 そこで一歩前に出たのはメアリだった。

>>「うん、でもあたしが前歩くよ。目と鼻と耳、良い方が直ぐに動けるでしょ?」

「なら私は、これをこうしてっと……エアさん、これを」
 フロウは杖の先にランタンを下げると、それをエアハルトへと渡す。

「これでちょっとは安全でしょ?」
 彼はそう言うと、懐から魔法のハンドベルを取り出した。

54 :フローラ ◆CFwoAEJ66. :2015/05/29(金) 22:14:47.04 0
先行するメアリ、照明を持ったエアハルト。
そして何故かハンドベルを手にしたフロウの更に後ろを、弓を持ったまま進んでゆく。
すぐに射られるように、右手には数本の矢を指に挟んで。照らされた壁を、天井をくまなく見て行く。

洞窟というものは、普遍的に言う自然と半ば隔離されている環境だ。
そして洞窟内の生態はある程度傾向はあるものの、独自性が強い。
奥に進めば進むほど、未知との遭遇の危険が増える。せめて予測を立てるため、観察は重要な作業だ。
しかし、壁面は先と同じくクロウラーによって綺麗に食べつくされている。
腐臭のほうも相も変わらず続いており、微妙な嫌悪感を呼び起こしてしまう。

「―――おっ.........とぉ」

時折、物陰に隠れたクロウラーを見かけるたびに頭に一撃矢を放つ。
その場に縫い付けられのた打ち回るそれを尻目に、先へ先へと進んでゆく。
腐臭はキツいが、案外焼けば何とか食べられるかもしれない...などと考えながら、油断無く歩みを進め。

「...もし脱皮が終わっていなかったら、私たちどうすればいいんでしょうねぇ?」

そんな見も蓋もないことを呟いて、最早光も差さなくなった背後を振り返った。

55 :エアハルト(GM) ◆Sg5djUdds2 :2015/05/30(土) 14:39:21.27 0
ときおり立ち止まって気配をさぐるメアリにあわせ、手に持った杖(照明付き)を掲げる。
フロウの照明によって広い範囲を照らせるようになり、発見したクロウラーはフローラが素早く排除していったおかげで安心して移動できた。

>>「...もし脱皮が終わっていなかったら、私たちどうすればいいんでしょうねぇ?」


「そ、それは大丈夫だと思いますよ。俺が見たときにはすでに剥がれかけでしたし、あれから時間もたってますから。……たぶん」

ここまできてそれはないと思いたいが、いつもの自分の悪運の強さを思うと否定はできない。
大丈夫だといいながらも内心ビクビクしながら歩を進める。

しばらくすると全方に光が指してきた。

「なんか、明るくなってきましたね」

とりあえず明かりを落とし、杖はほどいてフロウに返すとランタンを腰にくくりつける。
そしてメアリの後に続いてゆっくりと先へ進んだ。

56 :GM ◆Sg5djUdds2 :2015/05/30(土) 14:39:51.66 0
暗い洞窟を進むと最奥には開けた空間が広がっていた。
一部の天井は吹き抜けのようになっていて、そこから覗く太陽の光が周囲を明るく照らしている。
その中でひときわ目立つものが一つ。
それは日当たりのいい場所で身体を丸め微動だにしない。赤い鱗は日に当たってキラキラと美しく輝いている。

一行がその場所にたどりついたとき、巣の主である赤翼竜は侵入者に気付くこともなく静かに寝息をたてていた。

57 :メアリ ◆IC7RKFJkf6 :2015/05/30(土) 23:06:35.68 O
洞窟の奥深く、そこには壮絶な空間が待っていると思っていた。
しかし、見つけたのは眠る赤き竜。
その鱗と光が辺りに幻想的な煌めきを与えている。
「…きれい」
戦意よりも先に、光景に見とれたメアリ。
静かな声ですら大きく聞こえるような空間で、突っ立ってしまう。
だが、目を覚ましたら一瞬で騒がしくなるだろう。
「あ」
そこまで考えて、エメラルダにもらったクリームを思い出す。
何だか武器に塗るとか言っていた気がする、今のうちに塗ってしまおう。
目の前の地面に剣を突き刺し、リュックからエンチャントクリームを取りだす。
中身を適当に剣に塗り、少々余った分を腰のアセイミダガー1本にも塗る。
ちょこまかと作業をしたが、端からみたら素早く、実際大した時間も使わなかった。
問題は、倒す気満々なところだが…

58 :フロウ ◆aGab3MEKhY :2015/05/31(日) 23:30:29.44 0
まずは判定!

59 :フロウ ◆aGab3MEKhY :2015/05/31(日) 23:46:04.82 0
「本当に……いましたね……」
 フロウは眠る赤翼竜を見ながら声を潜めて言う。大きい。脱皮を終えたばかりの、
新たな生命力を秘めた体は静かに寝息を立てていた。他の動物の例に漏れず消耗
しているのだろうか。

「……肝心の抜け殻は……あ、あれ、あそこを見てください」
 洞窟の壁、端の方の一角、多くの生き物の亡骸が周囲に散乱する只中に、目的のものはあった。
光が当たらない位置にあり気付きにくいが、一際異彩を放つ物体があった。あれが翼竜の抜け殻だろう。

「ここまでは順調です。あとはあれを幾らか拾って退散しましょう」
 披露はそこまででもないのに、緊張で汗が浮かんでは額を伝う。ここまでは今までで
一番上手く行っている。このまま済んで欲しいと、フロウは翼竜を見ながら心からそう祈った。

60 :フローラ ◆CFwoAEJ66. :2015/06/01(月) 22:42:40.11 0
【シナリオ分岐判定 使用ステータス:なし】

61 :フローラ ◆CFwoAEJ66. :2015/06/02(火) 00:47:04.16 0
よく見るとそれは半透明で、光の乱反射がよりいっそうの神々しさを醸し出す。
話を聞くに脱皮したて、まだ固まりきっていないのだろう。本来の深紅とは違う、やや朱色がかった赤色だ。

「正直な話、狩るなら絶好の機会ですよ?
 後々の脅威にならないのでしたら放っておくべきですけど......」

脱皮に伴う体力の消耗。
成長途上で防御力の低い鱗。
そして何より睡眠中で隙だらけ。
それでも厳しい戦いにはなるであろうが、これ以上の機会はもう無いだろう。

「そのあたり、どうしましょうか?エアハルトさん。
 ......取り敢えず、鱗は確保しますよーっ」

言うが早いかポケットからカプセルを取り出す。
出発前にエメラルダから貰った、粘着性の投網のカプセル。
僅かにはみ出た紐の輪に指を通し、そのままカプセルを鱗へと投擲する。
すると指に掛かった紐から伸びるように投網が展開される。そして確実に鱗を絡め取っていった。

「......よっと」

投網の下で小さく生まれたつむじ風が、砂粒もろとも鱗を浮かせ。
それを確認したフローラは、大きく腕を振り投網を引き寄せた。
確保した鱗はネットもろとも麻袋に入れて回収してしまう。
粘着質の投網からどう引き剥がすのかは知らないが、投網の製作者のエメラルダなら容易に外すだろうと楽観した。

量こそ少ないものの、確かに鱗の回収はした。
ひとまずの用件は達成したし、ここで大人しく引き下がるもよし。
更なる鱗の回収を望むなら、それもまたよし。
あわよくばと赤翼竜の討伐を目論むのも、それはそれでよし。
念のためと弓を手に取り、エアハルトの答えを窺った。

62 :エアハルト(GM) ◆k3mocT1qNDaW :2015/06/02(火) 20:08:47.78 0
>>「正直な話、狩るなら絶好の機会ですよ?
 後々の脅威にならないのでしたら放っておくべきですけど......」

「うぅん。竜の素材は引く手あまたですし、贅沢をいえば欲しいんですけどねぇ」

竜は非常に優秀な素体だ。
鱗や爪、血から骨にいたるまで全て貴重な素材になる。
使い道も錬金術以外に、武器や薬剤など幅広い。
姉が頻繁に使うものでもあるし、ここで手に入れられれば(家計的にも)かなり助かるのだが……。

「失敗したときのリスクも高いですし、ここは安全第一で。見つからないうちに退散しましょうか」

そう簡単に狩れるようなモンスターでもないのだ。
正直、この状況とメンバーなら狩れるような気がしないでもないが、それでも竜狩りは命にかかわる。
欲を出して身を滅ぼす、なんてことにはなりたくない。
エアハルトはフローラが鱗を回収したことを確認すると、翼竜の様子を窺いつつ来た道を振り返った。

63 :GM ◆JThaci2X0Q :2015/06/02(火) 20:30:56.05 0
一行が来た道を戻ろうかとした刹那、それまで静かに寝息を立てていた翼竜の様子が変わった。
穏やかな呼吸音がピタリと止まり、グルグルと唸るような声に変わっていく。
それと同時にゆっくりと瞼が上がると、その真紅の双眸があらわになった。
完全に目覚めた翼竜は周囲の様子を睥睨し、侵入者の存在を確認すると丸めていた身体を持ち上げて威嚇するように翼を広げる。
そして大きく息を吸い込むと、雄たけびをあげ、自らの眠りを妨げた侵入者に牙を剥いた。

64 :GM ◆JThaci2X0Q :2015/06/02(火) 20:40:49.37 0
【ボスが出現しました。戦闘ロールに入ります】

ボスモンスター:赤翼竜(レッドワイバーン)
HP:800 攻撃力:30+X/2 素早さ:40 属性:火
補足:火属性の攻撃は効果半減。水・氷属性の攻撃は効果倍増。胴体(鱗に覆われている)部分への攻撃は効果半減。
攻撃対象:
4n=メアリ 4n+1=フローラ 4n+2=エアハルト 4n+3=フロウ 96〜99=全体攻撃(火炎ブレス)

X=ボス(GM)のレスコンマ、n=任意の数

ロール順(素早さ判定):
メアリ(80)→フローラ(67)→エアハルト(60)→フロウ(40)→ボス(GM)(40)

65 :GM ◆JThaci2X0Q :2015/06/03(水) 12:20:09.51 0
【ボスステータス訂正】
・胴体(鱗に覆われている)部分への攻撃はダメージ3/4(25%減少)

66 :メアリ ◆IC7RKFJkf6 :2015/06/03(水) 13:45:18.56 O
ぴくり、とメアリが反応するのと赤翼竜の目覚めるのと、ほぼ同時だった。
竜の名を持つだけあってその圧迫感はさるものだ。
だが、そんなもので怯えるメアリではない。
「先手必勝!」
大きな声で竜の注意を自分に向け、そのままサイドへ駆ける。
こうすれば簡単には全体へ火を吐くことはできないだろう。
上手くいけば攻撃自体を自分へ引き付けられるかもしれない。
そんなことを考えながら竜の横から一気に近付き、冷気を帯びた双剣で腹に斬りかかる。
すぐさまバックステップで距離を取り直し、斬りかかれる体制を整える。
出来るならば脚や翼を狙いたいものだが、今は注意を引き付けることが大切。
「かかってきなさい!」
雄叫びのような挑発に、竜がのってくれればいいのだが。

【70×属性2倍×防御力0.75=105。敵HP800−105=695】

67 :フローラ ◆CFwoAEJ66. :2015/06/06(土) 22:14:46.68 0
ほう、とフローラは軽く嘆息した。
背後でゆっくりと動き出した気配に、メアリはいち早く反応し駆け出していた。
すばやく戦線を展開したその手腕に、フローラは感嘆の念を覚えたのだ。


起きてしまったのなら、仕方がない。
ならばここからは、狩りの時間だ。

魔力消費は抑えてきた。まだまだ戦うだけの余裕はある。
思うが早いか、フローラは弓を手にして弓懸を抜き放ち、メアリと逆側に戦線を張るべく走った。

「......はぁァ―――ッ!!!」

気合一念、矢を握る右手に力を込める。
そのまま弓をいっぱいに引き、手首のスナップを利かせて矢を放つ。
するとフローラと翼竜の中間に、陽炎のような揺らぎが生まれていった。


【魔法行使判定 使用ステータス:魔力(71)】

68 :フローラ ◆CFwoAEJ66. :2015/06/06(土) 22:33:41.60 0
揺らぎはやがて膜となって、大きなレンズを形成する。
それは翼竜の目に、フローラの動きを過剰に意識させる助けとなるだろう。
一思いに狩れない相手なら、打撃を加えて着実に弱らせるしかない。
メアリはその決定打になるであろうと踏んだフローラは、囮を引き受けることで彼女の助けになろうと試みた。

同時に、放った矢が竜の表皮に突き立てられる。
成長途上とはいえ竜の鱗、その堅牢さは並みの攻撃をものともしない。
陽動ついでの射撃、ダメージを求めていないとはいえ、決定力に欠ける攻撃に歯がゆさを感じながら。
弓を矢を細かく動かし、絶えず動き続けることで相手のターゲットを撹乱しようと試みた。


【魔法行使判定:成功】
【翼竜の注意をある程度フローラへと引き付ける】

【命中判定:なし】
【ダメージ:{腕力(35)+素早さ(67)}/2 ×0.75 = 38】
【赤翼竜(レッドワイバーン) 残HP:695-38=657】

69 :エアハルト(GM) ◆JThaci2X0Q :2015/06/07(日) 06:10:08.68 0
いつもながら自分の悪運の強さに嫌になる。こんなときは特に。
翼竜が起きる気配に気付いたエアハルトは、うんざりとした思いと共に内心そう嘆息しながら振り返った。
振り返ると同時、素早く戦闘体制に入るメンバーの姿が見える。全員その判断と反応の速度はさすがのものだ。
メアリが駆けていくのを確認しながらエアハルトは自身の攻撃手段について考えた。
エアハルトの持つナイフは肉厚で大振りなハンティングナイフではあるが、翼竜に対しては少々心許無いものだ。
獲物との距離も十分とれる今ならば、身体の上部などを狙いやすい弓のほうがいいだろう。
そう判断したエアハルトは、背中のバックパックから折りたたみ式のロングボウを取り出し一振りで展開すると、矢筒から矢を取り出して番えた。
メアリの攻撃によろめいたところをフローラの矢が突き刺さり、怒りの声をあげる赤翼竜。
翻弄される姿を確認しながらギリギリまで弦を引き絞る。

「――っ、ここだ!」

そして翼竜の大きく広げた翼、柔らかな翼膜を狙って矢を放った。

【命中判定 使用ステータス:素早(60)+幸運(10)/4=62】

70 :エアハルト(GM) ◆JThaci2X0Q :2015/06/07(日) 06:11:45.65 0
【命中判定 失敗】

エアハルトの放った矢は、当たる直前に折りたたまれた翼により、挟まれるようにして弾かれた。
翼竜の勢いは衰えず、猛然と翼や尾を振り回してくる。

「くっ、はずしたか」

エアハルトは、今度こそ当ててみせると気合を入れると次の矢を取り出し、風圧で飛ばされないようしっかりと構えながら意識を研ぎ澄ませた。

【敵 残HP:657】

71 :フロウ ◆aGab3MEKhY :2015/06/09(火) 00:31:14.80 0
戦いは起きてしまった。仲間たちが瞬時に赤翼竜に襲いかかるのを見ながら、
フロウもまた体制を整える。

「自分たちから来ておいてこんなことを言うのは憚られるのですが」
 盾を構えながら、もう片方の手に持ったベルを鳴らし始める。手首を振るごとに
洞窟内にどこからともなく風が吹いてくる。

「あのまま眠っていればもう少し長生きできたものを……」
 凍てついた湖底のような瞳がすっと細まり、乾いた唇からは呪文が溢れ出す。

「光を覆い隠す者、太陽の名代、天空の太子よ!
 汝の恵み、一時この場に湧き立たせ給え!汝の使徒、一時我が元に遣わせ給え」

 不意にフロウの足元に水が湧き足場を水浸しにしていくが、その水はどこにも染みることはなく
水面を泡立たせながらその量を増していく。

「雨蜘蛛の火伏せりよ!」
 呪文が完成すると、今やスライムのように大きくなった水の塊から次々に雫が落ちていく、
そして落ちた雫はうぞうぞと這いずると、その姿を透明な蜘蛛のように変えて走り出す。その大きさは
子供の手の平ら程度だが、数は真面目に数えるのがバカらしくなるほどである。

「かかれ!」
 号令と共に水で作られた蜘蛛が赤翼竜の胴体へと殺到し、衝突しては爆ぜ
取り付いては噛み付き、体中を上って襲いかかる。
【ダメージ:{魔力40×0.75=30】 【敵 残HP:627】

72 :フロウ ◆aGab3MEKhY :2015/06/09(火) 00:39:21.67 0
【雨蜘蛛の火伏せり】
 水属性の攻撃魔法、水でてきた蜘蛛が相手に群がる。低燃費で効果の持続が
長いためフロウでもある程度は攻撃できる便利な代物。塵も積もれば山となるが、
見た目が非常にショッキングなので、人によってはそっちのが辛かったりする。
ちゃんと敵味方の識別はできるので進路上に仲間がいてもそちらを襲ったりはしない

※ハムナプトラのスカラベみたいなのを想像して頂きたい。『キー!』

73 :GM ◆JThaci2X0Q :2015/06/09(火) 22:53:55.78 0
【敵残HP訂正 残HP:597】

赤翼竜は不機嫌だった。
目覚めれば自らの領域に侵入者がいて、そいつらは自分の生命をおびやかす存在で、なのになかなか捕まえることができない。
今もまた、剣が、矢が、魔法が、自分を襲ってくる。
苛立つ翼竜はその身を震わせ、目の前をちょこまかと動き回る敵どもを排除せんと、力の限り暴れまわった。

【攻撃対象判定】
4n=メアリ 4n+1=フローラ 4n+2=エアハルト 4n+3=フロウ 96〜99=全体攻撃(火炎ブレス)

【フローラの魔法行使により、判定数値27以下は攻撃対象がフローラに確定】

74 :メアリ ◆IC7RKFJkf6 :2015/06/10(水) 07:48:10.41 O
赤翼竜の動きが変わった。
誰だって目が覚めて、いきなり攻撃されていたら驚くか怒るかするだろう。
激しくなった動きは誰へ、というよりも全員への攻撃にすら見える。
だが、こちらも止まるわけにはいかない。
最早勝つしかないのだ、今は受ける可能性のあるダメージよりも攻撃を優先すべき。
…皆で、早く帰るためにも。
「勝手に入ったのはあたしたちだけど、後には引けないの!」
もし退却する事があっても最後。
きっと、その方が一番皆の手助けが出来るから。
さあ、今は攻撃をしよう。あの動きを少しでも緩める為に。
「狙いは、そこ!」
転んでくれたら最高、よろけてくれればチャンス。
そう考えて片足に双剣を振りかざした。

【命中判定素早さ80、胴体以外への攻撃】

75 :メアリ ◆IC7RKFJkf6 :2015/06/10(水) 07:52:44.37 O
冷気を纏った剣は、竜の動きを掻い潜り、狙い通りの足へ切りつける。
このままこの場にいては潰されるかもしれない、とすぐさま距離をとりなおす。
切りつけた足に、どれ程効果があったかの確認は後回しだ。

【腕力70×属性2倍により、敵HP597−140、残りHP457】

76 :フローラ ◆CFwoAEJ66. :2015/06/11(木) 00:04:15.89 0
陽動も空しく、翼竜はエアハルトに向けて距離を詰め始める。
人間が前衛、後衛と展開したところで、竜の図体からすればものの距離ではないということか。
まだまだ余裕のありそうな翼竜。長期戦を避けるべく次の矢を番える。

この狭い空間で、取り乱されて暴れまわられるかも知れないというデメリットは無視できない。
しかし急所への攻撃は、着実に確実に体力と余裕を削ってくれるだろう。
狙うはその眼。ゆらゆらと動く頭部のモーションを見定めて、今一つの矢を放った。


【命中判定 使用ステータス {素早さ(67)+幸運(54)}/2=61】
【補正『揺れ動く標的』:目標は不規則に座標を変える。命中判定に-10】

77 :フローラ ◆CFwoAEJ66. :2015/06/11(木) 00:08:51.26 0
見定めて放った矢は翼竜の頭上を飛び越え、壁面の岩に食い込んだ。
外した矢のことはもう考えない。あわよくば翼竜がこちらに意識を向けなおせばとさえ思った。
依然として陽炎のように揺らめく水のレンズの向こうで、竜と視線が交差した気がして。
その瞳孔を鋭く見据えながら、次の矢を手にした。

【命中判定:失敗】
【赤翼竜(レッドワイバーン) 残HP:457】

78 :エアハルト(GM) ◆JThaci2X0Q :2015/06/13(土) 13:23:41.77 0
こちらにどんどん迫ってくる翼竜に、エアハルトはあわてて弓を下ろして回避の体勢をとろうとした。
だが、メアリの攻撃に翼竜がよろめいたのを見た瞬間考えを改める。

(もしかしたら……いける!)

エアハルトは下ろした弓を回避ではなく攻撃のために構えなおすと、自ら翼竜に向かって走りだし距離を詰めた。
獲物が自分から飛び込んできて好都合とばかりに大きく口を開き、噛み砕かんとする赤翼竜。
その、切り裂かれ負傷した左足に向かって、エアハルトは転がるように走りこんだ。

【一括判定】
【回避判定 使用ステータス:素早さ(60)】
【補正+5:メアリの攻撃により左足は大きく負傷している】
【攻撃命中判定 使用ステータス:素早(60)+幸運(10)/4=62】
【ダメージ3/4:回避しながらの攻撃のため攻撃力は低下する】

79 :エアハルト(GM) ◆JThaci2X0Q :2015/06/13(土) 13:57:17.71 0
【回避・命中判定 失敗】

翼竜の左側面へ回りこむようにして飛び込み、地面に片手をついて勢いを殺さないままに身体を回転させ再び立ち上がると、すぐにまた走りだすエアハルト。
翼竜の牙は空振り、獲物を捕らえることができないまま空しく口が閉じられる。
怒り狂った翼竜はすぐさまエアハルトを追って体勢を変えようと動いた。だが、そこで急激に負荷のかかった翼竜の左足が悲鳴をあげる。
痛みに呻き、動きを止めた翼竜。
その隙を見逃さず、エアハルトは素早く振り返ると構えていた弓を引き絞り矢を放った。

――が、エアハルトが矢を放った瞬間、その身体を横から巨大な質量が襲った。

「――がはっ!!」

あまりの衝撃に踏ん張ることもできず吹っ飛ばされるエアハルト。
飛ばされる瞬間確認したエアハルトを攻撃したものの正体、それは翼だった。
翼竜の名が示す通り、腕と一体化した大きな翼に打ち据えられたのだ。
エアハルトは、なんとか受身を取りつつ地面を転がって翼竜の攻撃範囲から逃れる。
だがダメージをまともに受けた身体はすぐさま立ち上がれず、その場に片膝をついた。

【ボス攻撃力:30+(78/2)=69】
【エアハルト 残HP:270-69=201】

80 :フロウ ◆aGab3MEKhY :2015/06/15(月) 23:35:21.69 0
 エアハルトが翼竜の翼に弾き飛ばされたのを視界に収めながら、フロウは現状を整理する。
メアリは未だに足元に張り付いて攻撃を繰り返している。このまま続ければ遠からず倒せるだろう。
急な戦闘でこちらの戦力の見極めが不十分だったことは幸運だった。

 次にフローラ。彼女は良く動けている。いつ孤立してもいいような、囮と連携のどちらにも
対応できるよう付かず離れずの位置で戦っている。魔法を使えることも考えれば彼女の万が一の
事態は考えなくていい。

 最後に、今しがた打たれたエアハルト。彼はなんというか間が悪い。動きそのものは可もなく不可もない
のだが、呼吸が合わなかったり囮として動いているフローラを差し置いて翼竜に目をつけられたりと
運の悪さと竜の動きと味方の動きの中で僅かにずれているような状況だ。今の被弾もそのせいだろう。
実力は決して低くないのに。

(お互いに余力があるうちに、やるか)
 
 フロウはエアハルトを置いて攻撃を継続したかったが、追い詰めて必死の反撃を呼ぶよりも
まだ余力がある今の内に彼を助けて、パーティーが崩れる可能性を減らした方が良いと判断した。
盾を服に引っ掛けて吊るすと、天秤の杖に持ち替えベルを打ち鳴らす。

『福音よ!蛮声の始まりを言祝ぐ天魔の嘲りよ!』
『訊け!その執着の意味する事を!汝の誤ちを!』
『迷い子を再び旅路へと追い遣る力を、此処に!』

『赤枝の掬水!』   対象:エアハルト
【回復の判定:精神】 成功:精神と同値を回復
           失敗:精神の半分を回復

81 :フロウ ◆aGab3MEKhY :2015/06/15(月) 23:41:48.51 0
失敗:【エアハルト 残HP:201+25=226】

使用中の魔法を切り替えることには成功したが、
完全とは言い難かった。その分だけ魔法の効力が落ちてしまったのだ。
天秤から湧き出た癒しの水は少なく、微かな霧となりエアハルトの負傷した
部位に染み込んだものの、回復しきれなかった。

(私もまだまだだな……!)
 表情を険しくしながら、フロウは小さく歯噛みした。

82 :GM ◆JThaci2X0Q :2015/06/16(火) 21:20:09.18 0
【攻撃対象判定】
4n=メアリ 4n+1=フローラ 4n+2=エアハルト 4n+3=フロウ 96〜99=全体攻撃(火炎ブレス)

【フローラの魔法効果継続。判定数値27以下は攻撃対象がフローラに確定。残り1ターン】

83 :GM ◆JThaci2X0Q :2015/06/16(火) 21:35:00.17 0
次なる獲物を見定めようと赤翼竜が動いた。
その視線は目の前に展開する水のレンズによって自然とフローラに集中する。
――虚と現、一瞬の交錯。その瞬間、確かにお互いの目線が合った。
今しがた吹き飛ばした獲物の事は、もう翼竜の頭にない。
翼竜は、己に向かって弓を構える獲物(フローラ)に狙いを定めた。

84 :メアリ ◆IC7RKFJkf6 :2015/06/17(水) 08:28:42.32 O
>「――がはっ!!」

声の方向と距離、攻撃の当たる音、その後のフロウの詠唱、それらをきちんと聞き分けたメアリは振り返らなかった。
エアハルトが死ぬほどではなく、しかしすぐに動けるほどではないだろう、しかも自分の後方に吹き飛んだ。
いざというときは盾になるべく赤翼竜を見やると、こちら側に背を向けてきた。
つまりは対岸にいたフローラを狙いに定めたと言うことだ。
走り込もうとしたところで間に合わない、もしかしたら魔法の邪魔になる。
冷静に判断したメアリは、先程切りつけた左足を狙い、再び走り込む。
「…許さないんだから」
……これでも、竜によるエアハルトへの攻撃に、怒っている。
全速力と全腕力で片足潰しを続けるのも、そのせいだ。

【命中判定:素早さ80−怒りにより10減少=70】

85 :メアリ ◆IC7RKFJkf6 :2015/06/17(水) 08:38:58.37 O
「はあっ!」
声と、攻撃そのもので赤翼竜の集中力を削ぐ。
これが一対一だったならば無言の戦いとなっただろう。
今は守りたい人がいる、なら無駄のような言葉すら戦局を動かす物として使うべきだ。
「あたしの事、無視するなあぁっっ!!」
咆哮を竜へぶつけ、怯みを期待する。
皆に傷ついてほしくない、その一心で…

【457−(腕力70×属性2倍=140+怒りにより10=150)=敵残りHP307】

86 :フローラ ◆CFwoAEJ66. :2015/06/18(木) 01:08:08.49 0
レンズに映るフローラの挙動を見かねたか、翼竜がこちらへ牙をむく。
その巨大な体躯で距離を詰め、水のレンズに向かって首を伸ばす。
そして翼竜と衝突した瞬間、レンズはその形を保つことをやめて翼竜へと流れ落ちた。

レンズによって実際よりも大きく見えていた姿。
それがレンズの崩壊によって本来のサイズに戻り、先とのギャップが狙いを逸らすだろう。
弓を片手にフローラは、矢を手にしたままその場から跳ねた。

【回避判定 使用ステータス:素早さ(67)】
【補正『揺らぐ虚像』:レンズ越しの視界との差異が狙いを逸らす。回避判定に+15】

87 :フローラ ◆CFwoAEJ66. :2015/06/18(木) 01:19:08.21 0
彼女の持つ瞬発力を持ってすれば、幻惑された翼竜の一撃など容易く回避できた。
メアリの怒号を背に、獰猛な笑みをフローラは浮かべる。
身体を捻って翼竜の方に向き直る。その弓には既に矢が番えられていた。

最も油断が生まれる瞬間、それは敵を仕留めた時。
今回は躱しきったとはいえ、攻撃動作の瞬間に隙が生まれることには変わりない。
伸びきった首。一瞬の硬直。今一度狙うなら今以上の隙はあるまい。
すぐ側まで来た翼竜の顔、その眼にもう一度。今度は外すものかと矢を放った。

【命中判定 使用ステータス {素早さ(67)+幸運(54)}/2=61】
【補正『至近の一矢』:極近距離からの隙を突いた射撃。命中判定に+10】

88 :フローラ ◆CFwoAEJ66. :2015/06/18(木) 01:29:42.05 0
翼竜が行動を起こす前に、放たれた一本の矢。
それは翼竜の左目へと吸い込まれ、深々と突き刺さり赤黒い血を噴出させる。
翼竜が地を揺らさんばかりの呻き声を上げるのを尻目に、フローラは翼竜と再び距離を置くべく走った。

身を捩る翼竜。レンズを潜り抜け濡れた鱗が、差し込む日差しを浴びてきらきらと輝く。
眼から流れるどす黒い赤がひどく場違いに見えるほどに、その輝きは優美なものだった。
そんな光景が終わってから、フローラは竜に向き直る。
大丈夫、もう一息。少しだけ上がった息を整えて、手には既に次の矢を握っていた。

【命中判定:成功】
【ダメージ:{腕力(35)+素早さ(67)}/2 = 51】
【赤翼竜(レッドワイバーン) 残HP:307-51=256】

89 :GM ◆JThaci2X0Q :2015/06/18(木) 22:49:33.93 0
フローラの矢が左目に突き刺さり、苦悶の叫びをあげる翼竜。
激痛に身を震わせ、周囲の岩肌に身体がぶつかるのも気にせず暴れまわる。
その瞬間、翼竜の身体から一際輝く物体がパラパラと、宙を舞った。
陽の光を受け、半透明の鱗がキラキラと輝きながら落ちていく。
それは途中で翼竜の身体につぶされることもなく、静かに地面に着地した。

【攻撃行動中にレスコンマ30以下がでたため、アイテムがドロップしました】

『火翼竜の柔鱗』
脱皮したての火翼竜の鱗。まだ固まりきっておらず、ほのかに柔らかさが残っている。

90 :エアハルト(GM) ◆JThaci2X0Q :2015/06/18(木) 22:51:10.79 0
――やってしまった。
油断していたとまではいわないが、翼竜の動きが止まったことで強くでてしまった。
結果、負傷して仲間に迷惑をかけているのだから笑えない話だ。
情けなさに歯噛みするも、今は悔やんでいる場合ではないと思い直す。
そして、この失態は戦闘で挽回しようと、ズキズキと痛む腕と体を無視して膝立ちのまま弓を構えた。
その時、エアハルトの耳に澄んだベルの音色が届いた。
ふと意識を傾けるとフロウの詠唱と同時にフロウの杖からエアハルトに向かって霧が漂ってくる。
自身を包む霧に一瞬戸惑うも、傷の痛みが無くなったことですぐにこれが回復魔法であることを認識した。
霧の染み込んだ部分を撫でながら戦闘に支障がないことを確認したエアハルトは、呼吸を整えしっかりした足取りで立ち上がる。
フロウに礼を言いたいのはやまやまだが、距離がある上今は戦闘中である。

(ありがとうございますフロウさん。これでまだまだ戦える!)

エアハルトは心の中でお礼の言葉をつぶやき、翼竜を視界から外さず軽く頭を下げるだけにとどめた。
そして、痛みもなく動くようになった腕でおもいきり弓を絞り矢を放つ。
翼竜の足下ではメアリもその双剣を縦横無尽に振るっている。
翼竜はどうやら今度はフローラに狙いを定めたらしい。攻撃をうけながらも迷わずフローラに向かっていく。
しかし流石というべきか、危なげなく攻撃を回避したフローラは続けざまに素早く矢を放ち、翼竜の左目を打ち抜いた。
零れる鮮血。洞窟内に絶叫が響く。
そして、痛みに暴れる翼竜からキラキラと輝く破片が落ちた。

「あ、あれは!」

通常の鱗とは違う透き通ったそれは、脱皮したてのごくわずかな時期、それも生きている竜からしか取れない貴重品――柔鱗だ。
死後はあっという間に固まって普通の鱗かそれ以下のただ脆いだけの鱗になってしまうが、生きている状態の竜から取れたそれは竜の生命力が宿っているかのように輝きを失わず、蒐集品として高い価値を持つ。
命あっての物種だ。戦闘中に落とされたそれを、今すぐに拾いに行く必要はない。
だが、そのまま放置していれば輝きはどんどん失われていくだろう。

「――だから悪いけど、さっさと狩られてくれ!」

エアハルトはそういうと、苦しみ暴れ続ける翼竜に矢を放った。

【命中判定:なし】
【ダメージ:腕力(65)×0.75=48】
【敵 残HP:256-48=208】

91 :フロウ ◆aGab3MEKhY :2015/06/21(日) 00:02:03.11 0
戦いはいよいよ終わりへと近づいていた。フローラ、エアハルトの矢はそれぞれに
翼竜へと突き刺さり、足はメアリに深く切りつけられている。
一人なら確かに誰も翼竜には叶わなかっただろう。それが統率のとれた動きで
自身の想像もつかないほど速やかに猛攻をかけた。

およそ自然界で徒党を組んで行動をする者の中でも、このような相手と戦った
ことはなかったに違いない。苛立ちに任せた行動は、あまりにも唐突に破滅を導く。
フロウは天井を見上げた。

(後は逃げ場を潰す…!)
 ここで逃がすようなことがあれば、次はこちらが狩られる番だろう。
杖の石づきを足元の水に付けて呪文を唱える。先ほどの魔法の効果は解け、
無数の蜘蛛達は水溜りとなって翼竜の足元からフロウの元へと繋がっている。

「天に昇り、地に潜り、己が尾を咬みて三界を戒める陰陽の双蛇よ」
「祖の牙一つ、水土と化して我が声を聞き届け給え、始まりの龍よ」
「汝のひさごに赤き水を満たさん」

 呪文が紡がれる度に、赤翼竜の足元の水は輝きを増し、白と黒との二色、
しかも左右歪に分かれていく。左が白の泉、右が黒の泉、どちらも中心に
もう片方の色が点となって浮かび上がっている。
 やがて泉は隆起し、大蛇の顔を形作っていく。先程の点は目となり
ずるりと首が這い出すと翼竜へと近づいていく。

「灰蛟の顎!」
 杖で水面を叩くと、それが合図となって水蛇は大口を開けて翼竜へと食いついた。

【命中判定:なし】
【ダメージ:{魔力40×属性2倍×0.75=60】 【敵 残HP:148】

92 :GM ◆JThaci2X0Q :2015/06/21(日) 18:36:26.36 0
【攻撃対象判定】
4n=メアリ 4n+1=フローラ 4n+2=エアハルト 4n+3=フロウ 96〜99=全体攻撃(火炎ブレス)

【左足、左目負傷により命中率低下。判定数値27以下は攻撃ミス】

93 :GM ◆JThaci2X0Q :2015/06/21(日) 18:45:32.30 0
吹き出る血に激しい痛み、竜の苛立ちは頂点に達していた。
そして霞む視界の中捉えたのは足元をうろつく影。
幾度も己の足を切り裂いた憎っき敵の姿だった。
翼竜はその影に狙いをさだめ大きく息を吸い込むと、呼気を十分に溜め、その口から灼熱の炎を吐き出した。

94 :メアリ ◆IC7RKFJkf6 :2015/06/21(日) 19:20:13.58 O
…待っていた瞬間が来た。怒り狂う竜には悪いが、こっちの機嫌だってまだ悪い。
仲が良い、とまで言えなくても、仲間としていられる人を傷つけられた。
きっかけが自分たちだなんて忘れて、メアリは笑う。
頭上に感じる熱、やっとこちらを向いて、しかも炎を吹いてきた。
その頭までの距離は、今までで一番近づきやすい…
「…やっとあたしを見てくれたね…」
普通なら避けようと走るだろう、しかし、メアリは真逆の行動をとった。
炎をその身に浴びながら、頭、否開いている口を目指して飛び上がる。
感覚気管は守るべく剣を構えてはいるが、体への炎は本来より多く浴びただろう。
それでも、彼女は赤翼竜の口のなかに双剣をふり―――

【ダメージ、あえて飛び込んだ為倍ダメージ、メアリHP260−96=164
【命中判定、怒りのままで−10となるが、攻撃中を狙ったため+10。結果素早さ80】

95 :メアリ ◆IC7RKFJkf6 :2015/06/21(日) 19:27:33.30 O
――その舌を切り落とした。
メアリをよく知らない者には恐ろしい光景だっただろう。
竜の返り血を浴び、炎でぼろぼろな衣服、それでも輝く瞳。
知らぬ者なら今知ったはずだ。彼女が『ブラッディマリー』と呼ばれるようになった光景を…
それでもまだ、メアリは正気に近かった。
少し怒りで力がこもっていただけ…それだけだったのだ。
火傷を気にしている様子はない。これくらい、痛くない。治療なんていらない、気にならない。そんなことよりも…
「…帰りたい」
何か、寂しさを感じていた。

【腕力70×属性2倍+怒り10=150】
【赤翼竜のHPを0にしました】

96 :GM ◆JThaci2X0Q :2015/06/22(月) 21:38:54.36 0
メアリが炎に巻かれた瞬間、赤翼竜は自身の勝利を確信してニタリと笑んだ。
だが、それも一瞬のこと。
気付いたときにはもう遅い。炎とは違う熱さが翼竜の口内を焼いた。
獲物を焼き尽くすための炎は、そのまま目くらましの役割を果たしてしまったのだ。
まさか自身の吐いた炎の中をそのまま突っ切ってくる敵がいるなどとは思っても見なかった翼竜は、何が起きたのかも分からぬうちに舌を切り取られ、絶叫と同時に脆い口内から頭を貫かれて絶命した。

メアリが地面に降り立つと、その体躯は力を失い、重い音を立てて崩れ落ちる。
見開かれた瞳からは光が消え、完全に息絶えている様子だ。
傍らには、戦闘により飛び散った血や肉片に混じり、日差しを反射してキラキラと輝く鱗があった。

【戦闘ロール終了 赤翼竜に勝利しました!】

97 :フロウ ◆aGab3MEKhY :2015/06/23(火) 23:31:55.46 0
(いけない)
 崩れ落ちる竜の身体、滾滾と漏れ出る鮮血に塗れて佇む少女を見て、
フロウは無意識に駆け出していた。ズボンの裾が濡れる度に、明るい赤色が
黒く濁っていく。彼はメアリの元へ着くと、ハンカチを取り出して彼女の髪を、
体を、そして顔を拭いた。

 次にローブを脱ぐと、それを彼女に羽織らせる。ゆったりとした覆いを外した
体は小さく、簡素な肌着を身に着けている。もう一度、寂しげなメアリを見てフロウは
かける言葉を探した。

 殊に有るのだ。彼女がこうなることは。フロウはメアリが本当は心のどこかで
怒りのままに、己の激情に突き動かされることを望んでいるのではないかと、そう思うとき
があるのだ。それは決まって、戦いの時だった。

「メアリ…」
 いくらか正気に戻り、それでもまだぼんやりとしている彼女の名前を、彼は呼んだ。

「帰りましょう……」
 それだけだった。怪我の具合はどうとか、よくやったとか、そういう言葉は出てこなかった。
フロウはこんな時にはいつも、己の力不足を痛感する。空を仰ぐも、そのことに意味を持たせる
ことが出来ない。

「帰って、傷の手当てをしましょう。火傷…痕になるといけないから…」
 彼女に恐怖を抱かない訳ではなかったが、不憫に感じることのほうが多く、
どうにか力になってやりたいという気持ちのほうが強かった。それなのに、

「だから一緒に、帰ろう」
 今はこれが、精一杯の言葉だった。

98 :フローラ ◆CFwoAEJ66. :2015/06/25(木) 02:17:21.20 0
炎に飲まれるメアリ。だがその剣の勢いは止まることなく。
やがて竜の項に当たる部位から、血飛沫と鈍色の刃が飛び出した。
声も上げぬまま横たわる翼竜。その姿を確認すると、足早にその死骸へと歩み寄る。

「お疲れ様ですっ♪」

すれ違いざまに、佇むメアリの頭にぽんぽんと手を置いて。
先の出来事を気にも留めず、ただ柔らかな笑みを浮かべて労をねぎらった。
今現在しっかりと両の足で立ち、そして獲物はしっかり捕えてのけたのだ。
仮においては非常なまでのストイックさを持つフローラは、むしろメアリの行動の合理性を評価してさえいた。

さて、狩猟が終われば次は解体だ。
竜を手にかけた経験は無いが、他の生き物なら数え切れないくらいに解体してきた。
かの竜とて所詮は一匹の動物。臓器の機能も見当が付けば、解体手順もそう変わらない。
手にしていた矢をそのまま竜の腹に向ける。鏃の反しの部分を皮膚に突き立て、そのまま一直線に腹を割く。
そのまま竜の腹部をまさぐり、目当ての臓器を見つけて切り取った。

「...たぶんこれで大丈夫かな?」

手にしたのは火炎袋と呼ばれる部位。体内で生成された可燃物を保管しておく器官。
炎を吐く動物が辛味を持つ傾向にあるのは、こうした部位のせいではないかと思っていたのだ。
戦闘も長丁場になってしまい、パーティにも休息が必要だろう。折角なので翼竜の肉の味を楽しみたいと思った所存である。

「エアハルトさん、適当に解体するんで必要なものがあったら教えてくださいねー。
 ほら、私は錬金術に詳しくないので素材にどんな使い出があるのかわからなくて...」

そんな呑気なことを言いつつ、久々の大物の解体に心躍らせるフローラだった。

99 :エアハルト(GM) ◆JThaci2X0Q :2015/06/26(金) 21:54:34.21 0
エアハルトはフロウのローブをかぶっているメアリにゆっくりと近づくと、警戒心の強い野良猫を相手にするようにメアリの目の前にしゃがみ込み、常備している傷薬をバックパックから取り出した。

「これ、姉の作った傷薬なんですけど火傷にもよく効くんです。姉は性格はともかく錬金術の腕はいいので、効果は保証しますよ」

声をかけながらフタを開き、中の薬を少量手に取るとメアリの顔にそっと近づける。
手が顔に近づいたとき、反射的にか身を引かれたが、フロウに目配せして逃げないようにしっかりと肩を抑えてもらい、そのまま素知らぬフリをして患部を覆うように薬を塗りこんだ。

「メアリさんがあそこで決めてくれて助かりました。ありがとうございます。
 ……でも、あんまり無茶しないでくださいね」

いくらガードしていたとはいえ、生身で炎に突っ込んだのだ。庇っても庇いきれるものではなく、体中いたるところに痛々しい火傷の痕が存在している。
それをみてエアハルトの脳裏に苦い記憶が浮かぶ。
だがそれは一瞬のことで、すぐに気持ちを切り替え慎重な手つきでメアリの顔に薬を塗りこむ作業に集中した。

>>「エアハルトさん、適当に解体するんで必要なものがあったら教えてくださいねー。
 ほら、私は錬金術に詳しくないので素材にどんな使い出があるのかわからなくて...」

「あ、すいません! 俺も解体手伝います!」

幸い、自分では塗りにくい顔の部分はもう塗り終わった。
あとはメアリ自身でもできるだろう。

「はいこれ。ストックならいっぱいあるので遠慮なく使ってください。あんまり強く擦っちゃ駄目ですよ
フロウさん、ありがとうございました」

そう言ってエアハルトはメアリの手に薬を持たせると、肩を抑えていてくれたフロウにも礼を伝えてから立ち上がった。
そのままフローラのほうに向かいうが、ふと周りを見た瞬間、エアハルトは気づいた。

――柔鱗採取してない!!!

慌ててあたりに散らばる鱗を拾い集め、状態を確認する。
幸い、いくつかはまだ鮮度(?)を保っていたため、透き通った輝きとプニプニとした手触りを確認できた。
危なかった、と、安堵の溜め息を吐きながら保存容器に回収し、エアハルトは気を取り直してフローラの進めている解体作業に加わった。
何もいわずとも、重要な器官はきっちり傷つけずに切り取られ、そばに敷いた布の上に並べられている。
フローラの初めてとは思えない手際に関心しながら、自身も手を動かしながら素材になりそうなものを上げていく。

「血とか眼球や内臓は新鮮なうちに保存容器にとっときたいですね。
 あと、もしかしたら魔石も持ってるかもしれないので心臓あたりをばらすときは注意で。あったらそれも回収しましょう。
 どうせ全部は持って帰れないですし、肉の美味しいところはこの場で調理しちゃいます?」

高い魔力をもつ生物は、自身の魔力を結晶化して体内に蓄積している場合がある。いわゆる魔石といわれるものの類だ。
生物に限らず、地中から発掘されたものや、人工的に作られた結晶体も魔石と呼ばれる。
つまり高純度の魔力の塊を総じて魔石と呼ぶのだ。
強大な力を持つ竜種などは魔石をもっている可能性も高い。
それでなくとも竜の素材は高く売れる。
久々の高収入が確定され、内心ウキウキのエアハルトであった。

100 :メアリ ◆IC7RKFJkf6 :2015/06/26(金) 22:43:21.37 O
…血を拭かれて、頭を撫ぜられて、傷薬を塗られて…
ギリギリの所で、心が保たれた。
血の海と人間達という光景に、パニックになりかけていたのだ。
まるで仲間を切り裂いて作ったように、見えたから…
メアリはとうに落としていた剣を放置して、もらった薬を大事に抱えた。
「…フロウ…あたし、隅っこにいるね…」
それでも誰かといたい気分にはならなかった。
自分が傷つけてしまいそうで、不安になる。
もし暴れだしてしまったら、フローラやエアハルトに剣を振るってしまうだろう。
せめて、もう少し落ち着いてから…
「…ローブ、ありがとう…後でエアハルトにも、お礼言わないと…」
そこまで言って、洞窟の隅にいくとローブですっぽり隠れた。
一応ごそごそと動いているので、火傷に薬を塗っているようだとわかる。
いつでてくるかは、わからない。

101 :フロウ ◆aGab3MEKhY :2015/06/28(日) 23:23:59.48 0
「だめです逃げない塗りますよ!」
 咄嗟にメアリを捕まえてエアハルトに傷薬を塗ってもらったものの、
彼女は隅っこに行ってしまった。彼女の戦いはにいつも怒りと恐れがあった。
心の傷が彼女を戦いに駆り立て、戦いの痕がまた心の傷を広げる。

 しかしそれでも慣れさせていくしかない。忘れさせてはいけないし、紛れさせても
いけない、彼女の中でそれが癒され、乾いて行くまで。何度も仲間を作り、別れ、
旅をしていくことで、いつか終わりが見えることを、フロウは願った。

(何にせよ、狩りは終わった…)
 メアリから視線を外すと、彼はフローラ達のほうへと歩いていく。装備を付けっぱなしに
しておけるローブが今はないので、手荷物が少し多い。

「お疲れ様です。全員無事でなにより」
 フロウも竜の解体に加わる。

「エアハルト、さっきは助かりました。ですがあなたも食らってるんですから、
あまり無理はいけませんよ。後でギルドに連絡して応援をもらいましょう。
流石に骨を丸々残すのは惜しいし、かと言ってこの人数で持っていけるほど
手軽でもない」

 フロウは少し強めの口調で言った。彼が柄にもなく先輩風を吹かす時は
心配が表に出ている証拠だ。次にフローラに声をかける

「潰れた左眼を見てもらえますか。こういう場合、大抵は傷物として捨て
置かれますが、魔石は眼の中に宿ることもありますから。それと」

こほん、と咳払いをしてから
「ありがとう。今日は本当に助けられました。もしも何か困ったことがあれば
その時は力にならせて頂きますよ」

 穏やかな笑みを浮かべると、軽く頭を下げた。それからもう一度、メアリの
ほうを振り向くと、深呼吸をして、少し考えてから、声をかけた。

「メアリ!それが終わったら、こっちも手伝ってください!あなたが一番力が強いんだから!」
 無神経な言葉を無神経そうに放つ。顔の皮を厚くするのは人によっては相当恥ずかしいのだ。
相手にどう受け取られるか分からないがダメで元々。フロウは内心どきどきしながら反応を伺った

102 :フローラ ◆CFwoAEJ66. :2015/06/30(火) 23:32:43.43 0
>「血とか眼球や内臓は新鮮なうちに保存容器にとっときたいですね。
> あと、もしかしたら魔石も持ってるかもしれないので心臓あたりをばらすときは注意で。あったらそれも回収しましょう。
> どうせ全部は持って帰れないですし、肉の美味しいところはこの場で調理しちゃいます?」

>「潰れた左眼を見てもらえますか。こういう場合、大抵は傷物として捨て
> 置かれますが、魔石は眼の中に宿ることもありますから。それと」

「んー、わかりました。傷つけないように気をつけます。
でも魔石の有無は置いといて、とりあえず持って帰りましょう。
今はほら、これだけ巨大なものを傷まないうちにバラさなきゃですから...」

言う間も手を動かして、筋肉の筋に鏃を走らせる。
筋肉の質の違い、わずかな色の変化から肉質を読み取り、丁寧に切り分けていく。
フローラにとって狩りは食糧確保の筆頭手段。味のよい部位の選別ならお手の物だ。

>「ありがとう。今日は本当に助けられました。もしも何か困ったことがあれば
> その時は力にならせて頂きますよ」

「あはは...お役に立てて何よりです。
私はほら、こういうの得意分野ですからっ」

頭を下げるフロウに苦笑いのようなはにかみを向ける。
もうすでに、この依頼の馴れ初めのことは忘れていた。
自分がしっかりとパーティの一員として頑張れた、それだけで彼女には十分だったのだから。

「あ、そうだ。調理するなら香草とか欲しいですよね?
ちょっと空けてもいいなら採ってきますけど...どうしましょう?」

103 :エアハルト(GM) ◆JThaci2X0Q :2015/07/02(木) 23:04:22.23 0
>>「エアハルト、さっきは助かりました。ですがあなたも食らってるんですから、
あまり無理はいけませんよ」

「こちらこそ。フロウさんの魔法のおかげで痛みもないので大丈夫ですよ。でも、はい、無理はしません」

元々丈夫さには定評があるエアハルトである。
本当にもうなんともないのだが、ここは素直に心配してくれる気持ちを受け取っておくことにした。

>>「後でギルドに連絡して応援をもらいましょう。
流石に骨を丸々残すのは惜しいし、かと言ってこの人数で持っていけるほど
手軽でもない」

「そうですね。解体が終わったら連絡いれてみましょうか」

うまくすればすぐに手が空いている人員を派遣してくれるだろう。
なんといっても竜の素材を丸々確保できたのだ。
手伝いに入るだけでもそれなりの分け前が期待できる。

>>「あ、そうだ。調理するなら香草とか欲しいですよね?
ちょっと空けてもいいなら採ってきますけど...どうしましょう?」

「確かにほしいですけど、一人であの洞窟を戻るとなると危険ですし、今すぐの分はあきらめましょう。
 持って帰る分は食堂で色々調理して……打ち上げ、しませんか?」

せっかく縁をもてたのだ。
大仕事を共に終わらせた仲間同士、これからもお付き合い願いたいと考えるエアハルトはそう提案した。
一緒に食事をすると距離を縮めやすいし、帰ってから思う存分パーっとやりたい気分でもある。

その後も解体を進めながらしばし雑談を楽しむ。
鏃という決して解体に適しているとはいえない道具でスイスイと筋をたっていくフローラに尊敬の念を抱き、コツを教えてもらったりしながら、全員で手を動かし、口を動かしながらも作業を手際よく進めていった。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

食道・心臓・肝臓・膵臓・腎臓と腑分けし終わった臓器が瓶詰めや密封パックにいれて並べられている。
翼竜独特の翼膜や火炎袋などもきちんと取り置き済みだ。
解体が済んだ場は血の海になっていて、そばにそれらが並ぶ光景は耐性のない人間がみたら卒倒しそうな絵である。
まぁ、現場の人間で耐性のない者などほとんどいないと思うが。
本当は別々に保存するのが理想なのだが、さすがに全て分けて入れるほど収納に余裕はないので、ある程度ごっちゃになるのは仕方がないことだとあきらめる。
肉も部位ごとに分けて骨抜きをし、布にくるんだりフロウの魔法で冷凍保存したりと、できる限り品質を保てるようにしたので問題ないだろう。
それにしても生活魔法とは便利なものだ、とエアハルトはしみじみと嘆息した。
雪もないのにその場で冷凍保存ができるとは思わず、感動してつい歓声をあげてしまったのは恥ずかしいかぎりである。
自分も覚えられないか本気で思案したくらいだ。
すぐに自分の魔力と魔法適性の低さを思い出して落ち込む羽目になったが。

全ての解体と保存が終わり、エアハルトは深く息を吐いた。
一つ一つの大きさが規格外なため解体には苦労したが、得られたものもまた大きい。
しゃがみっぱなしで固まった筋肉をほぐすために立ち上がりながらにやける表情を隠すように顔をぬぐう。
だが、まだ作業は終わりではない。ここからは楽しい食事の時間だ。
どうせ応援を待つ間はこの場を動けないのだし、待ち時間は有意義に使うべきだろう。
そう心の中で言い訳をしながら、鼻歌交じりに調理の準備に取り掛かるエアハルトだった。

104 :メアリ ◆IC7RKFJkf6 :2015/07/02(木) 23:24:24.52 O
>「メアリ!それが終わったら、こっちも手伝ってください!あなたが一番力が強いんだから!」

>「あ、そうだ。調理するなら香草とか欲しいですよね?
ちょっと空けてもいいなら採ってきますけど...どうしましょう?」

>「確かにほしいですけど、一人であの洞窟を戻るとなると危険ですし、今すぐの分はあきらめましょう。
 持って帰る分は食堂で色々調理して……打ち上げ、しませんか?」

正直、近づけなかった。
実は動物の解体自体は慣れているが、フローラの手付きが鮮やかすぎて、手出しが要らない。
そんな中聞こえた「香草」
洞窟の近くにも見覚え位はある物があったはずだ。
昔母親がよく使っていた草花、道中でフローラが楽しそうに指差して話してくれていた。
入口近くにあった分くらいなら一人で行ってこれる、そう思って、皆が解体しているうちにこっそり走る。
ローブは流石に置いておき、剣と無事だったリュックだけで行動したが、猫目と素早さで問題なく往復できた。
虫の死骸は増えたが、まあ問題ないだろう。
そうして採集してみた草花、案外「香草」だらけだった。
またもやこっそり戻ってきて(ばれてるだろうが)フローラの背をつん、とつつく。
「……これで、いい、かな?」
少し怯えを見せがらも、血の臭いすら忘れそうな色んな匂いをフローラに差し出すのであった。

105 :フロウ ◆aGab3MEKhY :2015/07/04(土) 22:34:13.57 0
 野菜やお肉を長期保存できるように改良した冷凍系の魔法がよもや
こんなところで役に立つとはフロウも思わなかった。杖のお皿に載せて呪文を
唱えるとお皿がクルクルと回り「チン」と音がするとカチコチに凍っている。
これでゆうに二、三日は保存が効く。検めてみれば攻撃魔法や呪いは使い道を
間違えなければ便利なことこの上ない。

 次に足元の血を皿で掬って凍らせて薄い板状ににすると、それを積み上げていく。
作業が一段落を迎える頃になると、翼竜は骨と肉とに綺麗さっぱり分けられていた。
保存容器は今や中身が詰まっておりこれだけでも持ち帰れるが疑わしい。

「これで最後っと、あら?」
 ふと気が付けばメアリが両手いっぱいに持った香草やら何やらをフローラに
渡しているところだった。ずっと気をつけていたはずだが何時抜け出したのか、
どうやら一人で採りに行っていたらしい。こういうところが頼もしくもあり
危なっかしくもある。

「メアリ!……せめて一声かけてから行ってください。ちょっと心配しました」
『ちょっと』とは『ちょっと』である。この洞窟の主は既に倒しているのだから
強敵と呼べる者はもういないはず。けれども何があるか分からないのが冒険だ。
フロウは「めっ」と言うとメアリの小さな鼻を軽く弾く。

「あとは食事をして戻るだけですから、ゆっくり休んでいなさい。ああ、ちょっと失礼」
 フロウはおもむろに、メアリが着ているローブの合わせ目から内側へと腕を突っ込んだ。

「ええと確かこの辺にあった。次に…これっと、あと…」
 無造作にごそごそとまさぐっては私物を取り出していく。現れたのは小さな塩と胡椒の瓶、
お酒や食用油の入った水筒などなど。

「お菓子も入ってますから好きなの食べてていいですよ。お腹が膨らまない程度に」
そう言って微笑むと、それらを準備に取り掛かっているエアハルトの元へと持っていく。
一歩間違えば痴漢の所業だが、そこは230歳。下心が枯れかかっていることが
割と真面目に心配されるお年頃。とくに気にもならずそのまま自身も調理の輪へと
加わっていくのであった。

106 :フローラ ◆CFwoAEJ66. :2015/07/07(火) 02:52:28.28 0
馴れた手つきで解体作業を進めるうちに、エアハルトと少し言葉を交わした。
主に筋張った部位の見分け方とその解体のコツについて話して聞かせ、少し後にまた作業を別にする。
鼻歌交じりに解体を進めていくと、つんと背中にか弱い感触を感じて振り返る。

>「……これで、いい、かな?」

わずかに震える手と視線、それが確かにフローラに向けられていた。
どうやら先ほどの会話を聞いて、香草の採集に出向いてくれたようだ。
採ってきたのは同じ種類ばかり。しかし肉の臭みを消して食欲を増進させるには十分。

「......バッチリですっ♪」

小さく親指を立てながら、メアリと同じく声を潜めてそう囁く。
きっと周りに心配をかけまいとしたのだ、事を表に出したがらないメアリの感情を汲んだのだが...

>「メアリ!……せめて一声かけてから行ってください。ちょっと心配しました」

気づかれてしまっていたらしく、鋭い声が飛んでくる。
メアリに同調したフローラまでバツが悪くなってしまい、乾いた笑いをこぼすのだった。

「あはは...... じゃあ今度は二人で行きましょう?
薪を集めるの、手伝ってくれますか?」

折角向こうから話しかけてくれたのだ、もっとメアリと仲を深めたくて。
若干強引に声をかけ、連れ添って洞窟をそそくさと出て行った。




薪を拾う最中も、洞窟への往路と同じようにメアリに自然の産物について語って聞かせながら。
ほんの少しだけ、追加の香草やメアリが気に入った花を余分に摘んで帰路に着く。
大量の薪を難なく運ぶメアリの腕力とバランス感覚に驚愕しながら洞窟まで戻ってきた。

「よしっ!じゃあ早速調理に取り掛かりましょうか!」

薪を組み上げてから魔法で火種を作れば、後は放っておいても火はついてくれる。
天井には穴が開いているため煙はこもらず、洞窟であるために雨もしのげるこの場所。
なんとも都合がいいものだと思いながら、矢筒から数本の矢を取り出して片手間に拭いていた。

持っていく分を加味しても相当な量なため、手分けして調理する運びとなったのだ。
そんな中でフローラがとったのが、単純明快に焼くだけの手法。
生き抜くために過剰な調理は必要ない。ただ素材と少しの調味料があればいい。
かつてのように矢を串代わりに、香草をすり込んだ肉を焼くだけの簡単な料理。これがなかなかどうして美味いのだ。

「皆さんは調子どうですかー?」

シンプルゆえに準備の少ないフローラは、そんなのんきな呼びかけを洞窟に響かせた。

107 :エアハルト(GM) ◆JThaci2X0Q :2015/07/07(火) 21:53:39.05 0
フローラとメアリが薪を取りに行っている間に調理の道具や下ごしらえを進めておくことにした。
肉を切り分け、一部はフロウの持ってきてくれた調味料やメアリの摘んできた香草を拝借して下味をつけ、寝かせておく。
あとは折りたたみ式の鍋を用意したり、火を熾すために地面を軽く掘り、土手を作って簡易的なかまどにしておいた。
大々的なものは作れないが、時間はまだまだある。なるべく楽しめるようにできる限りの用意はしておいたほうがいいだろう。

そうこうしているうちに二人が大量の薪を抱えて戻ってきた。
礼を言うと早速調理に取り掛かる。
それぞれ手分けしようということで、何をしようか少し考え、エアハルトは蒸し料理を作ることにした。
携帯食料として持ってきていた芋粉を水でこね、下味をつけ薄切りにした肉と交互に重ねて軽く酒をふりかけ、大きめの葉っぱで包む。
葉は薪を拾いに行った二人が皿代わりになるだろうと取ってきてくれたものを分けてもらった。
それをさらに泥で包むと、深めに掘った穴に熾しておいた火の中に入れて放置。それだけだ。
あとは食べるときに火を消して表面の泥(の塊)を落とせば完成だ。

>>「皆さんは調子どうですかー?」

「順調ですよぉ。竜の肉をふんだんに使えるなんて滅多にないですから、豪勢ですねぇ」

フローラの声がけに答えながら顔をあげたエアハルトは、周りから漂ってくる食欲を誘う香りに生唾を飲み、今更ながらに自身の空腹を自覚した。

108 :メアリ ◆IC7RKFJkf6 :2015/07/07(火) 22:55:59.44 O
ちょっぴりフロウに怒られたが、その後フローラと薪探しに行けることになった。
傷はひりつくが、じっとしている方が不安になってきていたのだ。
薪を山積みにしながら、フローラの話を聞く。ギルドに入る前に知っていたら、狩暮らしの日々に使えていただろう。
でも、そうしたらギルドに入れなかった。
今から覚えて、いつか使う日も来るかもしれない。それでいい、のだと思う。
いくらか良い匂いの花も摘ませてもらって、薪を洞窟に運ぶ。
だが予想外なのはこれから、なんと各自で料理をする事になった。
一先ずまさぐられた後のフロウのローブからお菓子を見つけ、フロウの隣に腰かける。
「あのね、あのね、この花フロウみたいな色だったの」
匂いに誘われて見つけた花、それから今もらったお菓子を交互に見つめる。
「綺麗だから、竜にあげるんだ。お菓子もちょっとだけ」
それだけ言うと、解体した赤翼竜の元へ行き、花とお菓子を供える。
ただの魔物とは少し違う、竜達。弱肉強食に勝ったのだ、後悔もなにもない。
その体の全てをいただく事に、礼をするような気持ちだ。
「…美味しく食べるからね」
とは言うものの、料理なんて手伝い位しかしたことがない。
うーん…と見渡すと、エアハルトが何かを捏ねていた。
「あれ?なあにそれ?面白そう!」
痛みなんてどこへやら、とてとてとエアハルトに近づくと、手元を覗き込み確認する。
匂いからすると、芋のようだ。
「やりたい!…やっても、いい?」
休んでいても怒られないだろうが、何かしたいのだ。
それに捏ねるのは楽しそうで仕方ない、子供心をくすぐる調理だ。
結局苦笑いなエアハルトから作業をもらって、楽しく捏ねる。
芋を捏ねたら次は泥、こんな料理もあるんだなあ、と思いながらこねこねする。
「…あ、痛」
夢中で捏ねていたら、ローブに傷がすれた。火傷だから仕方ないが…そういえば何故ローブを貸してくれたのだろう?
うー?と首を捻りながら残りの作業を眺める。
良い匂いに囲まれながら、まだまだ子供なメアリは服の重要性に気づかないのであった。

109 :フロウ ◆aGab3MEKhY :2015/07/09(木) 23:09:29.62 0
 魔法で飲み水を含めた分の量の水を出すと、フロウはそれで幾つかの割れた
鱗を洗って予備の鍋に水、塩胡椒と骨にこびり付いた僅かな肉と共に入れて煮込む。
竜のアラ汁である。

 煮えるまでの間に椀とカップを用意する。とは言っても各自で水筒などを
持っているのでそれにはあまり時間はかからなかった。
>>「皆さんは調子どうですかー?」

「こちらも後少しです。やっぱり少し辛いな……」
 味見をしながらフロウも返事をする。その隣にメアリがやって来た。

>>「あのね、あのね、この花フロウみたいな色だったの」
>>「綺麗だから、竜にあげるんだ。お菓子もちょっとだけ」

 それだけのことだったが、わざわざ伝えに来てくれたことと、
彼女が、自分から他者を弔おうとしていることに、彼の顔は無意識のうちに
綻んでいた。

「……いいと思いますよ。いってらっしゃい」
 少女の背中を見ながら、調理へと戻る。やがて料理ができると、それぞれ思い思いの
場所に座って料理を食べ始めた。野趣ではあったが、冒険者でもなければ食べられないであろう
ものばかりだ。

(『フロウみたいな色』『綺麗だから』『あげようと思う』……
深い意味はない、深い意味はないはず!)

 花が綺麗だったのか、フロウが綺麗だったのか、そんなことはどっちでもいい。
自分が良いと思った物を相手にあげたい。これも理解できる。できるけどなんだか釈然としない。

「この頃は汁物がないとご飯が進まないのですが、やっぱりちょっと辛かったですね」
 そんなことを言いながら、フロウは自分の気持ちを料理への感想へとすり替えて誤魔化すことにした。。

110 :フローラ ◆CFwoAEJ66. :2015/07/11(土) 23:00:51.56 0
調理に入ったフロウとエアハルトは、手馴れた様子で作業を進めていく。
野外環境で生活するだけなら不自由はないが、彼らの手際に少しだけ口を曲げる。

「......料理、勉強しようかなぁ」

いつも疑問も不満もなく食べていた食事が、ひどく殺風景にも見えたが。
そこは追々の精進、いつもの調理だって味が劣るわけではきっとない。
なにせフローラの調理も長年の生活で洗練されている。自分自身の保証書つきなのだから。

そして火竜に花と祈りをささげるメアリの姿を横目に見る。
健気な後姿に少しだけ笑みを浮かべて、食事の完成を見計らって声をかける。

「はいはーい、では完成したようなので早速食べましょう!
 皆さん、ご一緒にーっ」

いただきます、と声を揃え。
明るい洞の中での食事会が始まった。


>「この頃は汁物がないとご飯が進まないのですが、やっぱりちょっと辛かったですね」

「あはは... でも早めに火炎袋を切り離しましたからそんなに辛味が回ってないんですよ?
 それでも戦闘で火を吐いちゃいましたから、ある程度は辛くなっちゃいましたけど」

そんな与太話に花を咲かせながら。
ささやかながら豪勢な食事回で、刻々と時は過ぎていった。

111 :エアハルト(GM) ◆JThaci2X0Q :2015/07/12(日) 17:23:02.70 0
エアハルトの作業はメアリに手伝ってもらい、比較的速やかに終了した。
一番の重傷者であるこの少女には休んでいてほしいと最初は遠慮したのだが、キラキラと瞳を輝かせる姿に、それならとお願いする事にしたのだ。
楽しそうに芋や泥をこねるメアリに、エアハルトも最初の頃のようなぎこちなさを感じることも無く楽しく調理することができた。

全員の調理が終わるとフローラの号令でみんなそろって食前の挨拶を行い、食事を開始した。
エアハルトも、まずはフローラ作、焼きたての串(矢)焼きを頬張る。

「あっつ、んん、うまぁ」

シンプルに香草と塩のみで味付けされたそれは、肉本来のうまみをそのままダイレクトに味わえる一品だ。
肉の外側はパリっと、噛むと内側から熱々の肉汁があふれてくる。
サバイバルが得意だと言っていただけあって、火加減が難しい野外料理にあって、経験に基づいた絶妙な焼き加減である。
続いて自身の作った蒸し焼きにも箸を伸ばす。
火の中に放り込んで調理するため火加減も何もあったものではないのだが、今回はうまくいったらしい。
火が通り過ぎて肉が硬くなることも無く、間にはさんだ練り芋にもしっかりと肉汁が染み込んでいる。
料理の出来に満足しながら、芋で粉っぽくなった口内を潤す為にフロウ作のアラ汁をすする。
しっかりと出汁取りされたスープは丁寧に灰汁を除いたためか澄んでいて、雑味はなく、それでいてどっしりとした旨味があった。
ピリリと刺激する辛味も後を引くことなく、喉を通った後には心地よい余韻をもたらしてくれる。
思わずほっと息を吐き出すうまさだ。

>>「この頃は汁物がないとご飯が進まないのですが、やっぱりちょっと辛かったですね」

>>「あはは... でも早めに火炎袋を切り離しましたからそんなに辛味が回ってないんですよ?
 それでも戦闘で火を吐いちゃいましたから、ある程度は辛くなっちゃいましたけど」

「俺は辛いのも好きなので、このピリっとしたのがいい感じですけど」

お互いにそれぞれの料理に対して感想を述べながら和やかに食事を進めていく。
エアハルトは料理を口に運びながら今日一日を振り返り、本当にこのメンバーでよかった、と改めて思ったのだった。

112 :メアリ ◆IC7RKFJkf6 :2015/07/12(日) 18:51:35.38 O
覚えているだろうか、皆は。
メアリが大食いだと言うことを…
「どれも美味しいね!ちょっと辛いのつらいけど…美味さのほうが上!」
怪我人だなんて忘れそうな勢いで、三種の料理をぱくぱく食べてゆく。
たまに辛すぎたのか「わっ」とか「ひゃっ」とか声を上げるくらいで、後は殆ど食べている。
…食べながら、考える。
こうやって誰かと食事をするのは、ギルドではあまりしない。
食べているときにフロウが来たりもするが、それ以外は殆ど一人だ。
美味しい物が食べれるなら、それでよかったのだから。
だが、ギルドのきっちりした料理より、今食べているものの方が格段に美味しい。
…皆でわいわい食べる食事の方が、暖かい。
今は亡き家族と、行方知れずの兄、皆で暮らしていた頃のような味がする。
「本当に…美味しいなあ」
これがきっと仲間、なんだろう。
一緒にいて楽しくて、たまには喧嘩して、よく叱られて、でも心を暖かくしてくれる。
ティアやエメラルダがいなくてちょっと残念だけど、二人ともご飯を食べてみよう。
きっと、好きな人と食べる食事は味以上に美味しいのだから…

113 :GM ◆JThaci2X0Q :2015/07/13(月) 22:21:53.75 0
こうして一行はギルドの応援がくるまで楽しく食事を堪能した。
その後、応援に駆けつけたギルド員と共に赤翼竜の遺体(素材)を回収し、無事町まで運び込むと、後の処理は依頼主であるエメラルダとギルドに任せ、メンバーはその場で解散。疲れを癒すため、各々の部屋へ戻っていった。
持ち帰った素材は量が量だけにギルド主体で鑑定と売却が進められ、数日後には各自の手元に諸々の手数料を引いた分の金額が報酬として渡された。
その額なんと一人頭金貨8枚。
さらに元々の目的だった脱皮殻や、その他目に付いた素材は売却前にエメラルダが掠め取っていったため、エメラルダ個人からも依頼報酬として金貨1枚が支払われた。
総合して、今回の依頼は大成功と呼べるだろう。

114 :名無しになりきれ:2015/07/14(火) 18:44:30.18 0
で?





























で?





















で? 👀
Rock54: Caution(BBR-MD5:0be15ced7fbdb9fdb4d0ce1929c1b82f)


115 :メアリ ◆IC7RKFJkf6 :2015/07/14(火) 21:01:35.34 O
報酬をもらった日、駆け込んだのはいつも通り取水亭。
もちろん1000%フロウに用事があるのだ。
今回ばかりはどうしても自分ではわからない、今後わかる気もしない。
飛び込んだメアリの体は、特製の薬を塗っただけあって殆ど回復していた。
そんな元気なままの勢いでフロウに詰めよって聞いたこととは…
「ティアに苦笑いされないような部屋の飾り方教えて!」
…なんとも微妙な質問だった。
無機質な部屋に、リュックと毛布だけと、苦笑いされても仕方ない部屋だったのだが、メアリには理解が及ばない。
部屋なんて、眠れればいいと思っていた。
けれどフロウの家にお泊まりしてから、何かが違うとは思いはしていたのだが…
ティアからは、とにかく家具を買ったらいい、と言われたが何を買っていいかわからない。
その為今日一日フロウは…メアリに振り回されることになりそうだ。

部屋を見せたのは口実なだけだったはずだが、結局メアリはティアの家に泊まれたか?
それはまた別のお話。

116 :エアハルト(GM) ◆JThaci2X0Q :2015/07/15(水) 00:12:17.15 0
討伐の報告も終え、パーティが解散した後。
エアハルトは姉と共に素材の検分に勤しんでいた。

「よくやったぞエアハルト! まさか本当に翼竜を討伐してくるとは、予想だにしていなかった!」

「はいはい、喜んで貰えて何よりですよぉ」

手に入れた素材を整理しながら仮面の変人が不気味な笑みを漏らす。
そんな光景を眺めながらエアハルトは溜め息を吐いた。
だが、そっけない返事とは裏腹にその顔は緩んでいる。この姉弟をよく知るものにとっては見慣れた光景だ。

「ふふふっ。これでしばらくは充実した研究ができるなぁ。さすが私の弟だ!」

「――っまぁ、倒せたのはみんなのおかげだけどね。……姉さんの役に立てたならよかった」

今はギルドの裏口、素材の査定中。
人目があるがゆえ取り繕ってはいるがエアハルトの顔面、および内心は姉に褒められてデレデレである。
こんなんだから姉(エメラルダ)の暴走が止まらないんだよ、と、思っても言わないのはその場に居る者の優しさなのか、それとも指摘しても無駄なことなので面倒なだけか。

「あ、その発火器官は使えそうだな。別でとっておいてくれ」

「えー、これも結構な値段するんだけど……。仕方ないなぁどれくらい?」

「ん、全部じゃなくて。うん、そのくらいでいい」

「はいはぁい」

選択権は依頼主であるエメラルダに帰属する。なので文句をいうものはいない。
……が、そんな姉弟のやり取りを生暖かい目でみてしまうのは仕方の無いことだろう。
いくら取り繕っても分かりやすいシスコン弟は、今日も姉の良い様に使われるのだった。

117 :フローラ ◆CFwoAEJ66. :2015/07/17(金) 02:51:50.03 0
「銀の杯亭」から少し離れたところにあるギルドメンバーのための寄宿舎。
フローラのような定住の習慣が無かった者やメアリのような孤児、ついでに家が遠い者などはここで暮らしている。
そんな中彼女にあてがわれた部屋で、フローラはしな垂れかかるようにベッドに倒れこんだ。
いくらサバイバルに慣れているとはいえ、ベッドの心地よさは一度味わうと癖になってしまうのだ。

「......うへへーっ」

くたびれた体に、包み込むような柔らかさがたまらなく安らぎを与えてくれる。
そんな充足についついだらしない笑みを浮かべてしまう。
ひとしきりゴロゴロした後に仰向けになったフローラは、目を閉じて今回の依頼に思いを馳せる。


フロウさん。図書館で話したときは知識人っぽかったのに、馬車で急に陽気になって驚いた。
だが彼の優しさはこの依頼中でも十二分に感じられた。本当に周囲を気にかけ、気をやってくれていた。

エアハルトさん。行きの馬車で、竜の解体で、交わした言葉は有意義だった。
あのお姉さんとの付き合いは大変だろうな。言葉の端々に浮かぶ苦労と滲む姉への愛情には可愛らしさすら感じた。

メアリちゃん。はじめは怯えられてしまったけど、最後には楽しくお話も出来た。
戦闘でもっとも機敏に立ち回ったのも彼女だったであろう。荒削りながら圧倒する戦闘スタイルに凛々しさをも垣間見た。


今日出会えた仲間たち。馴れ初めはどうあれ、ともに冒険が出来てよかったと思えた。
もし、また行動をともに出来たら――――――

そんな甘美な思考は次第に眠気に絡めとられていき、ついにそこには寝息を立てるフローラだけが残った。
小鳥のさえずりが時折聞こえるばかりの、そんなのどかな昼下がりだった。

118 :フロウ ◆aGab3MEKhY :2015/07/18(土) 22:14:23.80 0
「これで…よしっと。ふー」
 フロウは筆を置くと、静かに息を吐いた。窓から波の音と共に潮風が吹き込んでくる。。
場所は変わって取水亭、時は移ってお昼頃。
 今回の馬車で偶然にも酔わずに済んだ経験を踏まえ、帰りの馬車の中でも実験し
自分が酔う揺れを把握しそれへの対策の目処が立ったので、帰るなりこうして手帳に
書き記していたのだった。あとは実践して修正を重ねていけば晴れて馬車酔いを克服
することができるだろう。

 個人的にも、それ以外の面でも、今回の依頼は上手くいった。満足のいく結果だった。
彼は手帳を机にしまうと昼食に出かけることにした。別の引き出しから地味に何ヶ国語もの
ヴァージョンがある「OPEN」「CLOSE」の掛札を一枚取り出したとき、勢いよくドアが
開かれた。

>>「ティアに苦笑いされないような部屋の飾り方教えて!」
「…………ちょっとまってね」

 フロウは眉間のあたりを指で押しながら少し考える。
(うん、ティアを”あの”部屋に呼んだんだな。で、反応が良くなかったんだな、うん)

 既にいつもの服装に戻ったメアリを見る。そして部屋の様子を思い出す。足りない物が多すぎる。
ただ、彼女は何かがいけないとは思って行動したのだ。これを機に少しあれこれと
教えてみるのもいいかもしれない。

「うーん。分かりました。じゃあまず壁紙とカーテンを選ぶところから始めましょうか
あとは家具と着替えと……まあ色々」
 カウンターから出ると、メアリは青い髪を元気よく揺らしながら先に出ていった。
フロウは窓を閉めて取水亭を出ると、いつものように「CLOSE]」の掛札をドアノブにかけて、
二人で買い物へと繰り出したのだった。

119 : ◆aGab3MEKhY :2015/07/18(土) 22:32:56.18 0
次回予告

夏だ!海だ!海水浴だ!白い砂浜蒼い海!
それを横目に仕事をするのが冒険者。今度の舞台は幽霊船……
のはずなんだけど、なんだか様子がおかしいぞ……?
百戦錬磨の強者たちも今回ばかりは及び腰。
前代未聞の相手を前に幽霊船の定義が危ない!

次回「ホーンテッドかゴーストか」

「とにかく金目の物だけ持って出ましょう!」

120 : ◆aGab3MEKhY :2015/07/20(月) 21:49:51.59 0
お祭り、それは特別な日。世界には国の数だけお祭りがあり、中には変なものもある。
そしてそれはルミエリアも例外ではない。その奇祭の名前は『幽霊船狩り』
4年に一度開催されるこのイベントは、呼んで字のごとく、ルミエリア近海に
押し寄せる幽霊船団と戦うというものだ。相手の幽霊は当然”故”ルミエリア人

『勝てば財宝負ければお仲間』という謳い文句の下に国軍、ギルドを問わず多くの人が参加する。
化けて出てしかもわざわざ海底や他の海で集めて来た幽霊たちのアレやコレやに対して
命を賭けて戦うのがこのお祭りである。

のだが、今回は例年とは様子が違った。それは……

121 : ◆aGab3MEKhY :2015/07/20(月) 21:58:07.51 0
「既に知っている者もいるかと思うが、今回の幽霊船狩りは、例年とは異なり
ギルド総出で行うのではなく、一部の者メンバーでチームを組み、ローテーション
を組んで行う。今から呼ばれた者は後で来るように」

 ギルド恒例のマックスの朝礼は、いつもと少し違う緊張感を持っていた。そして
指名された者は今回の依頼の詳細を聞くことになるだろう。

122 : ◆i58havlS0A :2015/07/26(日) 00:27:51.99 0
既に多くの人が出払った食堂で、今回の依頼を受けることとなった者たち、
すなわち、エメラルダ、フロウ、フローラ、メアリ、そしてレオリオ。

「このところお前らは金回りがいいからな。そういう奴らは落ち目の来ない内に
羽振りのいい仕事を任せるのがいい。今回は危険には違いないが、万一があっても
後腐れは無いしな」
 
 副団長マックスは全員が揃うとおもむろにメンバーの選定理由を語った。そしてこの
中でそれほど接点のない少年、それでも実年齢でいえばマックスよりは目上のエルフに声をかける。

「レオリオ、確かお前は幽霊船狩りはまだやったことがなかったな。今回はこいつらと
ついて行って、いくらか慣れてくるといい」
 顎と親指でフロウたちの方を示す。そして次に手近なテーブルの上に分厚い紙を広げた。
紙面にはデカデカとこう書いてある。

『豪華客船襲来!ルミエリアに波紋広がる』※

「知ってる奴もいるだろうが、今回の幽霊船はこいつただ一つ。どこで
拾ってきたんだかエラく金がかかってる。とんでもなくデカいが、所詮は船一つ。
よって集るにも限度がある。取りっ逸れるところも出てくるだろう」

 苦々しげに言いながらメガネを外して拭く。怖い顔が渋面で更に厳つくなっている。
「あちこちとの競技の結果、安全な所は一般に開放して、見世物として金を稼いでそれを分配、
そうでない場所は各ギルドから数名を派遣して一回ずつ探索することで合意となった」

マックスは苛立たしげに今回のメンバーを見やると、次のように言った。
「幸いうちが一番乗りだ。浚えるだけ浚ってこい」

 「場所はそいつに書いてある」と幽霊船が停泊している※港への地図と船の見取り図を
渡して、フロウたちに出発するように言い放った。

123 : ◆i58havlS0A :2015/07/26(日) 00:33:21.29 0
 そして港。多くの漁船が行き交う場所に、珍しく漁業関係者以外がごった返している。
人の流れ、視線の先を追えば一番奥に、今回の目的地が見えてくるだろう。

大型の漁船でも比べ物にならず、既存の軍船よりもなお大きい。その手前側には観光客が賑わい
順番待ちしている。一方で冒険者用に反対側から乗り込めることを知らせる立て看板が無造作に置かれており、
その先には誰もいない、言い換えれば危険であることを暗に知らせるものでもあった。

タラップが降りて出入り口まで繋がっている。この扉を潜れば、今回の冒険の始まりだ。

124 :メアリ ◆IC7RKFJkf6 :2015/07/26(日) 10:44:19.47 O
「幽霊船かあ…あたしも初めてだな〜」
まだ二年しかギルドにいないメアリ、四年に一度だから初めてで当然だ。
副団長に呼ばれて驚きこそはしたが、幽霊そのものは怖くない。
むしろ今はアセイミダガーもあるため、ただの敵認識しかしていないのだ。
いざとなったらいつもの双剣に聖水をかけて使ってみよう。
今までギルド総出でしていた行事なのだから、フロウやエメラルダは慣れてるんだろうな、と安心しているくらい。
「それで…レオリア?あたしはメアリ、よろしくね!猫科の亜人だよ〜」
匂いでわかる、エルフ。
人間ではないのだからいつもの人見知りは発動しない。
それどころか積極的にハグしにいくぐらいだ。
知ってる人とエルフ、怖くなんてないときゃいきゃいはしゃぐメアリ。
それがいつまで続くのやら…


港についてまた驚いた。
船、大きいにもほどかある!
「随分大きいねえ!」
豪華客船なんて言われても乗ったことがない。実物を見てやっと実感したのだ。
この中に財宝や古代のアイテムや幽霊がたんまりと、わくわくするような、なんだか申し訳ないような。
そんな風に思いつつも、タラップをかけ上がり、真っ先に扉を開けるのがメアリだった。
開けただけで、皆を待つようになったのは、ちょっぴりの進歩。

125 :フローラ ◆CFwoAEJ66. :2015/07/28(火) 00:00:06.39 0
>「レオリオ、確かお前は幽霊船狩りはまだやったことがなかったな。今回はこいつらと
ついて行って、いくらか慣れてくるといい」

「私だって初めてですよー...?」

当のマックスに聞こえないよう、いじけた調子で呟くフローラ。
この地方に移り住んだのがそもそもつい最近なのだ。4年に一度の奇祭など知る機会は無かった。
かと思えばその祭りに参加するメンバーとして組み込まれてしまっていたのだ。不満だし不安である。

それに正直なところ、幽霊というものはフローラはよく知らない。
野生動物や妖精には親しんでいながら、恐怖を前面に押し出す幽霊という存在には全くの無知なのだ。
それが今回、フローラの不安を掻き立てる理由のひとつでもあった。

そして何より。

>「それで…レオリア?あたしはメアリ、よろしくね!猫科の亜人だよ〜」

「私のとき、あんなに怯えてたのに...」

不満のほうももうひとつ、初めてのパーティメンバーに対するメアリの態度だった。
勝手に巻き込まれて無意味に怯えられたフローラからすれば、その光景はいささか理不尽に見えたのだ。

そんないまいち釈然としない感情のまま、フローラにとっての今回の依頼は幕を開けたのである。

126 :フロウ ◆i58havlS0A :2015/07/28(火) 22:35:52.88 0
>>「幽霊船かあ…あたしも初めてだな〜」
>>「私だって初めてですよー...?」

 隣で聞こえた呟きに、フロウの内心で焦りを覚えた。もしや経験者は自分とエメラルダしか
いないのではないだろうか。いや、もしもこれで彼女まで初めてだとすると引率は自分だけに
なってしまう。顔の笑顔が引きつってくるのが自分でも分かる。
 それでも仕事なのだからやれと言われればやるしかない。今回は実に久しぶりに
同族ともパーティを組むのだから、その辺もしっかりしなければならない。

>>「それで…レオリア?あたしはメアリ、よろしくね!猫科の亜人だよ〜」
>>「私のとき、あんなに怯えてたのに...」

 そしてマックスが去った後、一足先にメアリがレオリアにじゃれつく。どこかくやしそうなフローラに
フロウは慌ててフォローを入れる。

「あまり気にしないほうがいいですよ。彼女が人間を苦手なのは、亜人が苦手な人間と
だいたい同じなものですから、どこにでもあることです」
 真っ赤な嘘だが言って余計な気を遣わせるのも良くない。ありきたりな理由を口にするが
どこまで通用するかは未知数だったが、まだもう少し、時間が足りないように思えたのだ。

「それと、レオリア、でしたね」
 フロウは彼に向き直ると、軽く一礼する。
「私はフロウ。しがない魔法使いをしています。今回はよろしくお願いしますね。
同族と組むのは久しぶりです。マックス殿が中々回してくれませんからね」
 
 一目でエルフと分かる肌をしている。耳は髪に隠れているが、それでも判別できる。
人種的な特徴とでも言おうか。最後にエメラルダを見る。

「これから港に行きますが、迷子になってはいけませんからね。特に船の中では」
 見取り図を手渡しながら釘を刺す。見取り図には探索のための目ぼしい場所が
書いてある。せめて到着するまでの間はこれで大人しくしていてくれればよいのだが。

(荷物持ちでもいいから弟さんが来てくれると大分気が楽なんだけどな)
 油断がならない。この一語に尽きる人物は、フロウにまた別の不安を抱かせる。

127 :フロウ ◆i58havlS0A :2015/07/28(火) 22:52:44.54 0
 そして港。長蛇の列から外れて裏から回り込み入口の前まで来た。
タラップを上がるが甲板はそれほど広くない。客室などがある船体が迫り出すように
幅をとっている。既に扉を開けて待つメアリの元まで行って、一度全員を確認し、中を伺う。

 この階はまだ比較的安全で、反対側から観光客の喧騒や料理の匂い、音楽などが響いてくる。
勿論、冒険者の権利を使い順番を無視して観光を楽しむことも可能だ。マックスの
言っていた”あちこちとの競技”とは勿論ここの幽霊たちとの談合も含む。

 ルミエリアのゴーストは土地柄なのか、お国柄なのか、非常に理性的である。そうでも
なければこんな行事として定着する訳はないのだが、元神官としては喜んでいいのか
嘆いていいのかなんともいえない気持ちになる。

「スケジュールとしては各階を探索して、最後に船長室で船長と戦うことになっています。
勝てば更にお宝をくれるらしいですが、安全第一、戦わないという手もあります。
ようは探索してアイテムを回収することが目的なんですから」

 そこで人差し指を立ててにこっと微笑む。

「とにかく金目の物だけ持って出ましょう!」
 元気づけるように、フロウは仲間たちに言った。

128 :エメラルダ ◆JThaci2X0Q :2015/07/30(木) 15:05:26.60 0
マックスの説明をエメラルダはウキウキとした気分で聞いていた。
ちょうどギルドに入りたての頃が前回の祭りの時期だったため、姉弟共々幽霊船狩りは一度経験している。
だがしかし、前回エアハルトはゴーストにびびって船内で迷子になり、その上床を踏み抜いて落下、ゴーストあふれる船倉に一人放り出されるといった事態を引き起こしたことがあった。
元々の運の悪さがゴーストのような陰の存在と合わさるとますます加速するらしく、本人の幽霊嫌いもあいまっていつも以上に酷い結果になるのだ。
そのため、エアハルトは今回の幽霊船狩りには参加禁止となっている。

――つまりはストッパーの不在。エメラルダのやりたい放題である。

>>「それで…レオリア?あたしはメアリ、よろしくね!猫科の亜人だよ〜」

「私はエメラルダ。真理の探究に全てを捧げる錬金術師さ! よろしくね、レオリア氏!」

フロウがフローラを慰めているのを横目に自己紹介をすませたエメラルダは、この場でやるべきことはもう済んだとして早速今回の探索について思いを馳せた。

(最初の方は危険も少ないだろうし、まずはみんなに見つからないうちにネコバb、もとい目ぼしいアイテムでもないか確認したいな。そのためには最初にさりげなぁく迷子にでも……)

不穏なことを考えながらこの場を立ち去ろうとしたエメラルダだったが、すぐにフロウに呼び止められた。

>>「これから港に行きますが、迷子になってはいけませんからね。特に船の中では」

じとりとした目線と共に見取り図を渡され、釘を刺されれる。

「…………あはは、わかってるよぅ。分かりやすい地図ありがとう。フロウ氏は気が利くねぇ」

自身の思考が読まれたのかと寸の間停止したエメラルダだったが、またすぐ気を取り直して動き出す。
そしてあらためてメンバーに準備してくると声をかけ、その場を後にした。

(うん、こりゃこっそり動くのは無理だ。せっかくエアがいないから好き放題できるかと思ったのに、残念だなぁ)

いつの間にか立っていた大迷惑なフラグをしっかりと折ったことを、折った本人は知る由も無い。

――フロウ氏、恐ろしい子。

129 :エメラルダ ◆JThaci2X0Q :2015/07/30(木) 15:06:04.73 0
青い海、灰色の空、垂れ込める暗雲。潮風に乗ってひんやりした空気が流れてくる。
だが、そんな重苦しくなりそうな雰囲気とは裏腹に、港はにぎやかな活気に満ち溢れていた。
港に停泊する豪華客船、今回の舞台である幽霊船の周りに集う観光客と、その客が落とす財貨目当てにしのぎを削る商人たちが主な原因だろう。
それ以外にも今回の狩りに参加する様々な人種が集う、そんな中。

「いやぁ、絶好の幽霊船狩り日和だね!」

そこだけぽっかりと人垣が途切れ、遠巻きに奇異の視線に晒されている不審者が一人。
もちろん、正体は変人錬金術師ことエメラルダだ。

「……ねぇちゃん、目立ってるよ……」

「ん? 当たり前だろうエアハルト。そのためにこの格好をしているのだから」

そういうことじゃない、と、今回は狩りに参加しないが見送りにきていた弟、エアハルトは引きつった顔で乾いた笑いをこぼした。
人目を気にしない姉は通常運転、何時も通りな様子だがその格好は常とは違う。
正確にいうのなら何時もの格好の上に何時もとは違い装飾品を見につけていた。
真っ黒なローブの上からたすきがけに何十にも巻かれた細かな鎖。金色の板が等間隔にぶら下がるソレは歩くたびにジャラジャラキャンキャンと騒音を奏でている。
さらに背中と仮面にはこれまたキラキラと輝くインクで「幽霊じゃないよ!」の文字がでかでかと記されていた。

「前回の幽霊船狩りではうっかりゴーストに間違われて攻撃されたからね。
 今回は総力戦じゃないから混戦にはならないと思うが、暗がりで間違われないとも限らないし、この格好なら間違いようがないだろう?」

確かに、黒のローブで全身を覆い、奇怪な仮面をかぶる存在と幽霊溢れる場所で出くわしたら十中八九そういった存在だと思うだろう。
だからといってただの変人から更にグレードアップした超変人にジョブチェンジするのはいかがなものか。
仮面で顔は見えないが、両手を広げ自らを見せびらかすようにして雰囲気でドヤ顔を決めるエメラルダに、なんともいえない目線を送るエアハルト。
頭はいいはずなのに周りを見るだとか空気を読むといったところの大事なネジが抜けているため、なんとも残念で間抜けな姉である。

「……とにかく、怪我だけはしないで。俺は参加禁止だから、そばで守ったりとかできないけど……気をつけてくれよ、色々と」

前回やらかした自分が言える義理ではないが、頭痛をこらえるように頭を抑えながらエアハルトはそう懇願する。
迷惑をかけるなとは言わない。なぜならこの姉に関わった時点で精神的被害を被ることは確定事項だからだ。

「わかってるわかってる。じゃぁ、行ってくるよ」

弟の心配も軽く流し、ヒラヒラと手を振ってタラップを上っていく姉を見送ったエアハルトは、最後に深々と探索の仲間たちに頭を下げた。

「……こんな姉ですいません」



そんな弟の気苦労もなんのその。エメラルダはマイペースにフロウの事前説明を聞きながら、先ほど渡された見取り図を開いた。
地図に記されている探索すべき場所とメアリの開けてくれている扉の中を見比べ、頭の中で順路を確認する。

>>「とにかく金目の物だけ持って出ましょう!」

「もちろんさ! 海の底に沈んだ幻の錬金アイテム、なんていうのがあるといいなぁ!」

こうして、エメラルダの夢と希望とその他もろもろの詰まった幽霊船狩りが始まった。

130 :レオリア ◆.H09BnLjnM :2015/07/30(木) 18:27:11.46 O
副団長が差し出した紙を見て、見取り図なんて随分用意が良いな。と考えていたら―
>「それで…レオリア?あたしはメアリ、よろしくね!猫科の亜人だよ〜」
不意に抱き竦められた。少なくともレオリアにはそう感じられた
押しても引いても動かせそうになかったのでなされるがままだ
「前衛職同士、よろしくお願い致します
お力が強いようで羨ましいなぁ」
嫌みはない、少なくとも見た目相応な調子で喋る

やっと解放されたにも関わらずフローラ女史からの謂われのない恨めしげな目線が突き刺さるが、そちらにも頭を下げる

>「同族と組むのは久しぶりです。マックス殿が中々回してくれませんからね」
「良くも悪くも目立ちますからね」
フロウからの挨拶にピクリとしなくはなかったが、平静を装った。少なくとも装ったつもりだ
こんなナリで行動していれば、鎌掛けなんて茶飯事だ。嫌が応にも耐性はつく

そして奇抜な錬金術師(自称)にも頭を下げて、お目見えは終了となった


―そして今のレオリアは支度を万端に整えて港に居る
体格より大ぶりな外套は収納もかねており、いくつか必須になるであろうアイテムを仕舞えるようになっている

>「スケジュールとしては各階を探索して、最後に船長室で船長と戦うことになっています」
「狙い目は等級の高い船室ですかね。何がいるか解らない以上、開けた場所、例えば船倉や食堂はリスキーだ」
あまりにも和気藹々とした雰囲気から飽くまで今回の仕事はレクリエーション的なイベントだろうと割り切って、そういう気分を作っている
程々にギルドのメンバーと親睦を深められたらいいか。今回の目標はこんな所だろう

131 : ◆i58havlS0A :2015/07/31(金) 23:42:54.81 0
 冒険者たちは扉を開けてしばらくすると、意を決して船内へと踏み込んだ。
するとその瞬間、薄暗い廊下を照らす明かりが一斉に消え、代わりに蒼白い
火の玉が次々と浮かび上がる。それらはある一点に集まり大きな炎となった。

『ふっふっふっふっふっふ。ハーハッハッハッハッハ!』
 炎から高らかな笑い声がすると、今度はその中から一人の男が姿を現した!

『よく来てくれたな、冒険者たちよ!』
『オレの船にようこそ!オレの名はゴメス!キャプテン・ゴメスだ!』
 現れたのは大柄な体躯に真っ赤な海賊らしいコート、そして黒く大きな帽子。
右目には眼帯、左手はフックのついた義手。真っ赤な髪はまるでライオンのよう。
立派な口髭も蓄えており、どの国のどの時代の人がどんな時に見ても一発で
海賊と分かるような出で立ちだった。
 
『いつものようにドンパチするのも楽しいが、今年はどうしてもコイツを見せびらかしたくてな!
ちょっとビビらせちまったようで本当にすまん!……おい!』

 ゴメスが右手の指を鳴らすと足元から「へい!」と元気のいい返事がする。
するとどうだろう今度は壁や床をすり抜けて幽霊たちが集合する。

『野郎ども!全員配置に着け!祭りの始まりだ!』
『おおおーーーーーーーーーーーーーーー!!!』
 ゴメスの命令に幽霊たちは散り散りに去っていった。

132 : ◆i58havlS0A :2015/07/31(金) 23:50:39.01 0
『今回は珍しくルール有りでやる。お前たちはこの船の中お宝を探す!
オレ達はそれを邪魔する!生きて帰ればお前らの勝ち!駄目だったら……分かるな?』

 そう言ってゴメスは自分のフックで足元を切るようなジェスチャーをする。
自分は足がある癖に。

『全員で畳んじまうんじゃ味気も風情もねえ。ちゃんと流儀に則ってぶっ殺してやるから
遠慮なく挑戦しろよ!ガハハ!』
 
 再び高笑いを上げながら、元より半透明だったゴメスの姿は風景に溶けるように消えていった。
果たして銀の盃団は、どれほどの戦果を挙げられるのだろうか。

133 :メアリ ◆IC7RKFJkf6 :2015/08/01(土) 02:18:56.41 O
意を決して船内に入るちょっぴり前、メアリはフローラの裾を引っ張った。
「…怒ってる、の?」
レオリアにじゃれついていたときのフローラの言葉は、しっかり猫耳が捉えていた。

>「私のとき、あんなに怯えてたのに...」

フロウがフォローしてくれ、その場で新しく何かを言うのは憚られた。
そうやって、お母さんのように見守ってくれているのだと思うと、これって幸せなんだなと感じる。
でも、こういう嘘はつきたくない。
ティアから感じたものとは違うが、もう知らない人間でもない、だからこそ今。
仕事が始まるのだから簡潔に、分かりやすく、ちゃんと自分から、説明したいと思った。
港までずっと悩んでいたなんてのは秘密。
丁度まだ近くにエアハルトもいて、二人に言ってしまうだけならすぐだろう。
とにかくわかりやすく、誤解されていそうな、自分の事を告げようと口を開く。
「私の一族、人間に皆殺しにされたの。それからは、人間が凄く怖いの。出会った日、怒らせてたならごめんなさい」
簡潔すぎて、逆に悲壮感が出るなんて考えもしないで言い切った。
しかも言うだけ言って、船に乗り込んでしまう。
…逆に誤解を生まなければよいのだが…


そして船のなかで待ち受けていた幽霊船長。
説明は大雑把にだけ聞いて、とにかく言いたかった事を。
「海賊ってかっこいい!」
…子供、なんて見逃してもらえる感想ではなかった。
ただ、かっこよさよりお宝集めが大切なのは理解しているので、どうすればいいのかなー、と考え始めはする。
幽霊と戦うだけならいいのだが、仕掛けとか、運任せは困る。
自慢が力くらいしかないメアリには、難しいことを考えるのはまだまだ苦手だ。
だから副団長が教育を兼ねて書類仕事をさせていたりするのだが、その真意に気づくわけもない。
「…力任せじゃだめかなー?」
三秒考えた結果、結局こうなるのであった。

134 :フローラ ◆CFwoAEJ66. :2015/08/03(月) 02:22:09.85 0
>「あまり気にしないほうがいいですよ。彼女が人間を苦手なのは、亜人が苦手な人間と
だいたい同じなものですから、どこにでもあることです」

「むぅ、まあそうかも知れませんけど...」

窘められても釈然としないのは変わりない。
とはいえメアリに対して負の感情を持っているわけではないのだ。
自分の態度のやり場がなくなってしまって、誰に訴えるでもなく頬を膨らませた。

――――――――――――――――――――――――――――

所変わって港。
いよいよ船に乗り込もうかという段になって、メアリがとことこと寄ってきた。

>「…怒ってる、の?」

さっきの呟きを聞かれたかと思うと、何故だか後ろめたい気持ちになって。
そんな後ろ向きな感情と、一言だけでも謝罪か弁明を聞きたいと思いほんの少しの抗議の視線を向ける。

>「私の一族、人間に皆殺しにされたの。それからは、人間が凄く怖いの。出会った日、怒らせてたならごめんなさい」

だがほんの少しの悪戯心は、思わぬ思い言葉によって打ち砕かれた。
これから先、人間と出会うたび話すたびにメアリは故郷を想うのだろうか。
そのたびに彼女は家族の死と直面し、怯えて暮らすのだろうか。

自分が、彼女にとって負担なのではないだろうか。


気にしてないよ、と。そう返すだけなら簡単だった。
でもそうじゃない、と思った。ここで慮るべきはメアリの心のほうなのではないか。
人間という種族である自分が傷つけうる、メアリのか弱い心にこそ気を遣るべきなのではないか。

答える間もなく去っていったメアリの後姿も呼び止められず、伸ばした手だけが空を切った。
居合わせたエアハルトに向けてぎこちなく顔を向けた後、気まずそうに乾いた笑い声を零す。
行ってきますね、とだけ言い残して。後を追うでもなくタラップを上がっていった。

――――――――――――――――――――――――――――

いざ対面した幽霊はかなり礼儀正しく陽気で、目の前で透けて消えなければ幽霊だと信じられなかっただろう。
実際取り残された今でもあれは仮装だったんじゃないかと疑いたくなってくる。

でも、口には出さない。
ふとした言葉が会話になってメアリと繋がってしまうと、彼女を傷つけてしまいそうだったから。
結局フローラが出来ることは、先達の指示を待つふりをして沈黙を決め込むことだけだった。

135 :フロウ ◆i58havlS0A :2015/08/03(月) 23:17:39.25 0
(船長のみなりが以前より格段に良くなっている……)

さて、メアリがフローラに自身の過去を打ち明けたとは露知らず、フロウもまた
ゴメスと海賊団の登場を苦笑しながら眺めていた。ゴーストというものは本来、
生前に強い未練を残した者が死後に迷いでるのが相場である。しかしながら
彼らは生前から割と欲望に忠実に生きてきたために、死ぬときもまったく衰えなかった
その欲望によってさも当然のようにゴーストとなった。

 そしてその欲望に対するいろはが彼らに理性を与えているのだが、これがルミエリアの
人々に良い影響も悪影響も与えている。陽気で勝手気ままな幽霊たちは人々の終末期の不安を
和らげるかけがえのない存在だが反面、生と死に対して畏れや敬虔さが減る。

「相変わらず死んでも元気な人たちだなあ」

 簡単に言うと彼らは人々のポジティブさを担っているが、理性を奪ってもいるのだ。
しかも厚かましいことに幽霊の中には『そろそろ成仏してもいいかな』と思い立ち教会から
シスターや神父を呼んでくれと頼むことさえある。元気すぎる。

 職務の観点から言えば宗教者はこぞってターンアンデッドを浴びせなくてはいけないのだが、
こうして生者の役に立っている以上邪険に扱うこともできないし、フロウもそんな気はしない。

>>『全員で畳んじまうんじゃ味気も風情もねえ。ちゃんと流儀に則ってぶっ殺してやるから
遠慮なく挑戦しろよ!ガハハ!』

「また生意気言って、可愛いシスターが来ると並んで成仏待ちする連中のくせに」

 去っていく幽霊を見て、目を細めながら呟く。彼らの姿に今年もこの季節が来たと
今更ながら実感が湧いてくる。

「じゃあ一発かまして、さっさと片付けてやりますか!」
 フロウは楽しげに告げた。童心の蘇った顔はとても生き生きとしている。

136 :エメラルダ ◆JThaci2X0Q :2015/08/05(水) 23:12:05.37 0
蒼白い炎の中からド派手な登場をかました船長による自己紹介を聞き流しつつ、エメラルダはその身なりに素早く目を走らせた。
身に纏う衣装や指に嵌められた指輪には細かな装飾が施され、宝石がちりばめられている。
パッと見ただけでも中々の値打ち物だということが窺えた。

>>「海賊ってかっこいい!」

「こりゃあ、今回のお宝も期待できるねぇ」

素直なメアリの感想とは裏腹に、すぐさま損得勘定をはじき出すエメラルダ。
船長とは海賊団の顔。その身なりはそのままその海賊がもつ財力、力を表しているといっても過言ではない。
なめられたら終わりな家業のため、見栄を張っているだけという場合もあるが、相手は幽霊で今回のこれは祭り。
こんな豪華客船で参加して見せびらかしに来るぐらいだ。その可能性は低いだろう。

>>『今回は珍しくルール有りでやる。お前たちはこの船の中お宝を探す!
オレ達はそれを邪魔する!生きて帰ればお前らの勝ち!駄目だったら……分かるな?』

「ふむふむ『勝てば財宝負ければお仲間』か。その辺は例年通りのようだね」

この『幽霊船狩り』の謳い文句だ。リスクは大きいがリターンもそれ以上に大きい。
命令を受け散り散りになる幽霊たちを見送りながら船長ゴメスの説明を聞く。
邪魔をする、とは言ってもどのような方法でとは明言していないことから何やら企んでいそうだな、とは思うものの
今回のパーティは中々にバランスがとれていて大抵の事には対処できるだろうと思わせてくれる。
なにより。

>>「また生意気言って、可愛いシスターが来ると並んで成仏待ちする連中のくせに」

経験豊富な元聖職者がいるのだ。そこまで身構える必要もないだろう。
フロウの言葉通り、幽霊といえば成仏。成仏といえば聖職者である。
いくら元気があって生き生きしているとはいえ幽霊は幽霊。しかるべき方法をとれば浄霊することができるのだ。除霊もできる。

(※ここでの浄霊とは霊に満足してもらって成仏してもらうこと。除霊は無理やり払うこと)

最後に船長が消えたのを確認し、盛り上がる周囲(幽霊含む)の雰囲気からエメラルダも祭りが始まった感覚に胸を躍らせる。
ウキウキとした声で仲間たちに今後の行動を確認した。

「まずはどこへ行こうか?」

137 :レオリア ◆.H09BnLjnM :2015/08/05(水) 23:30:57.13 O
超巨大船舶でパーティーを出迎えたのはかなり陽気な幽霊(?)だった
「もっとおどろおどろしい物を想像してた…」
しかし話を聞く限りそれなりに殺る気らしいので余興だからと油断は出来ない

様子を見て舐めている訳ではないが、船長のお話は要点しか聴いていない
しかしその間に床壁天井から船の状態を観察する事に余念はない
立派な外見に違わず随分しっかりとした作りだ。もしかすると見えている部分の木目は拵えで、下地は鉄なのかもしれない

>「まずはどこへ行こうか?」
「どこに行くにせよ趣旨からすると空振りやミミック祭なんて事はないでしょう」
やはり周りをキョロキョロ確認しながらハイリスクハイリターンとおどけてみせる
こちらは命を賭ける宝探しゲームなのだ。スカやミミックばかりだったら幽霊たちをどうしてくれようか

138 :フロウ ◆i58havlS0A :2015/08/06(木) 23:48:48.36 0
海賊たちの開会宣言と共に今年の海賊狩りが始まった。これだけ『豪華』を強調するのだ。
ハズレらしいハズレはそうそうないだろう。

>>「まずはどこへ行こうか?」
>>「どこに行くにせよ趣旨からすると空振りやミミック祭なんて事はないでしょう」

「ええ、では今回の探索を始めましょう。とはいえ全部の部屋を限界まで漁ることは
今回はできません。なので皆さんは見取り図に一度、どこを探したいか印を付けてください。
そこを順番に探していって、最後に船長と戦う段取りになっています」

 そう言うとフロウは懐から予備の見取り図と木炭を取り出した。見取り図には――

船体   上部    中部    下部 ↑が船頭、↓が船尾方向となります

    『Pルーム』『衣裳室』 『船員室』

    『客室』  『食堂』  『船倉』

    『医務室』 『資料室』 『機関室』

と、縦長の折りたたみページにそれぞれ三つに別れて書かれている。ちなみに
ギルドのみんなの現在地は『食堂』の左側である。右側が観光客用の出入り口となっている。
つまり、目の前の壁の向こうまで回り込めば食堂に入れるし観光客に交じって食事をとることが可能だ。

中部は三つの探索箇所がある他は概ね通路と外周部の廊下があるだけだ。

下部は吹き抜けのようになっている。それぞれのエリアに名前が振ってあるだけで、
真っ直ぐに伸びた空間になっている。

上部はこの船に乗れる人間のためだけに設えられた階層だ。他の階層に比べると内部からは
狭い印象を受けるがそれもそのはず、圧倒的に客室が場所をとっているのだ。

そしてそこからすぐ上の階にこそ、この冒険の終着点である船長室がある。冒険者は船内で
宝を探し、ときには自分用にネコババしながらここを目指すことになる。

「慌てなくてもいいです。船内の様子をもう少し見てから決めてもいいんですし。
メアリはどこにいってみたい?」

 こういう時はまず、動き出せる人間に水を向けることから始めるものだ、と彼は
手元の木炭をいじりながら暢気に考えていた。

139 :メアリ ◆IC7RKFJkf6 :2015/08/07(金) 08:47:38.36 O
>「慌てなくてもいいです。船内の様子をもう少し見てから決めてもいいんですし。
メアリはどこにいってみたい?」

「あのね、衣装室!服は買ってないし、キラキラしたものもありそうだし!」
家具はフロウに助けてもらった。だが衣服はどうも難しく、普段の食事も考えて買わなかったのだ。
取り敢えずは部屋が普通か整った、位で満足していたが、せっかくなので面白そうな衣服を見てみたい。
高くなくとも海賊の服なら機動に優れているかもしれない、メアリには丁度よいのだ。
「女の子の服もあるかなー?可愛かったら着てみてほしいな!キラキラアクセサリーも!」
無言だったフローラにせがむ。
自分はおしゃれなんてしても無駄だろう、だが綺麗な人が着飾っているのを見るのは楽しい。
まあそう思うようになった原因はフロウの女装(随分前の依頼)だが…。
しかし、そこで首をかしげる。
フローラが困ったような、哀しそうな顔をしている。
「幽霊、怖いの?あたしが守るから大丈夫!行こ!」
その理由に気付かないメアリは歩ける程度にフローラにじゃれつき始めた。

【選択・衣装室。使用パラメーター・腕力】

140 :メアリ ◆IC7RKFJkf6 :2015/08/07(金) 20:00:32.52 O
【腕力成功】
そうしてやって来た衣装室前。
あれだけ言われたのだからすんなり入れるわけもなく、扉には邪魔があった。
「これ…」
ボロのソファーや壊れかけの椅子、何かの箱や樽だったもの…。
幽霊からいらないと判断されたのであろうものが、扉の前に山積みになっていた。
バリケード、というには雑だが、どけようとすると相当面倒だ。
周りがどける順番を考える中、メアリはすたすたとバリケードに近付く。
天井にまで積み上げられている様々なボロを見渡し、深呼吸をすると、双剣を抜いた。
誰が止める暇もなく、目の前のガラクタに斬りかかるメアリ。
素早さも有る為、降ってくる大きな破片も更に斬り飛ばす。
数分経たずに、辺りは木っ端微塵な何かだらけになった。
ついでに扉も吹き飛ばしてある。
「これで入れるね!」
暴れてご機嫌なメアリ。
観光客が遠巻きに見ていた事には気付いていなかったが、ショーのようなものと捉えてもらえたようだ。
「行こ行こ!」
…いや、気づいてはいるのだろう。
今は観光客を気にしないように頑張っているだけ、に見えるはずだ。
そこまでして、衣装に興味を持ったが、果たして宝はあるのだろうか?

141 :フローラ ◆CFwoAEJ66. :2015/08/09(日) 22:24:53.36 0
あの話を聞いてから、どうしてもメアリを意識してしまう。
彼女の一挙手一投足に怯え、気に病む自分が手に取るようにわかった。

不意に、メアリが近づく。
近づいちゃ、いけないのに。

眩しいほどの笑顔で話しかけてくる、その内容は聞こえない。
ただただ彼女を刺激しないようにと、ガラス細工に触れるかのように慎重に反応を選ぼうとして。
結局何も浮かばず、ただ曖昧な表情で乾いた笑いと頷きを返した。



そして、見た。
メアリの暴れる様を。

フローラにはその様子が、自分と接したストレスによるものに映った。
自分と無理をして話したがための、反動のように感じた。
メアリと一緒に歩いていたために隊列の最前線にいたフローラは、その様をまじまじと見ていた。


飛び散る破片の一つが、フローラの左頬に傷を作った。
右頬の二本の刺青とは違う赤が、新しく一筋生まれた。

悲哀と後悔の情が、両の眼に涙を湛えた。
溢れだした無色透明が、両の頬にまた新たに一筋加わった。

無色と赤色が混じりあう、そのむず痒いような痛みでようやくフローラは、自分が傷を負ったことだけ理解した。
涙を流していることにはついぞ気づかないまま、フローラは呆然と立ちつくした。

「ごめんね......」

142 :フロウ ◆i58havlS0A :2015/08/11(火) 22:33:55.76 0
>>「あのね、衣装室!服は買ってないし、キラキラしたものもありそうだし!」
「よーしまずは衣裳室っと」

 見取り図に丸を付けて目的地へと向かう。メアリが楽しそうにしているのを見て
微笑ましい気持ちになるフロウだったが、次の言葉にその表情が曇る。

>>「女の子の服もあるかなー?可愛かったら着てみてほしいな!キラキラアクセサリーも!」
「それは可愛い服であって、女の子の服ってことじゃないですよね?」
 どうも『女の子の可愛い服』を着て欲しいと言われているような気がする。きっと気のせいだ。

そして衣裳室に到着したのだが
>>「これ…」
「また雑な妨害を……」

 部屋の入口は雑な封印が施されていた。ゴミが詰まっていると表現ができる。
観光客に解放されているとはいえ、その観光客による盗難を防ぐために、こういった
邪魔がされる。冒険者がその部屋を開放しないと入ることができないのだ。

 しかしそれもメアリの腕力の前では藁の家も同じであった。あっさり腕力にて突破される。
>>「行こ行こ!」
 意気揚々と進んでいくメアリ。しかしフロウはそこで、彼女が直前に話していた相手、フローラに
注意が移っていた。様子が変だ。明らかに気落ちしている。

(これは……)
 どうしてフローラが消沈しているのか心当たりがないフロウは、どうすべきかを考える。
落ち込んでいる相手にはフォローをするべきだが、早ければ良いという訳ではない。
先回りが逆に、余計に傷つけてしまうこともある。
 
 どうしたのかを問い質したいが、それも躊躇われる。心ここにあらず、といった状態だった。
本来なら仲間を精神的にサポートするのは、フロウを除けばフローラくらいだった。その彼女に
フォローをするとなれば……

(メアリは気づいていないし、エメラルダさんの気にしなさは今は不味い気がする……
となると)

 ちら、とレオリアを見る。初めてパーティを組んだばかりの相手だ。不安がある。
しかし、人間関係では距離がある人のほうが話しやすいということもある。

(もう少しこれが続くようなら、彼に声をかけるか)

「じゃ、ひとつオメカシしていきますか」
 慣れない軽口を叩いて気持ちを落ち着けると、フロウは今後の方針を一つ固めて、
フローラと他の仲間と付かず離れずの位置を保ちながら衣裳室へと歩を進めた。

143 :エメラルダ ◆JThaci2X0Q :2015/08/12(水) 21:37:38.80 0
フロウに促され、探索場所を選ぶ為に見取り図を覗き込む。
探索場所は九箇所。だが後続のグループのためにも時間的にも、全てを見て回ることはできないのだろう。
贅沢をいえば全ての部屋を余すことなく見て回りたかったのだが仕方が無い。
今回のメンバーは五人。一人一箇所選ぶとすると半分以上は探索できるので、それでよしとするべきだろう。
さすがのエメラルダもギルドの決定には逆らうつもりはない。

>>「慌てなくてもいいです。船内の様子をもう少し見てから決めてもいいんですし。
メアリはどこにいってみたい?」
>>「あのね、衣装室!服は買ってないし、キラキラしたものもありそうだし!」

「衣装室かぁ、装飾品にいいのがあるかもね。行こう行こう!」

どこにしようか悩んでいる内に、最初の探索場所が決まったようだ。
エメラルダとしては、どこもかしこも興味を引かれる所なので特に異論は無い。
フローラにじゃれつくメアリ達に続いて衣装室へ向かった。


◆ ◆ ◆ ◆ ◆


第一の罠は衣装室の扉の前に積み上げられたガラクタのバリケードだった。
無造作ながら絶妙なバランスで詰まれているソファーや木箱は、適当に退かせばたちまち雪崩が起きそうになっていて中々厄介だ。
だが、そんな妨害もメアリにかかれば物の数にも入らないらしい。
素早い動きとその豪腕でガラクタ(とついでに扉)を瓦礫の山、もとい粉塵の山に変えていく。
あっという間に部屋の前は見晴らしの良い光景に変わってしまった。

>>「これで入れるね!」

「さっすがメアリ。あいかわらずいい腕だ!」

メアリがバリケードを(物理的に)除外している間、やんややんやと囃し立てていたエメラルダは、作業を終えたメアリに観光客と一緒になって拍手を送った。
幽霊船の中という非日常空間では変人装備でも一般に馴染めるらしい。新しい発見だ。
ちゃっかり破片の飛んでこない安全圏内に避難していた、空気は読めないくせに危機察知能力は悪くないエメラルダである。

そうしてエメラルダがみんなに続いて部屋に入ろうとした所、進行方向で棒立ちになっているフローラが視界に入った。

「? フローラ嬢、中に入らないのかい?」

そう声をかけながら顔を覗き込み、涙を流すフローラに気づくと仮面の中の目をパチクリと瞬かせる。
だがそこで気をつかってそっとしておくような気遣いのできるエメラルダではなかった。
更に首を傾げながら不躾にジロジロと観察し、頬の傷にも気づいたところでポンっと閃いたというポーズをとると、懐から小さな円形のケースを取り出す。

「泣くほど痛かったんだね。ガラクタの破片が飛んできたのかな?
 浅い傷だから痕には残らないと思うけど、これを塗っておくと良い。痛みもすぐ治まるからね」

右手袋をとって薬を指に取ると、フローラが反応する前に慣れた手付きで傷跡に塗りこむ。

「さ、これでよし。それじゃあ探索に行こうか!」

そのままさっさとケースをしまうと、フローラの様子を確認することなく風通しの良くなった入り口から室内に進んだ。

144 :レオリア ◆.H09BnLjnM :2015/08/13(木) 02:46:49.48 O
チャチなバリケードを豪快に粉微塵にしたメアリにレオリアは驚嘆する
亜人の腕力とは何と羨ましいのだろう

その流れでルンルン気分で足取り軽やかに更衣室に入っていくメアリに続こうとしてレオリアは気付いた。…というより気付いてしまった
立ち尽くしてポロポロ泣いているフローラ、その頬に出来た傷を気に掛けるエメラルダ、そしてこちらにお前何とかしろと送られるフロウの視線

状況を全く理解していない以上、正直対応に困るがフロウには笑って頷首する
気付いてしまった以上、まさか見て見ぬフリは出来ない
レオリアこそ泣いて何とかなるなら盛大に泣きたい

処置をさっさと終えて室内へ向かったエメラルダを見ながら敢えて大胆に切り出す
>「ごめんね......」
「バラバラになった備品に涙を流しているのですか?」
まさかね。と朗らかに笑う。ありふれた雑貨にまで簡単に魔力が溜まったり精霊が憑いたりしては面倒極まる
レオリアの見立てでは少なくともメアリが片したバリケードにその手の物は無かった
「……となるとメアリさんですか」
そう言えば顔合わせの時には何とも微妙な顔をされたが、あれもメアリに向けた物だとしたら納得がいく
「理由がどうあれ、厭なら厭、嫌いなら嫌いとハッキリ言葉にする方でしょう
妙な勘ぐりは彼女に失礼というものです」
むしろあの人懐っこい感じが演技で裏では陰険であったら亜人不信になりそうだ
自分が出来るのはこのくらいが限度だろうとフロウにほんの一瞬だけ視線を向け、メアリについてそそくさと室内へ向かう
取り残されるのは勘弁だった。何しろ辛気臭いのは嫌いだ
>「じゃ、ひとつオメカシしていきますか」
唐突にキャラ替えてきたフロウに小さく肩を振るわせる
いいぞ。辛気臭いのは嫌いだ

145 :フロウ(GM) ◆i58havlS0A :2015/08/14(金) 00:03:33.98 0
 銀の盃団一行は無事に衣裳室へと乗り込んだ。そこに広がるのは大量の服、服、服。
海賊の根城になっているとは当人たちを見た後でさえ信じられない煌びやかさ。
清潔な室内を満たす明かりは炎ではなく、科学的な照明だった。錬金術の分野だろう。

 一応は男性用と女性用とで服の配置場所が分けており、傷みが見られない辺りは、
お宝を大切にする海賊たちの日頃の甲斐甲斐しい手入れが伺える。
 夜会服の揃いはどれも微妙に違っている。壁にはゴメスが来ていたような上等なコートと様々な
帽子が掛けてあり、タイやピンは傍の衣装ケースにしまってある。

 女性用のドレスは数も種類も多すぎる。生地は厚いが薄着だったり逆に薄地を上着も込めて
二重三重に着るような物もある。宗教画に出る貴婦人が着るような質素なドレスもあるが、
着る人間に見た目以上に筋力を求めるようなゴテゴテしたドレス?もある。

 乗客がどういう人種かを端的に示す場所だった。気後れしてしまい兼ねないし、
下手をすると冒険者の生活範囲における金銭の上限を振り切りすぎて価値の見極めが
厳しいかもしれない。

「目がちかちかしますねえ…」
 フロウが辟易したように呻く。
 色合いは元より装飾品も豊富だ。靴、帽子、髪留め、コルセットや下着さえある。
よく見ると一番手前の列に一つの看板があり、こう書かれている。

『衣服から装飾品だけ持って帰ることはかたくお断りしております』
 持って行くなら一式持っていけということなのだろう。律儀というかなんというか

「まあ、これだけあるなら一着や二着、失敬しても構わないでしょう」
 フロウはそう言うと、幾つかの服を物色すると、奥の更衣室へと入っていく。
当然『女性用』である。化粧品も無いものを探すのが

「期待に添えられますかね」

【女装判定:使用パラメーター・容姿】

146 :フロウ(GM) ◆i58havlS0A :2015/08/14(金) 00:08:58.08 0
【判定失敗!】

「うーん、微妙に寸法が合いませんねえ。こうかな?」

【振りなおし:使用パラメーター・技量】

147 :フロウ(GM) ◆i58havlS0A :2015/08/14(金) 00:18:05.51 0
「腰周りはコルセットで、靴の踵を気持ち高めに、詰め物を入れて、髪型は……」

鏡を見ながら試行錯誤の末に『彼女』は再び姿を現した。黒のゴシックなドレスだが
肩周りは軽装、そこに臙脂色のボレロを羽織り、髪は後ろに多めに回して一本に纏めて
おでこを強調する。

「色の合うウイッグがなかったのは少し残念です」

 更衣室の個室のカーテンをしゃっと開けて出てきた男性、フロウはどこか自信有りげな
表情でそう言うと、何事もなかったかのようにまた仲間のもとへと加わった。

148 :メアリ ◆IC7RKFJkf6 :2015/08/14(金) 20:15:20.98 O
>「ごめんね......」
>「泣くほど痛かったんだね。ガラクタの破片が飛んできたのかな?
 浅い傷だから痕には残らないと思うけど、これを塗っておくと良い。痛みもすぐ治まるからね」
>「理由がどうあれ、厭なら厭、嫌いなら嫌いとハッキリ言葉にする方でしょう
妙な勘ぐりは彼女に失礼というものです」

…聞こえてるよ。
聞かないなんて、出来ないから。
猫って凄いんだ、人とは少し、違うから。
でも、何が悪かったのかわからない。
どうしたらいのかわからない。
泣きたい気持ちをぶつけるのだけはいけない。
だから、今は服を探すんだ。
少しでも笑ってもらえるような、そんな服を探そう。

【パラメーター体力70使用】

149 :メアリ ◆IC7RKFJkf6 :2015/08/14(金) 20:17:56.12 O
「な、無い…やだやだ着れるサイズ無いの!?」
必死に探すメアリには、大きな服ばかり。
細やかさが必要な探索はどうも苦手でしかたがない。

【失敗、技量(最高値+最低値/2)判定】

150 :メアリ ◆IC7RKFJkf6 :2015/08/14(金) 20:24:34.31 O
【70+15/2=42.5により成功】

もてあます体力で服を掘り出す。
見つけた物で着れそうなのは二着、そのうちの一枚を今の服の上へ着、動かずにいたフローラの下へ。
部屋の外の観光客は怖いが、フローラが泣いているのは嫌だ。
更衣室にいるフロウには悪い、それでも今は彼の美しさに気をとられていられない。
「ねえねえフローラ、似合うかな?」
無理矢理着た桃色のドレス、滑稽さで少しでも笑ってほしかった。
きっと彼女の方がきれいに着てくれる。流れる涙なんて見たくなかった。
「やっぱり変かなー…海賊ごっこした方がいいよね!」
笑顔が見えないとわかると、返事も待たずにとって返す。
さっき見つけたもう一着の小さめの衣装、流石に衣装室を使わなくてはいけない服だったので、フロウのあとに飛び込む。
完全に女海賊、胸やら身長やらはおいといて、動きやすさやかっこよさは予想通り。
ささっと着替えて飛び出し、部屋にいる皆へ聞く。
「これなら似合うかな!?」
少しだけ固い笑顔で、綺麗なフロウに並ぶ。
ぴったりくっついたのは、不安の印。
全てを信頼できる彼の隣で、様子をうかがう。
お願い、お願いだから。
「ねえねえ笑ってよ、皆で楽しみたいんだ!」

151 :フローラ ◆CFwoAEJ66. :2015/08/16(日) 22:23:09.83 0
>「泣くほど痛かったんだね。ガラクタの破片が飛んできたのかな? 」
「はい?あ、えっと......」

言われて初めて頬に手をやる。
そこでしっとりと濡れた感触に触れ、やっと自分が泣いているのだということを自覚した。

>「理由がどうあれ、厭なら厭、嫌いなら嫌いとハッキリ言葉にする方でしょう
>妙な勘ぐりは彼女に失礼というものです」

「ええ.....そうですね」

物憂げに目を伏せる。確かに彼女は見た目以上の幼さを内包している。
気遣いを知らないわけではないだろうが、自分の感情に嘘をうくようなことはしないだろう。

>「ねえねえ笑ってよ、皆で楽しみたいんだ!」

そんな彼女が、今度は私の行いのせいで苦しんでいる。それを黙って見過ごせるわけがない。
どのみち船の中ではメアリを避けるにも限界があるのだ。それならば共にいる間くらい笑って過ごしたい。
そんな少し捻くれた、どこかすれ違いのようにも見える感情で今回は決着をつけた。
メアリの海賊帽を上からぽんぽんと叩くと、ぶかぶかのそれがメアリの頭をすっぽり覆って目元を隠した。

「...ですね!待っててください!」

おしゃれへの疎さはメアリと同等であろうフローラは、負けず劣らずがむしゃらに服を漁った。

【探索判定 使用ステータス:体力(62)】

152 :フローラ ◆CFwoAEJ66. :2015/08/16(日) 22:26:29.89 0
「うーん...なんだかよくわからないですね......」

どれをとっても色とりどりの布にしか見えない。適当に手にしたものを引き上げ見比べる。
キリがないと思ったフローラは、衣服をそこそこに装飾品を探すことにした。

【探索判定(振り直し) 使用ステータス:技量({71+27}/2 = 49)】

153 :フローラ ◆CFwoAEJ66. :2015/08/16(日) 22:35:31.70 0
「全っ然わかんない...」

無意味にじゃらじゃらとした物品の数々を前にうなるフローラ。
どうしても目線が「生活に必要か否か」になってしまうために評価がまるで下せないでいるのだ。

「......よっ!フロウさん似合ってますよー!!」

結局その辺の布を旗のように軽く振り回し、フロウの女装に茶々を入れることしかできないのであった。

【探索判定:失敗】

154 :フロウ ◆i58havlS0A :2015/08/17(月) 23:16:06.69 0
 フロウは正直焦っていた。エメラルダの『素通り』のリアクションとレオリアの
ストレートな語りかけが、フローラに何らかの影響を与えることは考えられた、考えられたが
何らかって何?と聞かれると想像するのは難しかったのだ。悪い方向、良い方向、
転がる先が読めないほうがずっと心臓に悪い。

 しかし結果的に状況は改善された。フロウはそれとなくレオリアに肯定の頷きを返すと、
室内に入り、空気をリセットするべく『芸』を披露した。女装である。

 そして入れ違いにメアリが更衣室の中へ入り、着替えを済ませて出てくる。ぴったりくっつく
姿は仲の良い海賊少女と貴族の令嬢といった、何かの物語にでも出てきそうな取り合わせだった。
とはいえ、メアリの調子が空元気なのは分かっていたから、どうどうと背中を軽くさする。

 フローラも仲間たちの言葉に、何か思うところがあったのだろう。隣の少女の海賊帽子を目深にすると
衣装室の探索に出かけて行ったのだった。

 ここまでは良かった。しかし彼女はおしゃれに感心がなかったようで、その辺のよく分からない布の入手に
留まった。一応の区切りはついたものの、その代償は安くなかったようだ。

(なんの布なの?あれ)

 反応に困るので微妙な笑みを浮かべていると、彼女はそれを振り回して

>>「......よっ!フロウさん似合ってますよー!!」

という救難信号を発した。フロウはそれを確かに受け取ると一度髪をかきあげ、瞳を見据えて

「こう見えて、昔は多くの女性の嫉妬させたものよ?」
とメアリにしなだれかかりながら、人差し指を立てて、ごく自然な動作でウインクを返す。
と、そこまでやって急に恥ずかしくなってきたのか、フロウは顔を真っ赤に染めていき、
咳払いを一つした。

「ごめんなさいちょっと調子に乗りました。忘れてください」

俯きながら、周囲を見て、最後にレオリアを見る。彼にだけは羞恥心ではなく
【次はあなたの番です】というような目を向けたのだった。今更ながら、
ここには観光客の目もあるということが思い出されて、しんどくなってきた
フロウなのでした。

155 :フロウ ◆i58havlS0A :2015/08/18(火) 22:38:09.62 0
忘れていた【探索判定 使用ステータス:知識(50)】

156 :フロウ ◆i58havlS0A :2015/08/18(火) 22:43:47.16 0
【探索判定(振り直し) 使用ステータス:技量({90+40}/2 =65)】

157 :フロウ ◆i58havlS0A :2015/08/18(火) 22:54:44.20 0
「あ!そう!これ、これ見つけたんです!その、似合うと思って……」
 そう言って更衣室で見つけたサークレットを懐からおそるおそる取り出す。
網目模様の銀細工が施されており、フロウは何故かそれを身につけるという
自分に追い打ちをかけるような真似をして、今度こそ沈黙した。

158 :エメラルダ ◆JThaci2X0Q :2015/08/18(火) 23:08:41.89 0
室内に入ったエメラルダは、仲間たちが衣装を物色する傍らで壁に備え付けられている照明を熱心に眺めていた。

「おお、光石を利用した不燃照明か! 燃えやすいものも多い衣裳部屋にはもってこいだものなぁ。ふむふむ、面白い造りをしている」

色とりどりのドレス類には目もくれず、卓上ランプやタンスについている装飾など、少しでも錬金術に関連しているものを探して歩く。
そして、その中でも一番目を引いたのが天井からぶら下がる小さめなシャンデリアである。

「いいなぁあれ! あれだけの魔石をどう組み合わせているのか……調べあきたら売ればなかなかの価値になりそうだし……、よし、取るか!」

そうつぶやき、近くの椅子を引きずってシャンデリアの真下に移動させるとその上に立ち上がり、外そうと奮闘し始めた。

【取得判定 使用ステータス:腕力(30)】

159 :エメラルダ ◆JThaci2X0Q :2015/08/18(火) 23:09:09.36 0
【取得判定 失敗】

「ぐぬぬぬぬっ! と、とれないか……」

持ち上げっぱなしで疲れた腕をおろし、プラプラと振りながら上がった息を整える。
止め具を緩めてから引っ張ってみたのだがシャンデリアはビクともしなかった。
外し方が悪かったのだろうか? エメラルダはもう一度しっかりと止め具の位置などを確認し、今度は金具を全て取り外してみようと挑戦した。

【振り直し判定 使用ステータス:技量(55)】

160 :エメラルダ ◆JThaci2X0Q :2015/08/18(火) 23:20:28.65 0
【振り直し判定 成功】

ガコン、という音と共に手の上にずっしりとした重みが乗る。

「――っとっと! よし、外れた!」

バランスを崩しながらもなんとか耐えたエメラルダは、両手で持ったシャンデリアを満足げに見ると、落とさないようにしながら慎重に椅子から降りた。
エメラルダの纏う金板が照明の光を反射してキラキラと輝く。
熱をもたない照明は両手で持っても火傷することなく取り外しても変わらぬ輝きを放っている。
それを割れないように布で包み、自らの収納にしっかりと納めた。
目当てのものを手に入れたエメラルダは、なんだかにぎやかな仲間たちの変身(?)を眺めることにした。
絶世の美女に変装したフロウと海賊姿のメアリ、それから衣装の山に埋もれながら布を振り回すフローラの一団に加わる。

>>「......よっ!フロウさん似合ってますよー!!」

>>「こう見えて、昔は多くの女性の嫉妬させたものよ?」

「ひゅぅ♪ フロウ嬢ったら傾国の美姫!」

フロウの冗談にノリノリで乗っかるエメラルダ。
その後すぐに照れて顔を赤くする様までもがおかしくて、アイテムを手に入れた上機嫌も手伝って盛大に笑うのだった。

161 :レオリア ◆.H09BnLjnM :2015/08/19(水) 21:10:07.05 O
フローラに劇的な変化は見受けられなかったが、世の中そんなものだろうと気にせず探索に入る
しかしフロウからの視線が刺さるのは如何ともしがたい
乗ってあげたいのは山々だがレオリアは体躯的に非常に微妙なのだ
子供と大人の中間点辺りなので合う服が少ない

それでもそれらしい物が入ってるかな?という場所は見つけたが……
「…建て付け悪いな」
どうやってもクローゼットの扉が開かない
意を決して扉の反対側の壁を蹴った

【判定 使用パラメーター 腕力(20)】

162 :レオリア ◆.H09BnLjnM :2015/08/19(水) 21:41:45.39 O
【判定 成功】

三角跳びの要領で扉を蹴破ろうという魂胆だ。空中でグルンと回転して更に勢いを付け足を扉にぶつける

声にならない気合いと共にレオリアはクローゼットの中に吸い込まれていった

(……マジか)
服に埋もれながらレオリアは茫然自失であった
一応力一杯蹴ったものの、平素は女児もかくやな非力な自分に蹴破られるのは扉としてどうなんだ
しかしてレオリアの目論見(いやー開かなかった残念だなー)は儚く散ったのであった


少し後
黒い豪奢なドレスに身を包み白金色のセミロングの髪をなびさせた美少女がクローゼットから出てきた
後ろの結束を解くと髪はもとからこれくらい長い
指には蒼く煌めく指輪がある
「これくらいは役得ですよね?」
指を弄りながら照れ臭そうに笑う

163 :フロウ(GM) ◆i58havlS0A :2015/08/21(金) 23:03:52.99 0
 衣裳室に入る前はまだ男女5人のパーティだったはずだが、中から出てきたのは
5人の女性。いや、一人は性別が外見から伺い知れないから、もしかしたら
あのジャラジャラした服の中に二人の美少女が入っていて、中で男性二人と入れ替わった
のかも知れない。そんなことあるだろうか?一部の観光客は訝しんだが、敢えて深くは考えなかった。

「この場所は一通り調べ終わったようですから、一度荷物を置きに行きましょう」
 
 気を取り直したフロウは皆にそう声をかけた。冒険者が一度に一グループしかこないので、
冒険者側の通路、出口付近に荷物を置いておけば盗まれたりする心配はない。観光客が
そちらへ行った場合、身の安全は保証されないからだ。そのような説明をしながら廊下を歩く。

「こんな感じでどんどん探していきますよー。フローラさん、どうですか?」
そう言って見取り図を彼女の前に広げて見せる。衣裳室の横には小さなチェックが付けられていた。
彼らは次にどこを探すのか、そこには何が待っているのだろうか

164 :フローラ ◆CFwoAEJ66. :2015/08/24(月) 22:37:09.90 0
「えぇーっと...どうしましょう?」

地形図なら読み方も書き方も教わったことがあるが、見取り図はよく分からない。
なんとなく空間が区切られているのと、その部屋の名前くらいしか読み取れないのだ。
...まあ、あと8箇所も余っているのだ。適当に選んだところであまり変わるまい。

見取り図の前で紙面に向けて差した指をくるくると回す。
目を軽く瞑って、しばらくしてから指を止める。差したところが目的地だ。

【探索場所決定ロール 使用ステータス:なし】
【8n:『船倉』 8n+1:『客室』 8n+2『機関室』 8n+3『プレイルーム』】
【8n+4『食堂』 8n+5『医務室』 8n+6『資料室』 8n+7『船員室』】

165 :フローラ ◆CFwoAEJ66. :2015/08/24(月) 23:30:14.95 0
【探索場所決定ロール:『機関室』】

「ここっ!......って、何の部屋でしょう?」

差した先には『機関室』という文字。
陸続きの生活しかしてこなかったフローラには船の構造は分からない。
よく分からないまま、行き先は決めてしまったのでとりあえず進むことにした。



そして機関室。
なにやらよく分からない機械群が所狭しと並んでいる。
特にこれといって目立った障害は無いが、入り口にはいかにもといったパネル。

「......何か、ありますよねぇ。きっと」

探索の前、あの幽霊の話を察するに各部屋には何かしらの妨害があると見ていい。
このまま足を踏み入れてはまずいとフローラの勘が警鐘を鳴らす。
たどたどしい手つきでパネルを押し上げると、こまごまとしたスイッチ類に手を伸ばした。

【罠解除判定 使用ステータス:技量({71+27}/2 = 49)】

166 :フローラ ◆CFwoAEJ66. :2015/08/25(火) 21:08:35.06 0
適当にパチパチとスイッチを弄っても、なにも起こるような気配はない。
フローラは首を傾げながら、なおもパネルを操作する手を止めない。

【罠解除再判定:達成値49】

167 :フローラ ◆CFwoAEJ66. :2015/08/25(火) 21:26:29.62 0
「ん〜......?」

右も左も分からぬままにパネルと奮闘するうちに、荒々しく響いていた駆動音が落ち着きを見せた。
正直自分が何をどう操作したのかは分からないが、一先ずうまくいったと言っていい、気がする。
まあ船の運行に支障が出るようなら幽霊がそのうち直してくれるだろう。探索する側のフローラの知ったことではない。


「......?」

それでも釈然としないといった表情でパネルを見る。果たしてこれでよかったのだろうか。
困ったような目付きで振り返り、そのまま苦笑いを浮かべた。
なんと言って良いのかも分からないまま、その後の判断をあとに続く彼らに委ねることにしたのだった。

168 :メアリ ◆IC7RKFJkf6 :2015/08/26(水) 08:44:13.96 O
取り敢えずは元気になってくれたフローラを嬉しく思い、帽子以外は海賊服のままなメアリ。
そんな彼女はフローラの手元をじっと見つめている。

>「ここっ!......って、何の部屋でしょう?」

「きかんしつ…?暴れちゃダメそうなとこだね?」
メアリには一般的な知識は少ない、船どころか、もっと簡単なものですらわからないのだ。
それでも船の下側にある。つまり暴れたら水没するかもしれないとはわかる。
「よくわかんないけど面白いといいね!」
楽しみにしながら、先ほど女装していた二人の間をいったり来たりしながら歩いた。
二人ともああいうの似合っていいなあ、と思ったから、とは言わない。


そして機関室前の謎パネルに、フローラ以上に首を捻るメアリがいた。
あんな壊れやすそうなものに触れるなんてすごいなあ、とか、そもそもこれ何なんだろう?とか。
頭の上には???と浮かんでいそうだ。
戸惑っている様子のフローラ、どうにもできず近くで操作を見ていると、突然扉が開く。
「え?わぁ!すごいすごい!フローラが開けたんだね!」
フローラの手をとりぴょんぴょんと喜びを示す。耳も尻尾もご機嫌状態、わかりやすいことこの上ない。

169 :フロウ ◆i58havlS0A :2015/08/27(木) 22:57:49.84 0
>>「ここっ!......って、何の部屋でしょう?」
「ここですねー。機関室……」

 見取り図に丸をつけながら、フロウは眉根を寄せた。というのも彼も機械には詳しくない。
触ったことがあるのだってギルドの食堂に備え付けられた物くらいだ。何があるのか予想できない。

階段を降りた先には、壁にくっつけられているいかにも頑丈そうな金属のタンク、それに繋がる土管のような
太いパイプが部屋の外へと続いている。どうやら部屋の中に機械があるのではなく、機械の中に部屋があるようだった。
光源は上の階とは違い完全に照明のみのようだ。そして

>>「ん〜......?」
フローラがおもむろにぱちぽちと、ドアロックと思しきスイッチ類を押し始める。

(え!?先にスイッチの説明とか探さないの!?)
 焦りながらもその手つきを見ていると、周りの機械から異音がし始める。

>>「よくわかんないけど面白いといいね!」
メアリが楽しそうだが、フロウはそんな気にはなれなかった。というのも耳を澄ませば
「止めろ!止めろ!」とか「え、ど、どうやって、え!?」とか「いいからもう開けろ!それから」
という声が異音に紛れて扉の向こうから聞こえてくるからだ。

 周囲を見回せば可哀想に、もう死んでいるにも関わらず血相を変えた海賊霊たちが通路を
ひっきりなし移動しているのが見えた。
 やがて扉が開いたが、それと同時に周りの機械から漂う嫌な緊張感が解かれていく。

>>「え?わぁ!すごいすごい!フローラが開けたんだね!」
「……そうですねえ。間違いなく、彼女が開けたと言っていいと思います」
冷や汗をハンカチで拭きながらフロウは安堵の溜め息を吐いた。

(今度こういうことがあった別の場所を提案しようそうしよう)
 あちらのヒヤリハットを受けて、こちらでもまた一つのヒヤリハットが生まれたんでしたとさ

170 :エメラルダ ◆JThaci2X0Q :2015/08/31(月) 21:26:47.58 0
>>「ここっ!......って、何の部屋でしょう?」

フローラが指した場所を、エメラルダも見取り図を覗き込んで確認する。

>>「ここですねー。機関室……」

>>「きかんしつ…?暴れちゃダメそうなとこだね?」

「はっはっは。ヘタに暴れて動力部を壊しでもしたらこの船が沈むだろうねぇ」

機関室で乱闘なんて洒落にならない。
だがまぁ探索がメインなので戦闘になるようなことはそうそうないだろう。
エメラルダは楽観的に考えると、仲間と共に移動を開始した。

◆ ◆ ◆ ◆ ◆

機関室の前までやってくると、入り口にパネルが設置されているのが目に入る。
どうやら今度はこのパネルのスイッチ類を操作して扉を開けるらしい。
さっそくパネルに手を伸ばし操作するフローラを見て、エメラルダは開くまでの間に周囲を観察することにした。
金属タンクとそれにつながるパイプに触れて温度を確かめたり、壁に這う配線の先を目で追ったりしていると、なにやら危険なブザー音が鳴り響き始める。
おもわず振り返ってフローラの様子を確認すると、彼女は今だ首をひねりながらスイッチを操作しているところだった。
周囲の幽霊が慌てて騒いでいるのを感じたエメラルダの首に、ひやりと冷や汗が流れる。

「え、まさか簡単に操作できるところに、そんな危険なスイッチを置いとくわけが……ないよね?」

いくら妨害するにしても船の運航に支障をきたすようなものはないだろうと思っていたのだが……。
エメラルダが戦々恐々としている内、無事に扉のロックが解除され、周囲の雰囲気も落ち着いた。
喜ぶメアリに複雑そうな顔のフローラ、冷や汗をぬぐうフロウを眺め、エメラルダも危機が去ったことを実感する。

「……祭りだからと気を抜くな、ってことかな」

心なし、というか明らかに階段付近まで下がって逃げ出す準備をしていた身体を機関室の入り口まで戻しつつ、そうポツリとこぼす。
今の一件でエメラルダは祭りに対する認識をあらため、警戒度を一段階引き上げたのだった。

171 :レオリア ◆.H09BnLjnM :2015/09/01(火) 00:38:43.47 O
チュートリアルとでも言うべき初回の探索を終えて…レオリアは未だドレスを脱いでいない
着るのにもだが脱ぐのにも時間は当然掛かるのだから中々脱げないというのか正しいか

>「ここっ!......って、何の部屋でしょう?」
「この船を動かしている素のある場所ですね」
マニアという程ではないが魔力に依らない文化や道具の知識はそれなりに有している

>「はっはっは。ヘタに暴れて動力部を壊しでもしたらこの船が沈むだろうねぇ」
エメラルダのそれに対しては何も言わない。無理に不安を煽る事はないだろうという判断
下手に暴れたら火達磨か高温の蒸気に包まれるか、どちらにせよ生き地獄だろう

そして機関室入り口。フローラの機械音痴ぶりよりもその機関の大きさに見とれていた
これだけ大規模な物を動かす機関は果たしてどれくらい後になればポピュラーになるのだろう?魔法に依らない高い移動力の獲得なんて夢のような話じゃないか
…衣装室の照明のように、魔力で動いていたら拍子抜けもいいところだが

しかしそんな夢想をしている間に、何というか結構危ない橋を渡ったのだなぁ。くらいの事が終わっていたらしい
危機はいつも唐突にやってくる
「……何にせよ開いたのなら探索でしょう」
そう言って胸をなで下ろしている皆をけしかける
幽霊の気配が沢山ある得体の知れない閉所に先駆けて突っ込むつもりは毛頭ない
袋叩きにされたら大変だ

172 :フロウ(GM) ◆i58havlS0A :2015/09/01(火) 22:40:51.73 0
 想定外という言葉がある。フローラのパネル操作に狂奔した海賊たちの心情がまさにそれであった。
大方の予想では、手当たり次第にスイッチをいい加減に押して失敗して門前払いになるか、
手がかりの一つも探し、知恵を働かせて正解の手順でボタンを押して扉を開けるというものであった。

 しかしフローラはあろうことか、極めて正確に自爆ならぬ自沈装置を起動させようとしたのだから
彼らの焦るまいことか。何故そんな機能を有しているのか、それは軍隊等による徴発を拒否するため、
何より幽霊たちの浪漫からであったが、ともかくも冒険者たちは機関室の内部へと進むことができた。


 機関室内は、扉の外と似たような構造になっていた。違う点を挙げるとするなら事務机を機械に
改造したような、計器類が埋め込まれた台がそこかしかにあり、大きなレバーやハンドルが壁から
突き出しており、まるで呪いのように細かな注意事項やマニュアルがそこかしこに貼ってあることだろう。

『蒸気排出率の確認は定期的に二人以上で必ず指差し、声だしで確認のこと』だの
『停泊中は各動力を停止の上、バルブは取り外すこと』だの、他にも油圧や注水率、
 何がなんだか普通はよく分からない言葉が並ぶ。

 そんな一見して宝も何もなさそうな部屋の中を歩けば、冒険者達はぽつんと外れたとある部屋を見つけるだろう。
部屋の中にまた部屋、箱の箱とでもいうべきその場所には『保管庫』の文字。

 少ない室内灯に照らし出された室内には実に様々な『がらくた』・・・またの名を発明品と呼ばれる物が放置、
いや収納されている。他にも色々な島のジオラマ、年代物のボトルシップ、玩具、壁に掛けられた様々な海図、
船員用のロッカーを開ければ紙屑・・・もとい何かの設計図が飛び出してくるだろう。

 この機関室もまた宝の山である。それほど狭くもないはずの一室は、乱雑に置かれた物により
驚く程の窮屈さを冒険者たちに誇示した。それはあたかも研究者が自分の実験室の散らかり具合を
誇示するかのようであった。

173 :メアリ ◆IC7RKFJkf6 :2015/09/01(火) 23:01:12.68 O
「凄いね凄いね!」
ちんぷんかんぷんなパネルだけで開く扉、開けたフローラ、双方に感動を示し、フローラにハグをする。
それからすぐに部屋に飛び込み、本当に念のため敵がいないか確認をした。
中には更に難しそうな機械?だらけなものだから、剣は振り回せないなあ、と呑気に手をアセイミダガーの方へやる。
結果的に敵がいなかったのは、どちらにとって良い結果となったのだろう。
「あれ?部屋のなかに部屋があるの?」
そして好奇心が向かう先はガチャガチャしたものたち。
何か、がらくたのような玩具に興味がひかれた。

【探索ステータス・運20】

174 :メアリ ◆IC7RKFJkf6 :2015/09/01(火) 23:05:21.13 O
だがガラスで出来ていたらしい玩具は、少しつついたら割れてしまった。
回りに迷惑をかけてしまう、それは嫌だ。慌ててガラス片をかき集めて、近くの適当な紙で包む。
手に切り傷はできたが、そんなのは気にしない。
ふう、と息をついて紙を引きずり出したロッカーを見ると…

【失敗、再判定技量42】

175 :メアリ ◆IC7RKFJkf6 :2015/09/01(火) 23:10:10.73 O
沢山のキラキラした石が詰められた瓶を見つけた。
あちこちにある謎のものの材料なのか、カラフルで半透明な石は、好奇心をこれでもかとくすぐった。
実際これは様々な用途に使える魔石なのだが、誰かに聞かない限りは正しく使われはしないだろう。
これを双剣に組み込むだけで、属性効果で更に強くなるなんて…絶対メアリには思い付かない。
「これ、もらっちゃおう!」
真っ赤な手で、瓶を大事に抱えた。

【判定成功、魔石の欠片の瓶詰め入手】

176 :フローラ ◆CFwoAEJ66. :2015/09/04(金) 02:10:07.06 0
釈然としないながらに扉は開き、舞い上がったメアリに飛びつかれる。
兎にも角にもこれで先へ進めるのだ、細かいことは気にすまい。

「やりました!」

くっついたメアリを抱え上げ、そのままぐるぐると回ってみる。
無垢な笑顔に屈託の無い笑顔を返し、メアリを地面に下ろしてやる。
そして下ろしたとたんに部屋へ飛び込んでいったメアリをみて表情に一抹の陰りを見せる。
先の出来事、その根底にある原因。まだ受け入れられたわけではないのだから。



所変わって『保管庫』。
所狭しと詰め込まれた物の真価は、フローラにはわかりようが無い。
それでもなお、つたない知識を動員して何とか見極めを試みるフローラであった。

【探索判定 使用ステータス:知識(31)】

177 :フローラ ◆CFwoAEJ66. :2015/09/05(土) 02:02:38.28 0
「ん?これって......」

山と詰まれた物品の中で、何故だか見覚えのあるものを見つける。
いつだったかは忘れた。でも、あれは確かまだこのギルドに入る前。

手にするとずっしりと重いマナ金属製の円筒。
細かい作り方は知らない。でも、使っているところは見たことがあった。

「こう担いで......ばーん、って」

マナを収束させて投射する射撃武器。それだけはわかっていた。
価値があるのかは分からないが、街で見たことはないからそれなりに貴重だ、とは思う。
とりあえずこれを回収しよう。鑑定前から成果を挙げたような気になって、心なしか顔が綻んだフローラだった。

178 :フロウ ◆i58havlS0A :2015/09/06(日) 23:14:34.60 0
>>「……何にせよ開いたのなら探索でしょう」

「そうですね、気持ちを切り替えていかないとキリがないですからね、こういうのは」

 レオリアの言葉に頷くと、フロウは後ろを振り返る。そこにはエメラルダの姿。
いつの間にか最後尾にいた彼女、逃げる時に限れば通常の三倍くらいは機敏なんじゃなかろうか。

>>「……祭りだからと気を抜くな、ってことかな」
「合ってるけど違う気がする……」

そして――

 場所は移って保管庫。ノージャンル、或いは未鑑定品の集まった機関室内の物置で
一行は宝探しに取り掛かる。フローラは金属の筒、ぱっと見大砲のような、を見つけ、
メアリのほうはうっかりガラス細工を壊してしまい、どうして指で弾くのか、とにかく
片付けの際に怪我をしたようだ

「メアリ、手を見せなさい。深く切って放っておくと動かせなくなってしまいますよ」
 綺麗な石の入った瓶を見つけて喜んでいるところに水を差すようではあったが、放っておくわけには
いかない。こまめに手当をする癖を身につけてくれればいいのでが、フロウの表情は
少し怒っているように見える

「メアリ、私にお小言を言わせないようにするにはね、怪我をしたらすぐ私に見せるか、
手当をすること、いい?」

 そう言って手の切り傷を見て、破片が残っていないかを確認してから簡易な魔法で治す。

「さて、それじゃあ私も探すとしますか」

 少し離れてから室内を見回す。

【探索判定 使用ステータス:知識 50】

179 :フロウ ◆i58havlS0A :2015/09/06(日) 23:19:37.53 0
「とは言ったものの、何に価値があるのか、見当がつきませんね」

 その辺を物色し、取り扱い説明書に目を通す。読めるもの、読めないものを分け、
その中で目星をつけるが、どうにも踏ん切りがつかない。自分がコレだと思っても
それがお値打ちとは限らないのだ。

「うーん、どれがいいかな……」
【失敗、再判定 技量65】

180 :フロウ ◆i58havlS0A :2015/09/06(日) 23:49:34.65 0
「図面も、一応は書物だよな……」
 フロウはロッカーの中身の書類を検める。洗顔器、圧力釜、フリーズドライ冷蔵庫
どこの狂人が考えたのか、ゴーレムを巨大な馬車に仕立てて背中に大砲を山ほど載せた
『列車砲』なんていう兵器の設計図まであった。建造費用が概算の段階で測定不能とある。アホだ。

 そんな中、雑にしまわれた書類の中に、鍵付きの上等なケースが一つ。表面の模様は魔法文字だ。

(こんな所で魔法文字?)

「…………」
 その文字を読むと、鍵が外れる。ケースの中には未来で書かれたのではないか
というほど上質な紙に美しく書かれた文字と図形と数字、辞典ほどの厚さでもって
収められていた。そしてそれとは別に一枚だけ、設計者のものと思しき書置きが遺されていた。

『この発明は、私の生涯の最高傑作だ。この世の数ある明暗の一つを確実に明にする力があると
私は確信する。一刻も早く世に広める必要が認められるが、しかし、今の人類には技術的に、
何より精神的に早すぎるという懸念もあった。私はとうとう決断を下せなかった。私は、
私の迷いから、私の夢を果たせなかった。後世にこれを読む人がいれば、そして
その時にまだ、これが世にでいなかったら、私の遺した迷いに、答えを出して欲しい』

名前の欄は空白となっている――

「これは……これは、まさか……!」

 大型の機械、何を作る機械かの説明から配置に必要なスペース、間取り、人員、
読めない文字も多かったが、挿絵と名詞だけで何の口上なのかが判明した。
それはカカオ粉末にバターや牛乳、砂糖などを加えた、今なお高級菓子の位置に君臨するものを
製造する、聖堂の黙示録であった。

「すごいけど、すごいけど、どうなんだこれ…?」
スケールのよく分からない事態を目の前にして、フロウは蓋を閉じると、そのケースを
持っていくことにした。

<チョコレート工場>の設計図を手に入れた!

181 :エメラルダ ◆JThaci2X0Q :2015/09/07(月) 21:52:09.28 0
機関室内には船の運航に必要な様々な機械類が置かれ、それに付属した注意書きが所狭しと張られていた。
それらを軽く確認しながらエメラルダは残念そうに息を吐く。

「これは……詳しくは分からないけど、動力とか運用方法からして機械工学かな?」

『機械工学』とは科学の一分野だ。
似たような分野ではあるが『錬金術』と『科学』は微妙に違う。
時々両方研究している者もいるし、よくごっちゃになるが、正確に言うと別物である。
簡単にいえば、錬金術は魔法(魔力)を使用した科学分野で、科学は魔力を一切使わない科学分野だ。
そのため、錬金術は『魔法科学』と呼ばれることもある。
そもそも錬金術の指す範囲は広く、その中でも細分化していて定義があいまいなものもあるため、人によって範囲が違ったりするのだがここでは省略。
さきほど手に入れた照明などはその中間ライン『魔導工学』の品だ。
魔導工学は魔力を使用した機械工学、とでもいうべき分野で、あの照明は動力に魔石を使用し、魔力を効率よく運用するための回路が組まれてた。
例の遺跡探索以降そちらにも熱を上げているエメラルダだが、さすがに機械工学は専門外だ。
エメラルダが名残惜しそうに計器類を眺めていると、不思議そうなメアリの声が聞こえてくる。

>>「あれ?部屋のなかに部屋があるの?」

声の方向を見ると別室への扉があり、プレートには『保管庫』とある。
新しい発見の予感に目を輝かせ、エメラルダもいそいそとそちらに向かった。

【探索判定 使用ステータス:幸運(70)】

182 :エメラルダ ◆JThaci2X0Q :2015/09/07(月) 21:55:41.52 0
【探索判定 成功】

部屋中に転がるガラクタを眺め、目をつけた場所をあっちこっち漁る。
そんな中、物が乱雑に詰め込まれた箱をエメラルダが丁寧かつ大胆にひっくり返した際、一際目を引く物体を発見した。
透明な丸いガラス瓶のなかに、手のひらサイズの妖精を模した小さな人形と液体が入っているようだ。
手にとってみると、衝撃で軽くかき混ぜられた液体が、底に沈殿していたキラキラ輝く粉を舞ませる。
一見すると小物屋や土産物屋などで売っているただの置物――いわゆるスノードームというもの――なのだが、なぜか気になった。

「ううん……?」

そのまま手に持ってじぃっと眺めていると、なにやら瓶がじんわりと暖かくなり、同時に手のひらから力が抜けていくような感覚を覚える。

(これは! 魔力を吸われている!?)

危険を感じたエメラルダがとっさに手を放そうとした、その瞬間。
人形が光りだし、今まで眠るように閉じられていたその瞼がパチリと開いた。

「『……』」

仮面とガラス越しに目が合う二人。

『おはy
「おおおおおお!? なんだいなんだい君はホムンクルスかいゴーレムかい!?
 どうなってるんだ、この入れ物? くわしく中身が知りたいけど割ったり開けたりしたらダメなんだろうねそうだよね!
 あ、とりあえず挨拶か。挨拶は大事だよね! おはよう、はじめまして!」
 ……オハヨウゴザイマス、ハジメマシテ』

その後、どうにか落ち着いたエメラルダとの話し合いにより、妖精型ホムンクルスのホムリーちゃん(仮名)は、とりあえずエメラルダの懐に仕舞われたのだった。

【エメラルダは『ホムンクルスのガラス瓶』を手に入れた】

183 :レオリア ◆.H09BnLjnM :2015/09/10(木) 00:51:49.40 O
皆が保管室でお宝目掛けて探索に動いている中、レオリアの興味は本棚にあった
蒸気か電気か或いはもっと別の何かであっても、このような巨大船舶を満足に動かせる方法論はとても魅力的に写る
魔法は便利だ。しかしその便利な道具に振り回されるのは真っ平だ
ともすれば魔力が人を象っていると言われかねない程に膨大な魔力と向き合って生きざるを得なかったレオリアにとって
魔法以上に人型種のパートナー足りうるツールを探すのはライフワークになっていた
武術に傾倒したのもその一環であるし、科学に対する興味もその一環である
だから、かなり真剣に本棚に無数にある背表紙に目を走らせる

【使用ステータス 知識(70)】

184 :名無しになりきれ:2015/09/10(木) 01:18:52.83 O
【判定成功】
操作や保全のマニュアルばかりに思われた本の群れに一つ違和感のある物があった
(…ん?)
咄嗟に流れる眼を止めてそれを引き抜く
表題のない黒いファイルであった。まずまずの重みが伝わってくる
未知の科学へ、人型種をより利便性の高みへ誘う素晴らしい発見があるに違いないと心躍らせながらページを捲る
捲り、捲り、捲る。それに比例して表情は険しくなっていく。少年がしてはいけない顔であった

(とんでもないお宝ではあるんだけれど…)
中身は何故か魔導書の注釈本であった。それもただの魔導書ではなくエルフの体感からであっても大昔と言える頃に散逸したと言われている書物の内容とその注釈だった
流石にソラで内容は読めないので注釈部分のみを流し読む
(竜…その上位種……の…?ブレスを…魔法式に……改め…記す……!?)
古代の龍の息吹を魔法に変換したその術式を示した魔導書であるようだった
大変な発見である。世に出回ってしまえば人間もエルフも悪い方向で更に魔法に傾倒してしまう
後学の為ついつい全篇眼を通してしまうのは若さゆえなのかエルフの性なのか
それでもこの書物は自分の手で後々封印しておこうと心に決めた
危険だが封印が精一杯である。学術的な価値も高いので矮小な一エルフが存在を無に帰すことはとでも出来そうにない
それは若いレオリアが感じる歴史への畏怖だった

185 :レオリア ◆.H09BnLjnM :2015/09/10(木) 01:19:52.06 O
>>184は当然ですが自分です

186 :フロウ(GM) ◆i58havlS0A :2015/09/11(金) 23:29:32.79 0
 機関室での探索を終えた冒険者たちの後ろで、機械仕掛けの扉が閉まる。
次のギルドが訪れた時、また同じようにして挑むのだろう。ここまでは
特に躓きもせず順調に進んでいる。冒険者の本分が功を奏していると言って良いだろう。

「あ、そうそう、自分の取り分を今のうちに考えておいたほうがいいですよ」

 中部への階段を上がりながらフロウが仲間に声をかける。手に入れた物をは基本的に全て
ギルドのものだが、当然それは建前だ。自分の欲しい物を幾らかでも懐に突っ込めなければ
誰だってやる気を出せないだろう。

「さて、次の場所ですが、どうしようかな」

 候補としては資料室、プレイルーム、食堂の三つの内どれか
 資料室は中部の最後の一室だ。中部は観光客に公開されているので、ギルドの者が
訪れれば彼らにも開放されることになる。それはつまり、今も辛抱強くその時を待っている
学者たちがなだれ込むことになる。

 プレイルームは幽霊となった音楽家や賭博のディーラー、踊り子達の領域だ。
貴族の船にも海賊船にも音楽と遊びは必要なのだ。彼らも自分たちの出番を待っているだろう。

 食堂は、そろそろ小腹が空いてきた。

「総合的な利益を勘案しまして〜、こっち行きましょう!」

 フロウは見取り図の『資料室』に丸を付けると、勢いよくその方向を指さした。

187 :フロウ ◆i58havlS0A :2015/09/11(金) 23:43:54.01 0
 資料室前は食堂の隣である。ここにも一応の罠はあるはずなのだが、それらしい
ものは見当たらない。他の二部屋に比べて飾り気や活気とは程遠い。入口には
職員らしき初老の男性のゴーストがいるだけだ。



 否、何かがおかしい。あまりにも静か過ぎる。幽霊船の書庫ともなれば、不気味さ
はあって当然なのだが、今日のこの船にはあまりにも合わない。

「おかしい、何がか……はっ!?」

 幽霊の正体見たり、何ということだろう。暗がりに密集して縮こまっていたせいで
気付かなかったが、廊下の隅に肩を組み合った人間(生きてる)がじっとして
皆一様に息を殺してこちらを見ていたのだ。

「しまった!みんな逃げ『開館でございます!』

 資料室のドアが開かれると、その瞬間を待っていた観光客がスクラムを組み
雪崩を打って我先にと突撃してきた!このままでは人の波に轢かれてしまう!

【罠解除判定 使用ステータス:技量=65)】

188 :フロウ ◆i58havlS0A :2015/09/11(金) 23:53:02.09 0
「なんとかやり過ごしてください!絶対に殺してはいけません!」

 幽霊たちと観光客の利害が一致した上でのこの罠は実に効果的であった。
抜けがけは許せないが迂闊に手を出せば一巻の終わりである。フロウは開かれた
ドアの影に張り付いてこれを回避した。仲間たちも難を逃れただろうか。

 刹那的な災厄が終わる頃、辺りは人の気配を失くし、元通りの静けさを取り戻していたのだった……

189 :メアリ ◆IC7RKFJkf6 :2015/09/12(土) 00:43:16.72 O
>「あ、そうそう、自分の取り分を今のうちに考えておいたほうがいいですよ」

傷の事を叱られて、ちょっとしょんぼりしていたメアリだったが、フロウの発言にはたと思考を働かせる。
服は面白かった、さっきの石も綺麗だった、そしてこれからも何かを見つけのだ。
そもそも好むようなものを探している以上、選ぶとなると非常に難しくなりそうである。
「…さっきの石は欲しいなあ…」
綺麗なだけではないのだろう、店で手に入るのかもしれないが、今はあれが一番好きだ。
けれど、メアリは考えるのが得意ではない。
最後に考えればいいや、と急に投げやり、フロウの示した資料室へ歩むのだった。


資料室前、少しぼんやりしていたメアリは反応が遅れた。

>「なんとかやり過ごしてください!絶対に殺してはいけません!」

普段なら一目散に逃げていただろう状態に、気づくことができなかったのだ。
慌てて飛び退くも、人の数が多すぎる。この体格で潰されたら大怪我必至だ。
とにかく入り口から離れよう、と先頭組のギリギリの隙間を縫うように飛び抜けていった。
「ひ、ひどいよ…」
なんとか雪崩からは抜け出したが、こんな怖い思い久しぶりかもしれない。
座り込んでしまったメアリ、そして目の前には奇しくもフローラ。
涙が流れ出してしまった今、こんな好機を逃すはずはなかった。
「あの人たち怖いよう、フローラみたいないい人は少ないのかな…?」
ひっく、ひっくとしゃくりあげながらフローラにすがり付く。
知らない人間達に、傷つけられそうになった事でパニック寸前だった。
フロウが先に声をかけていなければ、確実に斬りかかっていた。
一番近かった、怖くない人にすがってしまうほど、心は幼いのだ。ぎりぎりの感情はなんとか崖っぷちで止まりはしているが、危うい。
今回の仕事にあった一番の恐怖、一般人の存在。それは少しばかり激しい社会勉強になってしまった。

190 :フローラ ◆CFwoAEJ66. :2015/09/14(月) 01:41:12.83 0
まっすぐに伸びる廊下、区切られた部屋。
入り組んだ森や開放的な草原に親しんだフローラには、いつも不思議な空間に思えてしまう。
...かといって、建造物を複雑な区画にされるとフローラも困ってしまうのだが。

>「あ、そうそう、自分の取り分を今のうちに考えておいたほうがいいですよ」
「え、何かもらえるんですか?」

そうとは知らなかった。よく分からないけど価値のありそうな物を手当たり次第に探してしまっていた。
言われてみれば、自分がほしいと感じられるようなものの方が探しやすい、かも知れない。
次からは自分の感性で探してみようかな、などと呑気なことを考えていると。



「......え?」

開いた扉から溢れ出す大量の人。
一瞬幽霊かと思って矢に手を掛けかけたが、フロウの一声で人間だと判断し途端に焦りが出てしまう。
左右に人目で逃げ場を見出せなかった以上、残る選択肢を上に見出して。
風の魔力の力を借りて、高く高く飛び上がる。
飛び上がった先に掴まる物が無いのを歯がゆく思いながら、そのまま宙に浮き続け。
人の波が去った後に、そのまま落下するような形で着地した。

「うへぇ...やっちゃったなぁ」

急な出来事で、無為に魔力を使ってしまった。
残りの魔力でこの先どれだけやっていけるだろうか。消費の大きい妖精魔法は魔力管理に気を使う。
継続的な多量の魔力放出による軽い眩暈を堪えていると、不意に柔らかな感触がぶつかってきた。

>「あの人たち怖いよう、フローラみたいないい人は少ないのかな…?」

そんな言葉に、返せる言葉は無く。
ただ縋るメアリの肩を抱き頭を撫でる。
せめて心落ち着くまではメアリの支えになれるよう努めることが、フローラの限界だったのだ。

191 :エメラルダ ◆JThaci2X0Q :2015/09/15(火) 21:03:49.68 0
>>「あ、そうそう、自分の取り分を今のうちに考えておいたほうがいいですよ」
>>「…さっきの石は欲しいなあ…」
>>「え、何かもらえるんですか?」

「えっ? ……あ、ああそうだね。取り分、取り分かぁ」

そういえば、とエメラルダは移動しながら考える。
フロウに言われるまでギルドに納品する分を確保しておくのをすっかり忘れていた。
エメラルダの頭の中では、今まで手に入れたものは全て自分の物のつもりだったのだが、基本探索で得たものはギルドのものという決まりである。
探索に夢中になりすぎて基本的なことが抜けていた。
なにか、自分的にはそれほど興味がなく、かつ価値のあるものを見つけておかないといけない。

(よし、次の場所ではギルド用のものを確保しておこう)

――そう思っていた時期がエメラルダにもありました。

>>「総合的な利益を勘案しまして〜、こっち行きましょう!」

そういってフロウが向かった方角は「資料室」
研究者にとっての宝物庫ともいえる場所である。

「おっほぉ! いいねぇいいねぇ早く行こう!」

場所が決まった瞬間から、エメラルダの頭の中は期待と欲望で埋め尽くされ、ギルドへの納品用という言葉もすっかり抜け落ちた。
喜び勇んで手に入れた品も、結局はいくつか手放すことになり、最後になって泣くことになる未来はこれで確定である。


◆ ◆ ◆ ◆ ◆

わくわくと欲望をたぎらせやってきた資料室前。
エメラルダはいち早く調べたいと、パーティーの最前列につめていた。
周りを見渡しても罠らしきものは見当たらず、扉の前に一人のゴーストが立っているのみ。
これまでにくらべて不自然なほどの静けさに、期待に目を曇らせたエメラルダは気づかなかった。

>>「おかしい、何がか……はっ!?」

「罠が無いなら無いでラッキーじゃないか! 早く中へ……」

>>「しまった!みんな逃げ『開館でございます!』

「へっ?」

異変に気づいたフロウの叫びはしかし、運動能力底辺のエメラルダに対策を促すには遅すぎた。
背後から迫る人の群れになすすべはない。

「――!?」

判断は一瞬。
避ける=うまくすれば怪我は負わない、けれども資料は確実にこの群集によって優先的に分捕られるだろう。よって却下。
戦う=無理。ネズミとゴーレムの勝負より結果はあきらか。踏み潰される。よって却下。
そのほかにも、いくつものカードが脳裏に浮かび、一瞬で消える。その間1秒。
エメラルダの出した答えは……。

――取れる手段はただ一つ。流れには逆らわず、この波に乗ること!!

【幸運判定 使用ステータス:幸運(70)】

192 :エメラルダ ◆JThaci2X0Q :2015/09/15(火) 21:05:23.76 0
【幸運判定 成功】

エメラルダはカッと目を見開くと、押し寄せる人波を避けもせず、それどころか群集に背を向けその衝撃を甘んじて受ける。
そしてそのまま群れの先頭に立ち、押されるようにして観光客とともに室内になだれ込むのだった。
幸いにも、突進の衝撃はうまく殺せたようだ。
入った勢いそのまま弾かれる様に前方へ転がるエメラルダだったが、すぐにケロリと起き上がり、資料へと突撃していく。

「(錬金術の)資料は私のものだぁああ!!」

193 :レオリア ◆.H09BnLjnM :2015/09/17(木) 23:21:05.01 O
>「あ、そうそう、自分の取り分を今のうちに考えておいたほうがいいですよ」
限りなく空振りの連続をしているレオリアにはそのセリフは堪えた。基本的に運が無いのだ
>「総合的な利益を勘案しまして〜、こっち行きましょう!」
ヘチョっとした顔のまま力なく笑う資料室でも大した物が手に入る予感がない


半ば茫然自失でフラフラとパーティーの最後方を歩いていたら―――
>「なんとかやり過ごしてください!絶対に殺してはいけません!」
!?
何かよく解らない人の群が迫ってきていた
もっとも、如何にガッチリと陣形を組んでもどこにも人っ子一人入れないというのは不可能だ
流れに逆らいながら向かい来る人間の脇を押し脚を取り腕を跳ね上げながら、少ないスペースを広げてやりすごす
…やりすごすというには些か乱暴かもしれないが

人の波が収まると、そこには鷹揚とレオリアが立っていた
…若干息が上がっているのは内緒だ

194 :フロウ ◆i58havlS0A :2015/09/19(土) 23:25:37.31 0
 静かになった。人間の皮を被った物欲の荒波を辛くも乗り越えた冒険者たちは、
ようやく資料室に入ることができた。先ほどのゴーストは既におらず、たった今の
出来事が嘘のように閑散としていた。食堂や衣裳室とはあまりにも違う。

 一歩足を踏み入れれば、そこには地下の所蔵庫を思わせるような本棚の数々。
鉄板の床をコンクリートで舗装した石の床、音が反響する壁、病的なまでに白と灰色の景色。
図書館のような匂いに薄暗い明かり、そして窮屈さ、独特の空気が切り取られていた。

 中央の通路の左右に本棚、入口横にカウンター、一つだけの長机、それ以外は何もない。
違和感を言うなら、棚には本が詰まっていることだろう。抜けがけされたはずなら
もっと少なくなっているはずだ。

 答えはすぐに見つかるだろう。カウンターに置いてある古いノート、
無造作に開かれているページはこう書かれている。

『彼らは今頃、自分たちがまんまと偽物を掴まされたことに勘付いた頃だ。ここまで
綺麗に担がれてくれると却って申し訳ない、人の欲が全く色褪せていないことを嬉しく思う』と

 要するに、観光客たちは幽霊に化かされて、海賊に騙されたということだ。
ともあれ、図書館の一区画分ほどの広さを感じさせない一室にはまだまだお宝があるということである。

 本棚の側面にはプレートでそれぞれのジャンルが記載されている、目移りしたり
没入しなければ目当ての物を見つけられるはずだ、たぶん、おそらく、基本的には。

195 :メアリ ◆IC7RKFJkf6 :2015/09/20(日) 13:14:31.48 O
泣き止みこそしたが、フローラにしがみついたままのメアリ。
探索なんて今はどうでもいい、そんな気分だった。
「…フロウのお店で、十分だし」
本が見たければ取水亭に行く、どうせ絵ばかりみているけれど、それでいい。
たまーに辞書にも手を出すが、読めなかったりしてつまらない。
絵本くらいでいいのだ。
そんなメアリにはこの資料ばかりの空間は面白味がない。
フローラに更にしがみつき、無関心のままついて行く。
それでもギルドのお金を考えて持っていかなくてはならない。
「フローラの隣の棚でいいや…」
だから、とんでもないことをしだした。
多少小さめではあるが、棚ごと運ぼうとしているのだ。
この部屋の取得物にかわりはないが、誰が棚まで持っていこうと思うだろうか。
あからさまに本へ興味がないメアリだからこその、選択肢だろう。

【体力70で判定】

196 :メアリ ◆IC7RKFJkf6 :2015/09/20(日) 13:20:14.36 O
片面式の本棚だったため、背負うような体制で運ぶぶんには問題なかった。
中身の価値なんてなんにも知らないし、後でフロウに任せてしまおう。
そう思っていたら、レオリアが吃驚したようにこちらをみていた。
流石にこんな重さのものを、中の本ごと運ぶ者は見かけないだろう。
強欲だと思われただろうか?
だが今はどうでもいい、彼は人間ではないが、好きになったわけでもない。
元来の人懐っこさで挨拶はしたが、それから別段大きな何かがあったわけでもないのだ。
今の恐怖と苛立ちにまみれたメアリには、あまりそういう表情は嬉しくない。
「…あたしは、どうせこんななんだもん…」
その呟きは小さくなかった。

197 :フローラ ◆CFwoAEJ66. :2015/09/21(月) 23:54:14.16 0
メアリも落ち着きを取り戻したところで周囲に目をやる。
船内とはいえさすがに資料室と名打つだけあって、相応に高そうな本棚や書籍が並ぶ。
活字を読むという習慣がなかったフローラにはなかなか見極めの難しそうな場所だ。
欲しいものを探そうといった矢先のこの仕打ちに多少気落ちしながらも、わかる範囲で探索を始める。

「えーと地図、地図はっと...」

実はフローラ、地図だけは読める。更には書ける。流浪の民に身を寄せていた頃、出会った冒険者に教わったのだ。
地図のある本棚は案外早くに見つかり、早速その中の冊子に手をかけようとしたとき。
少し思い音が響き、振り返れば本棚ごと抱えて歩くメアリの姿が見えた。

「...扉、くぐれるのかなぁ?」

ズレた疑問を抱きながら、手にした本に目をやっていった。

【探索判定 使用ステータス:知識(31)】
【補正「製図の知識」:判定値に+10】

198 :フローラ ◆CFwoAEJ66. :2015/09/22(火) 00:41:23.77 0
【探索判定:成功】
地図ならば活字と違って、流し見しても内容が解る。読みなれたものなら尚更だ。
そうして貴重そうな情報を取捨選択していくうちに、一つの地図に目をとめた。

「こんな土地、ありましたっけ?」

海岸線は確かに見たことのある形をしている。ここルミエリアよりももっと北、海に平地を取り囲むような山地が特徴的な場所。
その山地が、記されていない。書いてあるのはだだっ広い平原だけという、なんとも違和感のある地図だった。
絶えず流れ、地形を削り取る川と海。その浸食よりも早くに山地がまるまる3つも生まれたというのだろうか。
正確なところはフローラにも分からないが、とりあえずこの本は手元に残しておくことにした。

199 :フロウ ◆i58havlS0A :2015/09/22(火) 23:16:48.64 0
「はあ〜」
 フロウは徒労感に見舞われていた。元々は自分たちが資料室を開放し、その後観光客に
本を持ち出させ、いち早くルミエリア内に出回るように仕向けるという案だったのだが、
平然と人死にが出るイベントに、犯人役を遠慮なくなすりつけられる相手がいて、欲しい物がある。

 この三つによっていとも簡単に理性を失った人々は今頃どの面を下げているのだろう。しばらく
本屋に一般客は寄り付くまい。溜め息が止まらない。

(見通しが甘かったかな)
 万人に理性的な行動を期待するのは無理があったということだろう。ノートの中身が
人々に進歩がないことを嘲笑っていた。

「まあいいや。さて……」
 フロウは興味のある棚、『魔法』『魔術』といった類の本を手に取り中身を検める。
呪われていたり、何時ぞやの様に魔法文字で書かれた特殊なものがないとも限らない。

>>「こんな土地、ありましたっけ?」
「フローラさんって地図読めるんですね……」

>>「…あたしは、どうせこんななんだもん…」
 フローラの意外な技能に感心しているとそんな呟きが聞こえた。振り向くと棚がもそもそと動いている。
横にしたり傾ければ外に持ち出せるだろうがそんなことはどうでもいい。

(うーん)
 フロウはまた溜め息を吐く。メアリの識字率は確かに改善されているがまだまだだ。
いつまでも自分が絵本を読んであげる訳にはいかない。

「いい機会です。メアリもそろそろ勉強をし始めていい頃かも知れませんね」
 敢えて意地の悪い声音でだいぶ分厚くなった彼女の背中に声をかける。
初歩的なコンプレックスの解消と自立の両立が望めるのであれば悪い話しではない。
銀の盃団だってギルドである以上、団員間で技能や情報の教え合う仕事柄もある。

「教鞭を振るうのは久しぶりです。上手に教えられればいいのですが」

 そう言いながら、本棚から持ち帰るべきお宝を探す。

【知識50で判定】

200 :フロウ ◆i58havlS0A :2015/09/22(火) 23:28:07.75 0
【失敗】

「どれどれ」

 革製のカバーで覆われた年代物の本を開く。あちこち擦り切れた頁には
奇妙な挿絵があった。片方では両方の頁にそれはあった。
 炭ともインクとも付かない黒で塗りつぶされており、中央が白い。そして幾つかの
黒い線と中心の黒点……どこかで見た覚えがある……目と目が合う。


「っっっ!ぐっ、このッ!」
 そう、それが何者かの『目』であることに気がついたフロウは、なんとか本を閉じると
全力に床に投げつけた。その後持っていた木炭で『呪われている!』と書き殴る。唐突な
エンカウントに息が荒くなる。気を取り直して再び本棚を漁る。

【振り直し。技量65】

201 :フロウ ◆i58havlS0A :2015/09/22(火) 23:42:30.75 0
【失敗!】


 落ち着いて状況を判断すれば、本棚から一冊引き抜いたらそこには一冊分の隙間が
空いているはずだ。なのに目の前の本棚にはまたも本が一杯に詰まっていた。
 手にした本は革製のカバーで覆われた年代物の本だった。
頁を開けばあちこち擦り切れており、しかもその頁には奇妙な挿絵があった。



 炭ともインクとも付かない黒で塗りつぶされており、中央が白い。そして幾つかの
黒い線と中心の黒点……どこかで見た覚えがある……目と目が合う。
 

「うぅぅおおおぉぉぉぉぉーーーー!」
 
 フロウは瞬間的にありったけの魔力を両手に込めて本を引き裂いた。
彼にしか聞こえないような悍ましい断末魔が聞こえると、その本は灰となって消えた。

「あ、危ないところだった…ん?」

 足元に落ちているものを拾うと、それは一瞬刃物のような印象を受ける、しかし輝きなんぞ
どこにも見当たらない真黒い栞が落ちていた。素人目に見てもドギツイ呪いのアイテムである。

「これはここに置いていく訳にはいかなくなりましたね」
 
 げっそりした様子でフロウはその呪われた栞を懐にしまったのだった。

202 :エメラルダ ◆JThaci2X0Q :2015/09/25(金) 22:13:00.01 0
観光客の人波に負けじと錬金術関連の資料がある棚から適当に冊子を分捕り、奪われないように抱え込む。
そうしてなんとか人をかきわけ、部屋の隅に移動してから中身を確認した。

「さてさて、どんなことが書かれているのかなぁ」

本の内容に夢中のエメラルダは、いつのまにか資料室内が静かに――観光客の姿が消えていることに気づかない。
しばらく本を読み進めるうち、エメラルダはその内容に違和感を覚えた。

「んん? 溶液Aに蒸留した溶液Bを加えると……ってなんだこれ。せっかく別々に処理したのに、これじゃあ意味がないじゃないか」

エメラルダが手に入れた本は過去の様々な錬金術やそれに関する実験の記録が記された研究日誌だった。
だが内容をくわしくみると、最初の題目は興味をそそられるものなのに、その実験過程や結果におかしな所がいくつも散在していることが見て取れた。
これでは研究日誌としてデタラメである。

「くわぁぁ! はずれを引いてしまったかぁ!」

役に立たないと理解した瞬間、あまりの悔しさに頭をかきむしる。
仕方なくほかの資料を探しに行こうと手に持っていた本を放り捨てようとした瞬間、最後のページが目に留まった。
なぜかそこだけこれまでとは違う言語で記されている。

「これは、アギリ語か? えーっと、なんて書いてあるのかな」

【探索判定 使用ステータス:知識(90)】

203 :エメラルダ ◆JThaci2X0Q :2015/09/25(金) 22:14:31.55 0
【探索判定 成功】

そこにはページ一枚を使ってたった一文だけ記されていた。

〈あべこべ・A-80〉

「? なんのことだ?」

いくら考えても意味がわからず散々悩んだ末にふと頭を上げてみると、いつのまにやら資料室から人波が消え、仲間が合流してそれぞれ探索を開始していた。
ああ、もうそんなに時間がたったのか、とそれぞれの行く先を見るともなしに観察していると、歩く本棚が目に入る。
……否、棚を丸ごと背負ったメアリだ。
それをみたエメラルダは、わけのわからない本など放り出し、新しい資料を自分の気になる棚ごと運び出してもらおうと、嬉々としてメアリに声をかけ――ようとして閃いた。

「たな、管理番号か!」

本の収納場所を明確にするため、ここの本棚にはそれぞれ段毎に記号や番号が振られている。
この文章はその番号だ。
それに気が付いたエメラルダは即座に錬金術関連の棚に走り、書かれていた番号の棚を調べる。
そして、すぐに手にした研究日誌とまったく同一の本を見つけた。
中を確認してみると、最初に見た本と同じく過程や結果がデタラメな研究記録が記されている。
エメラルダは理解した。この二つの本の仕組みを。

(あべこべ、つまりそれぞれの内容、おかしいところを入れ替えれば正しい記録になるということか!)

期待して裏切られたと思っていただけに、これは嬉しい。
エメラルダはうきうきと二つの冊子を手に仲間のもとに戻るのだった。

「あ、メアリ! ここからここまでの棚、全部持っていけないかな!?」

――目的のものを手に入れてなお次を求める。エメラルダの欲はどこまでも際限なく深かった。

204 :レオリア ◆.H09BnLjnM :2015/09/30(水) 01:30:21.03 O
>「…あたしは、どうせこんななんだもん…」
レオリアの頭の中は?一色である。恐らく表情もそうだろう
何をどう物色しようかと思案の真っ最中に、まるで身に覚えの無い恨み言を吐かれたらこうもなろう
見ているようで見ていない、或いはその逆もアイオリアにはよくある事である

こんなとは恐らく状態の事だろうと初めて周りに気を配る
本の山なんて生易しい物でなく棚ごと担いでいるのにもここでようやく気付く有り様だ
相も変わらず半分で良いからその膂力を分けて貰いたいと思わせる力持ちっぷりだ
しかし「どうせ」の意図は計りかねる。まさかとは思うが棚を二段三段に重ねて持てないのが情けない事だと思っているのだろうか?
人の欲は際限ない事だ。それが人を人たらしめているのかもしれない。貪欲は美徳という事か
メアリも自分も純粋な人間ではない(自分なんて人型というだけ)のだがそれは置いておこう


「………ふむ」
お手上げ。といった感じで適当な本棚にもたれ掛かり見もせずに手近にあった本を引き抜いた
【判定 使用ステータス:幸運(14)】

205 :レオリア ◆.H09BnLjnM :2015/09/30(水) 02:08:09.29 O
【判定 成功】

人ってよく解らないなー。と思いながら手に取った本をパラパラとめくる
中身も装丁も全く真面目には見ていない。流し見である。だがそれでも十二分に判るのたが……
「……全部白紙じゃないか」
何のジョークだろう?と薄く笑いながらテキトーに棚へ投げて戻した
その一瞬前、手から放れる前に見えた背表紙に文字が書いてあった
レオリアはとっさにダイナミックに飛び跳ねながら手を伸ばして宙にあった本を掴む
そして改めて装丁をじっくりと検分すると―――
黒い重厚な外装の上で金糸のような物が踊る。よくよく意識してみるとレオリアの魔力は微弱ながら本に吸収されていた
そしてその金糸は文字になる。北のエルフの言葉で『叡智の辞典』と
レオリアは面食らう。少なくとも今のギルドに所属してから母語を見た事はなかった。それくらい少数派な言語である

今回も速読気味にサッサと読み解く。と言っても勝手知ったる言葉なのでさしたる苦労は無いが
要するに使用者が知りたい万物の情報を使用者が一番処理しやすい言語の文字に起こす魔法の辞書であった
但し書きにはこの本の起動には多量の魔力ないし生体エネルギーが必要とあるが、それは見なかった事にしよう。どのみち自分には不便が無い

レオリアはこの珍妙な辞書をジャグリングしながらご満悦だ
やっとマトモな戦利品が手に入った。上納品を求められてもこれで面目が立つというものだ
しかして普通はそう易々何度も使える物ではないという事はすっかり忘れている辺りレオリアはまだ幼いのである
「魔法も捨てた物じゃないかも!」
踊らんばかりの軽快なステップで時にアクロバットをかましながら喜ぶ

206 :フロウ(GM) ◆i58havlS0A :2015/10/02(金) 23:31:42.24 0
 資料室での探索は概ね成功した。ある者は地図を手に、ある者は本を持ち、ある者は本棚を背負って。
部屋を出れば周囲に人の気配が戻ってくる。音も匂いも、そこまで時間をかけた訳でもないが、
随分長い間部屋の中にいたような奇妙な感覚を覚えるかも知れない。

 分厚く厳重に切り取られた部屋の、怪しい静けさから距離を置く冒険者たちの足取りは
今の気分を表しているようで、軽いものもあれば、重たいものもあった。

>>「あ、メアリ! ここからここまでの棚、全部持っていけないかな!?」
「耳を貸してはいけませんよメアリ!エメラルダさんも無茶言わないで、そういうのは弟さんの仕事でしょう」

 ジト目に軽く冷や汗を流しつつ、フロウは軽く咳払いをする。そんなことをしてはいけない
訳ではないが、何が理由でギルドに恨み話が持ち込まれるか分からない。

「それはそうと、はいどうぞ」
 
 そうして仮面ケミカリストに見取り図と木炭を渡す。

「次はどこにいきます?」

 フロウは内心で心配しながら聞いた。同じ場所を集中的に探しても、それはそれで
全く問題はなかったからだ。これでもう一度資料室!言われたら、こんどはみんなして本当に
本棚を運ばされそうな気がしてならなかった。

207 :エメラルダ ◆JThaci2X0Q :2015/10/05(月) 21:34:06.48 0
本棚まるごとゲット作戦が不発に終わり、ブーブーいいながらも素直に図と木炭を受け取るエメラルダ。
これ以上は駄々をこねても時間を無駄にするだけだ。それよりもさっさと次の探索に向かったほうが有意義だろう。
利己的だからこそ効率を重視するし、切り替えも早いエメラルダであった。

「うーん。どうしようかなぁ」

できるだけ多種多様な品が見たいため、今までに行ったところは除外するとして、残りは『Pルーム』『船員室』『客室』『食堂』『船倉』『医務室』 の六箇所。
気になるのは……。

「よし、食堂にしよう!」

まったく関係ないように見えて、実は料理と錬金術というのは何かと関連していることも多い。
錬金術は台所から発生した、という学者もいるくらいだ。
さらには今居る資料室の直ぐ隣なので移動も早く済む。
見取り図と木炭をフロウに返却すると、善は急げとせわしなく動き出した。


◆ ◆ ◆ ◆ ◆


移動した先、食堂の入り口で探索者達が目にしたのは、食事の一場面を切り取ったかのような奇妙なジオラマだった。
小洒落た装飾の施された食堂の扉の前に、クロスのかけられたテーブルが置かれ、席には人形が腰掛けている。
机上には食器やキャンドルが設置され、彩り豊かなフルコースが並べられていた。
湯気もでていないし香りもないので、料理は全て食品サンプルのようだ。地味に精巧である。
さらに、目立つようにだろうか、中央のケーキスタンドの上に今回の問題を示すカードが置かれていた。

〈お食事の前にマナーテスト! 正しく美味しく召し上がれ☆〉

エメラルダはカードを手に取り、それ以外の問題文がないことを確認すると、もう一度食卓の様子を窺う。
よくよく観察してみれば、人形たちはそれぞれ別々な食事の場面を表しているのがわかる。
ある者の前には前菜が置かれ、ナイフとフォークを掲げている。またある者の前にはスープが置かれ、それを掬うような体勢をとっていた。

「ふむ。間違いを探してそれを正せ、ということかな?」

人形の身なりやポーズからして、それほど厳しいものではなさそうだ。
中流〜上流階級の一般的な食事マナーとみていいだろう。
問題を解くため、エメラルダはさらに詳しく観察を始めた。

【罠解除判定 使用ステータス:知識(90)】

208 :エメラルダ ◆JThaci2X0Q :2015/10/05(月) 21:36:08.52 0
【罠解除判定 成功】

ナイフとフォークを逆に持ち替えさせたり、スプーンの種類をかえたり、食器の位置を正したりなど、エメラルダはよどみなくテキパキとマナーに沿うようにテーブルを整えていった。
そうして一通り終えると少し下がって全体を見直し、見落としや間違えが無いか確認する。

「これでいいはずだが……どうかな?」

エメラルダが終了を宣言した直後、それまで大人しく座っていた人形が一斉に席を立った。

「!?」

そのあまりの勢いに一瞬身構えたエメラルダだったが、それも杞憂に終わる。
人形たちはエメラルダに向かって拍手をすると、ぺこりと一礼し、すぐさまカタカタと音をたてながらそれぞれ机や椅子を持って扉の前から移動し、通路の奥へと消えていった。
まさか人形が動くとは思っていなかったエメラルダは呆然とそれを見送り、静寂が辺りを包む。
静かな空間に扉のロックが解除された音が響いた。

「……あれ、どういう仕組みなんだろう」

人形たちの去っていった方向を見つめながら、ポツリとつぶやく。
人形に幽霊が乗り移って動かしているのか、それともゴーレムかあるいは特殊なカラクリか。
ひどく興味を引かれたが、今は食堂の探索のほうが重要だ。
エメラルダは人形の後を追いたいのをぐっとこらえて食堂の中へ足を進めた。

209 :メアリ ◆IC7RKFJkf6 :2015/10/06(火) 22:18:47.12 O
身長のせいもあり、本棚一つ運ぶのは少々手間取った。
もっと背が高かったらなあ、とため息をつくも、エメラルダから声をかけられる。
>「あ、メアリ! ここからここまでの棚、全部持っていけないかな!?」

「え?が、がんばれば…!」

>「耳を貸してはいけませんよメアリ!エメラルダさんも無茶言わないで、そういうのは弟さんの仕事でしょう」

「だ、めなの?そっか…」

役に立てるかと思った所に、お母さんのようなフロウの言葉。
残念だがああいうフロウの言葉に反論はしようがない。語意の問題と言うより、考えれば正しいことしかいっていないからだ。
どっちみち口で勝てるような頭もない。
ちょっとしょぼくれていると、フロウがエメラルダに次の場所を聞いていた。なんと、食堂だそうだ。
「ご飯!?」
うろうろと物を運んでいたり、資料室トラップのダメージだったりで、お腹はペコペコだ。
何か食べれるなら嬉しい。と、わくわくしながら皆について行くメアリだった。

「なんだかすごいなあ…」
エメラルダによるトラップ解除、なのかも見ていてわからないような手さばきに、今度は感嘆の息をつく。
マナーがどうとかいわれても、メアリにはさっぱりだ。美味しければそれでいいではないか。
しかし、これで食堂に入れるようになった。何か食べ物はないだろうか?

【探索:幸運20】

210 :メアリ ◆IC7RKFJkf6 :2015/10/06(火) 22:47:00.93 O
鼻をひくつかせていたメアリの目に写ったのは、整えられたテーブルとその上の銀色だった。
銀皿の上にクロッシュという(らしい)銀のドーム型の帽子のようなものが被さっている。
中身はなんだろう?と蓋を開けてみると、中には暖かいパスタ料理が飾り付けられていた。
「食べていいのかな?いいよね!」
無邪気に、おいてあったフォークでパクパク食べてしまう。
「美味しい!」
ギルドで食べるものも美味しいが、これはまた違った…高級感のようなものを感じる。
お行儀は悪かったがフォークだけで綺麗に食べ尽くしたメアリは、ある程度満足をしてフォークをもとに戻す。
それから、空の皿の上にクロッシュを被せた。
単に知識不足ではあるが、誰にも回収されないクロッシュを乗せてみただけだ。
もちろん本来こんなマナーは無い。何となく落ち着かないので、やっぱり置き直そうとクロッシュを開けると…こんどは鶏のローストが乗っていた。
「え!た、食べた…のとも違うよ!?」
困惑しながらもフォークとナイフでつついて食べてみる。美味しい肉だ、霞なんかではない。
そんな面白さと美味しさを兼ね備えたアイテムに、周りの目すら気にならずに、夢中で食べつづけるのだった。

211 :フロウ(GM) ◆i58havlS0A :2015/10/09(金) 23:25:40.90 0
 冒険者たちが扉をくぐれば、聴こえてくるのは忙しない声と音。
鼻をくすぐるのは様々な料理の香り、そして目に飛び込んでくるのは、
大量の観光客と、彼らに料理をせっせと運ぶゴーストと、先程エメラルダが
解いた仕掛けの人形たちだった。

 殺風景な地金などどこにも見えない豪華な一室。数多の大テーブルに真っ赤な絨毯。
室内の壁周りは厨房となっており、中では無念の内に亡くなったはずのコック達が、
今が最期とばかりに腕を振るっている。祭りが終われば成仏しているに違いない。

 中層のみ、それも冒険者たちが解放した場所に限り、という話しはどこにいったのか
そして何処から入ったのか。結局の所、誰もが面白そうなことを我慢できないのだ。

 運ばれた料理はどこかで見た高級な物もあれば、見慣れた軽食、見慣れない異国の料理、
ここにもちゃんとお宝がある。食器、お酒、原材料、そしてそれらに関連したマジックアイテム。
食べることには世界中の人間がお金をかける。ありとあらゆる形で。

 冒険者たちはここでおなかいっぱいごはんをたべてもいいし、たべながら宝探しをしてもいい。

212 :フローラ ◆CFwoAEJ66. :2015/10/11(日) 01:06:57.06 0
(欲しいもの...欲しいもの......)

資料室では諦めた『自分の取り分』。此処ならさっきよりは見つけやすそうだと周囲を見回す。
今回の探索は食堂。食とサバイバルは密接な関係を持つだけに、フローラにも物の貴賤は分かりやすい方だ...と思う。
しかしここは食堂。探索活動も大分長くなった今、彼女が一番欲していたのは。

(たべもの、欲しいかな......)

ちらりと横を見ると、次々と沸き出す食事を嬉々として頬張るメアリが映る。
そのあまりの威勢の良さに、フローラも釣られて余計にお腹が減ってきた気がした。

「ちょっとだけ...ご一緒してもいいですか?」

メアリのとなりの席に手をかけ、顔を除き混むようにして訪ねる。
腹が減っては戦もできぬ、迷うのは程々に食べてから。そう決めたあとのフローラの行動は早かった。

【食事後に探索判定 使用ステータス:知識(31)】

213 :フローラ ◆CFwoAEJ66. :2015/10/11(日) 01:36:07.37 0
【探索判定:成功】
【達成値30以下、ジョブスキル『揺蕩う風の声を』発動】

時間にして十数分後、卵とハムのサンドイッチを片手に厨房を歩くフローラの姿があった。
ふわふわなスクランブルエッグの食感とアクセントの塩胡椒、そして油の乗った厚切りのハムの風味に舌鼓を打ちながら周囲を見回す。
手の込んだ携帯食と言うものも、中々乙なものだ。食の持つ多彩な娯楽性に、フローラはここ数ヶ月で惹かれつつあった。
今まではただ生きるためだった食事だが、今度いろんな料理に手を出してみようかな。心持ち新たに探索を続ける。

「〜♪」

そのための調理器具を、折角だから貰ってしまおう。指針ができれば探し物は楽になる。
...とはいえ根っこは野生のフローラには、調理器具の良し悪しまでは微妙に図りかねる。
壁に掛けられた幾つもの調理器具たち。それらの前で腕組みをして考えあぐねていると。

ふと、調理器具に反射した証明とは別の明かりがふらふらと揺れていることに気づく。
存在に気づけばそれが何かはすぐにわかった。自らが使役する妖精たちである。
基本的に人工物を嫌うはずの妖精。今回も船という構造物の中なので姿を見せることは無いと思っていた。
しかし今、こうして出てきている。フローラと同じく調理器具をみて、迷うように揺れている。

そうだ、この子達と一緒に選ぼう。彼女たちが気に入るものなら、きっと私にぴったりだ。
まるで妖精たちと談笑するように。光が向かう先にフローラが手を伸ばす。
そうして少し経った後には、幾つかの調理器具を抱えたフローラが満面の笑みを浮かべていた。

214 :フロウ ◆i58havlS0A :2015/10/12(月) 23:59:35.23 0
(よくその知識を覚えていたなあ)

 エメラルダが難無く謎を解いたことにフロウは素直に感心した。どちらかというと
食事にまったく無頓着に見えたからだ。これがエアハルトだったら特に気に
ならなかっただろう。それくらい彼女からは食事の光景が想像できなかったのだ。

 そして食堂へと足を踏み入れると、溢れ出してきたのは日常の波。喧騒に紛れて流れて来る
音楽はおそらくプレイルームからだろう。華やいだ空気が船内を満たし始める。

「何を食べようかな」
 仲間たちのランチを横目に、フロウも食事にありつこうとする。まだ空いている
テーブルに座りメニューを開く。その中で一際目を引くものがある。チャレンジメニューの文字

『制限時間内に全ての酒を飲みきったら豪華特典プレゼント!』

「ほう……」

【知識50で判定】ジョブスキル「古典派魔法使い」使用=55で判定

215 :フロウ ◆i58havlS0A :2015/10/13(火) 00:24:04.84 0
【成功!】

「こういう形で殺りに来るとは良いセンスです、が」
 フロウのテーブルには今や所狭しと置かれたワイングラス、その全てに注がれていく
赤い液体。これから数種類のお酒を大量に、それも短時間で飲むのだ。まず間違いなく死ぬ。
余程のうわばみでも危ないだろう。【死ぬほど酒が飲める】
この現実に抗える酒飲みはそうはいない。放っておけば喜んで死人が出る。

「みんなにはかわいそうだけど冥土の土産は没収です」

 ワインを全部空けると次はエール、ジョッキを両手で持ってゴクゴク飲む。
その次にラム酒、その次に米酒、その次にまた別の果実酒、蒸留酒の数々……
時折紹介を受けたり簡単な解説を挟む余裕を見せながら


「うん、ごちそうさまでした!とても美味しかったです!」
 けろりとしながら、どこに流し込んだのか、フロウは全ての酒を飲み干した。
給仕係の人形から特典の入ったカバンを受け取り、周りにいつの間にかできたいた
ギャラリーに手を振る。

「フフ、役得役得!」
 上機嫌でカバンの中を見ると、数種類の何かの苗木と種らしきものが入っていた。

【お茶の苗木とスパイスの種を手に入れた】

216 :エメラルダ ◆JThaci2X0Q :2015/10/13(火) 21:13:36.19 0
食堂に入ったエメラルダの目に飛び込んできたのは、賑わう観光客でも食欲をそそる料理でもなく、客席の間を泳ぐように動き回る人形たちだった。
一度はあきらめた対象が再び手の届く範囲にあるという幸運に、反射的に飛びつく。

「やぁやぁまた会ったね! 君たちはポルターガイストなのか、それともゴーレムのようなものなのかな? 
 ちょっとだけ、ちょっとだけでいいから調べさせてくれないかい!?」

しがみつくように迫られ、そのあまりの勢いにドン引きする人形たち。
喋ることはできないのか、ぶんぶんと手をふり首をふり、全力で拒否を示すもエメラルダは引き下がらない。
周りの客の迷惑も顧みず、逃げまわる人形にしつこく追いすがる。

「頼むよ! ちょっと身体を開かせ、げふんげふん! 調べさせてくれるだけでいいからぁ!」

不穏なことを口走りながらせまる仮面ローブ(金鎖付き)の変態。
表情を変えないはずの人形の顔が恐怖に引きつってみえるのは何故だろうか。
埃をたてるな! と給仕のゴーストに怒られながら、人形と変態の終わりの見えない追いかけっこが始まった。

【探索判定 使用ステータス:体力(30)】

217 :エメラルダ ◆JThaci2X0Q :2015/10/13(火) 21:54:49.62 0
【探索判定 成功】

げに恐ろしきは人の欲望。
意地と執念で追いかけ続けていたエメラルダはついに人形を捕まえることに成功した。

「はぁ、はぁ。さぁ、君の、仕組みを、教えておくれぇ」

さすがに走りすぎて辛いのか、大きく肩で息をしながらもつかんだ腕は放さない。
息継ぎの合間に人形に語りかけるその姿は、傍から見て完全にアウトである。
人形が助けを求めて周囲を見回すも、わき目も振らず追いかけっこを続ける内にどうやら裏方に入り込んでしまったらしく、周りには誰も居なかった。
そうこうしている間にエメラルダも息を整え終わったらしい。
人形をつかんでいない方の手にはいつのまにか怪しい小瓶が握られている。

「大丈夫、君を壊すような勿体無い事はしないさ。ちょーっと色々試させてもらうだけだからね」

語尾にハートマークでも付きそうな声色で迫る錬金術師(マッドサイエンティスト)
バイブレーション機能を搭載したかのように高速で震える人形。
人形の目の前にせまる仮面の三日月が深くなったような気がした。


◆ ◆ ◆ ◆ ◆


「――ふむ、素材としては球体人形をベースに改造された珍しい人形だけど、ゴーレムじゃなく幽霊が物を動かすポルターガイストの類だったみたいだね。残念」

動かなくなった人形を前にそう独りごちるエメラルダ。
実験を始めて早々に耐えられなくなったのか中身の幽霊が抜けて(逃げて)しまったため、後には物言わぬ本物の等身大人形だけが残った状態だ。

「まぁいいか。これも中々良い素材使っているのようだし、作りも凝ってる。中身をいじれば面白いゴーレムにできるかもしれないね」

人形を持ち上げて近くにあった台車の上に乗せると、エメラルダは鼻歌交じりにそれを押して歩き出した。

――エメラルダが人形(幽霊入り)に対し、実験と称して何をしたかは神のみぞ知る、である。

【エメラルダは魔改造球体人形を手に入れた】

218 :レオリア ◆.H09BnLjnM :2015/10/17(土) 19:22:24.94 O
食堂!と聞いてからのパーティーの動きは早かった。みんな腹ぺこ?
トラップ解除したら即時解散だ
レオリアはあまり食材を漁る趣味はないので食事を取ることにした
「牛のステーキを大盛のミディアムレアで」
普通に食べる気だ。しかし先刻手に入れた二つのアイテムで古代魔法の解析を試みる。何せ手持ち無沙汰なのだ
メモと辞典を交互に見てより精密な訳を確認する
「すいません切り分けて頂けますか?」
挙げ句にながら食いする気も満々で更に頼む。食べにくいまたは切り分けにくい物を店側にカットしてもらうのは別段マナー違反ではないのだが動機は不純だ
まずは一口。これが意外と旨い。しっとりとした歯ごたえとニンニクの風味が食欲を刺激して「良いもん食べてるな」という気分にさせてくれる
食べながら資料をどんどん読み解いていく―――

【判定使用ステータス:知識(70)】

219 :レオリア ◆.H09BnLjnM :2015/10/17(土) 19:30:48.58 O
【判定失敗】

「ふぅ」
口を拭いながらもレオリアの表情は浮かない
何故なら結論から言うと短い食事時間で魔法をマスターしようという無謀な挑戦は失敗に終わったからだ
学がない訳ではないが如何せん習得への要求スペックが高すぎる
後ろ髪を引かれる気もするがダラダラしても仕方がないと席を離れようとしてふと気付く

思いっ切り臭いの強いニンニクを食べてしまったことに
みんなに不快な思いはさせられないと追加注文
「デザートを適当に」
口直し兼口臭の誤魔化し兼習得への時間稼ぎ
一度挑戦してしまえば意地がでるのが人情というものだ

【判定使用ステータス:技能(55)】

220 :レオリア ◆.H09BnLjnM :2015/10/17(土) 19:35:05.82 O
【判定失敗】

やっぱりハードル高いなぁ……
と苦笑しながら席を立つ。代金はテーブルの上に過不足なく置いておいた。まさか幽霊に施しは要るまいとチップは無い
それでも料理は旨かったので満足である

シャキッと気分を作り直して皆の元へ向かう。服は相も変わらず女装なので締まらないのは言わぬが華であろう

221 :名無しになりきれ:2015/10/17(土) 19:52:16.44 0
            人
         ノ⌒ 丿
      _/   ::(  ∞〜 プーン
     /     :::::::\
     (     :::::::;;;;;;;)
     \_―― ̄ ̄::\
     ノ ̄       :::::::::)
    (   ::::::::::::::;;;;;;;;;;;;ノ
      /  -=・‐.‐=・=-i、     
     彡,  ミ(_,人_)彡ミ  
 ∩,  / ヽ、,  `ー'  ノ        
 丶ニ|    '"''''''''"´ ノ
    ∪⌒∪" ̄ ̄∪

222 :フロウ(GM) ◆i58havlS0A :2015/10/18(日) 23:46:52.48 0
 さて、冒険者たちはそれぞれの昼時を迎えて食堂を後にする。
空腹を満たした者、好奇心を満たした者、別の何かに挑戦している者、聞こえてくる
喧騒のようにその表情は様々だった。なお、出発に際して人形から口臭消しにミントの葉が
渡された。

「モグモグモグモグ、しゃて、次はいよいよレオリアさんですね」

 お酒の飲みすぎておくちが臭くなることを嫌ったフロウが早々にミントを頬張りつつ尋ねる。
なんのかんのでここまでは好調だった。ダンジョンアタックは冒険者の本分であり、
モンスター役をする海賊には分が悪かった。

 とはいえ、主催者側もそれも承知の上でこの方向でお祭りを始めたのだ。不満もない。
というより、後半になればなるほど学習して難しくなっていくであろうことを考えると
彼らは運が良かったのだろう。

「次の探索が終われば夕方になる頃でしょう。夜になる前に終わらせてしまいたいですね」
 
 そういって見取り図と木炭をレオリアに渡す。既に丸が4つ。最後の丸がどこにつくのか、
そこにはいったい何があるのか。まだ見ぬお宝が、彼らを待っている。

223 :レオリア ◆.H09BnLjnM :2015/10/21(水) 00:45:27.19 O
「お腹一杯で満足満足です!」
内心のもやもやを気取らないように何時も以上に努めてニコニコしながらレオリアは最後の目的地を指さす
>「次の探索が終われば夕方になる頃でしょう。夜になる前に終わらせてしまいたいですね」

「じゃあ船倉!最後を飾るに相応しい大物が有ると思いませんか?」
何がじゃあなのか位置関係など知った事かと言わんばかりに最後にドカンと大物を狙いに行く事にした

今までとは逆に先頭を歩く相も変わらずフリフリドレスのレオリアはふと呟く
「この服いつまで着てれば良いんでしょう?着替えるタイミング逃しちゃったかな……?」
などと言っている間に船倉に到着した。正確には入り口にだが
勿論入り口には仕掛けが施してある
「知恵の輪型の鍵ですか……」

【判定:使用ステータス知識:70】

224 :レオリア ◆.H09BnLjnM :2015/10/21(水) 00:59:45.03 O
【判定:成功】

いつもの薄ら笑みを絶やさず数度錠前を物色してから解除に掛かる
少しの間ガチャガチャと仕掛けが動く音だけがしてキッチリ50行程後、レオリアの足元に錠前が鈍い音を立てて落ちた。解除成功である
「おーしまい」
とおどけて錠前を端に蹴り転がして、船倉への扉を開け放ちパーティーの方へ向き直る
「さぁ大物をチャチャっと手に入れて良い思い出にしましょう!」

レオリアの後ろにはうずたかく積まれた大小さまざまな物資の山が鎮座している
奥行きもかなりある広い空間なのでもしかしたら本当にドデカいお宝も有るかもしれない

225 :メアリ ◆IC7RKFJkf6 :2015/10/21(水) 21:47:07.74 O
「お腹一杯!」
食べたいだけ食べて、その器まで手にいれたメアリは大満足だった。
自分の取り分ならこれがいい。
仕組みなんてわからないけれど、食費で悩まなくてすむ。
ただし、美味しくない謎の食べ物も出てきたので油断はできない。

>「次の探索が終われば夕方になる頃でしょう。夜になる前に終わらせてしまいたいですね」

>「じゃあ船倉!最後を飾るに相応しい大物が有ると思いませんか?」

「いいねいいね!どーんとすっごいの探そう!」
移り気早い子供、船に乗り込んだときと同じくらい高いテンションで跳び跳ねる。
>「この服いつまで着てれば良いんでしょう?着替えるタイミング逃しちゃったかな……?」
「可愛いからそのまんまで!」
だからレオリアには不憫だが、綺麗な衣装を脱がす気もなかった。

移動した先に騒がしさはない、前みたいに人波に襲われる心配はなさそうだ。
しかし、扉を遮るものは鍵。
更には知恵を必要とする作りらしい。
まあ簡単に言えば…
メアリにはてんでわからない分野だったので、周りをチョロチョロしていた。
フロウにちょいちょいフローラにもちょいちょい、エメラルダにはつんつんして、最後にレオリアの近くでちょろちょろ。
相当気が散っただろう、とは気付いていない…。

226 :フローラ ◆CFwoAEJ66. :2015/10/23(金) 04:45:40.77 0
空腹がある程度満たされれば、その次は眠気がやってくるのはお馴染みの感覚だろう。
食べ過ぎた後に歩くと横腹が痛むのもお馴染みだろうが、フローラはそこまで食べたわけではなかった。
調理器具をはじめとした収穫物をいったん置いて、戻ってくる道中で小さく欠伸をこぼす。
しかしまだ探索の途中、気は抜けない。直後に首をぶんぶんと振って眠気を気合で追いやって。
そんな風に一人でてんやわんやになっていると、気がつけばレオリアが開錠に取り掛かっているところだった。

ふと、手持ち無沙汰に歩き回っていたメアリがてこてこと寄ってきた。
今レオリアが手をつけている鍵について問われたが、フローラとてそんなものに詳しいわけでもない。
分からないもの同士で真面目に疑問符を浮かべたりしていると、メアリはまたてこてこと離れていった。

さて、そんなことをしている間にもどうやら鍵は開いたようだ。
倉庫らしく重厚な扉が、ゆっくりと軋む音とともに開かれていく。
そろそろ次のギルドの探索隊も準備をしている頃だろうか。ともすれば自分たちの捜査は終盤であろう。
今、扉が開ききった。最後くらいバシッと大物を見つけたいと意気込むフローラだった。

227 :フロウ ◆i58havlS0A :2015/10/25(日) 22:23:25.90 0
>>「じゃあ船倉!最後を飾るに相応しい大物が有ると思いませんか?」

レオリアの決定により一同は食後の満足感もそこそこに(一名除く)目的地へと急ぐ。
もとい歩いていく。距離は近く機関室の隣だ。一度は来た道を戻り、今度は探索場所とは異なる
通路を通る。

>>「この服いつまで着てれば良いんでしょう?着替えるタイミング逃しちゃったかな……?」
「ここが終わったら一度着替えに戻ったほうがいいでしょうね」

最後に船長ことゴメスと戦うとなれば服を傷めるだろう。それは良くない。
メアリはがっかりするだろうがこればっかりは仕方ない。

>>「知恵の輪型の鍵ですか……」

船倉の扉の鍵をレオリアが手際良く外していく。目が痛いくらいごちゃごちゃして見えるが
彼は1つ1つ丁寧に外していく。恐らく見えている物が違うのだろう。

「外れる時は外れるけど、一度引っかかるとトコトン外れないんですよねー」
 苦笑している間にも開錠は終わり、船倉の扉が開かれた。中は天井も高く、とてつもなく広い。
荷箱がそこかしこに積み上げられた。

 探す、というよりも何を持って帰るかが問われる場面と言えるだろう。フロウは少しだけ
気を引き締めた。

228 :エメラルダ ◆JThaci2X0Q :2015/10/27(火) 00:27:36.06 0
研究中は空腹中枢が麻痺しているため、一日食事を取らないこともザラにあるエメラルダだが、奇人とて人間。
運動(全力で鬼ごっこ)すればお腹も減るし喉も渇く。

>>「お腹一杯で満足満足です!」
>>「お腹一杯!」

満足そうに喉を鳴らす仲間たちの姿に、エメラルダは食事をとらなかったことを若干後悔した。
とりあえず空腹を紛らわすため、口直しに配られた葉を咀嚼する。

>>「次の探索が終われば夕方になる頃でしょう。夜になる前に終わらせてしまいたいですね」

「夜はアチラの領域だからねぇ。こっちが有利な内に終わらせて引き上げたいところだけど……」

ここまで特に罠につまずくようなこともなく、順調すぎるほどに順調だったのだ。
幽霊側がこのまま大人しく黙っていてくれるというのも考えにくい。
最後に何か仕掛けてきてもおかしくないだろう。
ミントの爽やかな香味を噛み締めながら、警戒だけはしっかりしておこうと心に刻む。
いざとなったら足手まとい(エメラルダ)は即時撤退(真っ先に逃げる)適材適所(仲間にお任せ)である。
そのためにも、仲間の実力はよく把握しておく必要がある。
エメラルダはそう考えながら、次の探索場所である船倉の前でレオリアが錠前に挑むのを観察した。
見たところシンプルな知恵の輪が大量に組み合わさって鍵になっているようだ。やっかいなものである。
知恵の輪一つ一つは単純でもあの量、それこそ組み合わせは無限大。そうとう複雑だろう。
だがレオリアの手際は素早く、そして的確だった。
観察する時間もそこそこに、迷うことなく次々と鍵を解いてあっという間に解除してしまう。
エメラルダが、手持ち無沙汰に近づいてきたメアリの耳を不意打ちで触ろうとして逃げられて、拗ねている内にもう終わっていた。

>>「おーしまい」

「おぉ、おみごと!」

パチパチと拍手を送りながら、頭の中のレオリオの評価欄に「頭脳、手先共に丸」とメモをする。
戦闘の実力はまだわからないが、的確な判断力は大いに役に立つことだろう。
そう結論づけると、エメラルダは身勝手な評価を終えて頭を探索へと切り替える。
最後のお宝はどんなものが手に入るだろうか。
これで終わりであることに若干の寂しさを感じながら、仲間たちのあとを追いエメラルダも船倉内へと向かった。

229 :フロウ(GM) ◆i58havlS0A :2015/10/27(火) 23:14:52.81 0
 現在地:船倉 

 うず高く積まれた積荷の数々は木箱、鉄箱、鉄の檻と実に様々だ。中に何が
あるかまでは書いてはいない。知りたければ開けるしかない。特筆すべき事柄が
あるとすれば、室内の構造だろう。

 周囲の明かりや壁はこれまで見てきたものだが、他にはなかった要素がある。
安定だ。床はゴムのような材質で出来ていて、柔らかい割に滑りにくい。
ここからでは見えないが壁の向こうは鋼鉄のバネで部屋全体を覆ってある。
船が転覆でもしない限り積荷は無事だろう。

 そして鉄の檻。等間隔で並ぶ牢の中には見たことのないような、変わった柄、
身体的特徴、そもそもルミエリアでは見られないような動物が目を光らせている。

 変わった動物、刀剣類の収められたかご、食べ物、鉱石、分類しかねるアイテムなどなど……
総当りするだけでも時間が過ぎてしまうだろう。薄暗く静かな室内は、まさに
宝物庫と言える程の不気味さと豪華さを併せ持っていた。

「あ、動物の檻を開ける際はくれぐれも注意のことって書いてありますね」
 
 例によってあった注意書きをフロウが読み上げる。
 探索者たちは、果たして何をお宝とするのだろうか

230 :メアリ ◆IC7RKFJkf6 :2015/10/28(水) 14:37:57.63 O
レオリアが開いた扉の先からは、色々な臭いがした。
生き物から石片まで、沢山の種類がある。
飛び込んで鉄の檻の前に立ってみて、中の様子をうかがう。
そっと手を伸ばしてみようとしたが…

>「あ、動物の檻を開ける際はくれぐれも注意のことって書いてありますね」
「えっ」

慌てて引っ込めた。
なんせ狼のような動物だったのだ、猫嫌いかもしれない。
これではお宝としてはつれてゆけないだろう。
ならば何がギルドの為になるのか、無い頭で考えても中々にわからず唸り声をあげる。
こうなったら力勝負。
一番重そうな箱を開けてみるまでだ。
外見は鉄で出来た大きな箱がそれに当てはまった。
ひょい、と両手で掴んで動かす。どうやって開ける箱なのだろうか。

【判定:体力70】

231 :メアリ ◆IC7RKFJkf6 :2015/10/28(水) 14:44:52.20 O
【成功】
鍵がかかっているようだが、腕力で無理矢理こじ開けてみることにした。
錆びていたのか留め金が壊れ、無事(?)に箱を開けることに成功。
わくわくとなかを覗き込むと、中身は色々なカラーの金属類が入っていた。
銀や金は分かる。だが半ば透き通ったようなクリスタルのようなものや、いっさい光らない黒い物はなんだろうか?
赤や青いものまである、価値があるのかさっぱりわからない。
「もって帰ればわかるかな?」
鉱石や金属の図鑑を見れば多少はわかるだろう。
またもやフロウのお店に用事が出来たメアリであった。

232 :フローラ ◆CFwoAEJ66. :2015/11/03(火) 01:55:47.00 0
「あはは......ひろいですねぇ」

扉の向こうの光景に、率直に言うとフローラは辟易してしまっていた。
何がどう価値あるものなのか知識の乏しい彼女にとって、あまりにも多い選択肢は探しづらさに直結するのだ。
船倉には物だけでなく、長く放浪を続けたフローラでさえ見たことのないような生物が鎮座している。
彼女が生物学者なら、これらのことも分かったのだろうか。しかしフローラは生憎とサバイバーでしかなかった。

「どうしましょうかぁ...」

なにやら大きな箱を抱えたメアリを横目に、とりあえず奥へ奥へと進んでみる。
瓶詰めの模造船、細かく模様の描かれた大皿。何かの銅像や水晶玉まで、まさしく博物館のような品揃えだ。
悩んでいても仕方がない。陳列されている物品の中から、適当に一つを手にしてみることにした。

【探索判定 使用ステータス:幸運(54)】

233 :フローラ ◆CFwoAEJ66. :2015/11/04(水) 02:40:41.93 0
【探索判定:ファンブル!!】
棚の少し上の方も気になって、背伸びをして覗き込もうとするフローラ。
だが彼女は忘れていた。ここが船のなかであると言うことを。
海上に浮かぶ船のなかは、当然波に揺られると言うことを。

一際大きく地面が揺れたまさにその時、フローラは根限りの爪先立ちの状態だった。
そこに揺れが来ようものなら、際どいところで成立していたバランスが崩れるのも無理は無いだろう。

「うえぇっ!?」

素っ頓狂な声をあげてなんとかバランスを保とうと近場の棚にすがり付く。それがいけなかった。
指先が置かれていたガラス瓶に触れ、そこからドミノ倒しのようにものが倒れていく。
その中からいくつかのものが棚の上を転がり、手前の方へと今まさに落ちていく。

(間に合ってください......!)

極度の緊張のためかその光景がスローモーションで流れていく。
ゆっくりとした時間の中で、フローラは顔を青ざめさせながら魔力を練り始めた。

【魔法行使判定 使用ステータス:魔力(71)】

234 :フローラ ◆CFwoAEJ66. :2015/11/04(水) 02:55:17.93 0
【魔法行使判定:失敗】
魔力を練りながら落ちる物品へと駆け出し、滑り込むように手を伸ばす。
粘性の高い液体を品々の下に作り出し、クッションのようにした後で手早く回収する算段だ。
しかし急な出来事に魔法を練り上げるのが間に合わなかった。
あるものはまっぷたつに割れ、あるものはゴム毬のように跳ね、あるものは潰れて床に貼り付いてしまう。
その横をやっと魔法を出せたフローラが、クッションになるはずの液体にまみれて滑っていった。

魔法の完成度も中々に低く、粘性もローション程度で収まってしまっていた。
船倉の床にそんな液体を塗りたくりながら、フローラは面白いように床を滑っていく。
滑った先にあったのは動物の檻。勢いよくフローラがぶつかった拍子に錆びた南京錠は弾け飛んでしまう。
そうして中から犬のような生物が数引き飛び出したかと思うと、床に落ちた物品をもて遊び始めたのだった。

「.........。」

自分の間抜けさと事の重大さ、なにより背中の痛みでフローラは声も出せずにいた。
端から見ればこの状況は、うっかり飛び出した動物が棚のものを荒らしたかのように見えるだろう。
しかしフローラは一部始終の当事者である。これからの追及が気が気でなくて、乾いた笑いも浮かばないのだった。

235 :フロウ ◆i58havlS0A :2015/11/04(水) 23:07:01.17 0
「あ!皇帝ワタガモ!」
 檻の中にはそれは見事な羽毛をした鳥の群れ。渡り鳥の一種で最高級の羽毛を
生み出す生きた高級資源である。もうフォワっふぉわです。

「こっちには貴族グモ!」
 檻の中には忙しなく極彩色の体毛の手入れを行う人間サイズの巨大クモ。
身だしなみのために絵の具や毛皮、鉱物だって食す偏食にして雑食の怪生物。
脱皮した殻を好事家のオークションに出せば一夜で城が建つと言われるほどだ。

「猫・・・・・・」
 外国の珍しい猫、猫、猫

(うちはもうでメアリ間に合ってるな)
 仲間のほうをチラ見する。
 檻の区画には禁輸とされる珍しい動物が一杯だ。フロウは嬉しそうな顔で悩んだ。

「迷うけど、継続して稼げる財産となると、クモか、カモか」
 そのように迷っていると突然の大揺れ、そしてとてつもない破壊音と悲鳴。

「!どうしまし・・・・・・!」
 フロウは状況を把握すると急いで入口を閉める。この犬?を外に出してはいけない、
観光客が襲われたら信用問題だ。落ちた食料品や他の物品に手を出している今の内に
檻に近づいて説明を読む。

236 :フロウ ◆i58havlS0A :2015/11/04(水) 23:18:26.92 0
『スワンプウルフ』
 『沼地や山間部に住むとされる遠方の爬虫類系の亜人が使役する狼です。頭はそれ程
よくないが、非常に丈夫で怪我もすぐ治る希少種。軍用犬やドッグレースで引く手あまた。
お連れする場合は檻の扉にかかっている犬笛をご使用ください。吹くパターンはマニュアルを・・・・・・』

「これか!」
 フロウは檻の傍の笛を取り、パンフレットのようなマニュアルに目を通す。

「皆さん、今から手を打ちます!あまり犬たちを刺激しないようにお願いします!」

 仲間への注意喚起を行うと、息を大きく吸い込みくわえた犬笛に空気を送り込む

【探索判定 使用ステータス:体力 50】

237 :フロウ ◆i58havlS0A :2015/11/04(水) 23:23:27.01 0
『失敗』

ピィーーーーーーーーーーーーーーーー!!

狼たちはその音に一旦は動きを止めてフロウを見るが、少ししてまた勝手に動き回る。

「も、もう一度です!」
 マニュアルにある犬笛の吹き方を見直して、再チャレンジ

【再判定 使用ステータス:技量 65】

238 :フロウ ◆i58havlS0A :2015/11/04(水) 23:42:09.10 0
『成功!』

ピィッ!ピィッ!ピイィィィィーーーーー!!

 再三の笛吹、普通は人には聞こえないので実際のところサイレントな光景である。
しかしながら効果はあったようで、犬たちは一匹残らずフロウの前に集合している。
うんうんと頷くとフロウは周囲に向き直る。

「これで一段落です・・・・・・」

 そしてフローラを見る。気の毒なくらい呆然としている、しかもべちょべちょ。

「・・・・・・まずは服を乾かしましょう」
 足に括りつけておいた魔法のハンドベルをひと振りする。何処からともなく風が吹いて
フローラの服を乾かす。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
 言葉を探す。言葉を探す。事が大きくなっただけでそこまで彼女に非はないのだ。
下手な慰めは逆効果だろう、こういうときは

「背中、痛そうですね?大丈夫ですか?」
 そう言って、エメラルダとレオリアに目配せをする。『フォロー手伝って』という思いを
限界まで込めて。
「手当をしたほうがいいかもしれませんね」
 フロウはもう一度、チラリと仲間二人を見た。

239 :名無しになりきれ:2015/11/05(木) 08:00:18.96 0
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グッとくるで



うまさが喉に
グッとくる

240 :エメラルダ ◆JThaci2X0Q :2015/11/08(日) 12:50:26.16 0
船倉に足を踏み入れた瞬間、足裏から伝わってきた感触に興味を惹かれたエメラルダは、立ち止まってじっと床を観察した。

「おお、床は軟性のある物質でできてるのか。積荷の保護対策かな?」

遊ぶように何度かその場で足踏みをして弾力を確かめる。
気になったものはどんなものでも確認しなければ気がすまないのは、研究者のサガというものだ。
満足したエメラルダがようやく顔を上げると、仲間たちはとっくにそれぞれ行動を開始していた。
エメラルダも後に続くように周囲を見渡す。
船倉には様々な物品が所狭しと積まれていた。
頭の上まで積み重ねられた箱の群れを眺め、崩れてきたら避ける暇なく圧死するな、と他人事のように考える。
まぁ、そういった積荷には固定ベルトがかけられ、きちんと対策がなされているので、考えながらも気にせず真横を歩く。
そして、開けられそうな箱と言う箱をかたっぱしから開き始めた。

「これは木材の詰め合わせか。……普通に買える物ばっかりだし、却下だな。
 こっちは鍵がかかってるのか……よし取れた! 中身は……お、モンスター素材か! んん、でもこれもそれほど希少価値の高いものでもないなぁ」

目に付いた箱を節操無く次から次へと開けては放り、開けては放り、を繰り返す。
やはり、開けるのが難しい箱ほど上物が入っているらしい。
なんとなく法則がつかめたエメラルダは、厳重に封がされているような「それらしい箱」を探して歩いた。

【探索判定 使用ステータス:幸運(70)】

241 :エメラルダ ◆JThaci2X0Q :2015/11/08(日) 12:54:55.38 0
【探索判定 成功】

「おっ、とと」

やはり船の性質上、揺れが皆無とはいかないようだ。
唐突に浮遊感を感じたエメラルダは、とっさにその場でしゃがみこんで、なんとか難を逃れる。
すぐに立ち上がって探索を再開しようとしたが、ドンガラガッシャンという騒音に何事かとそちらを向く。
すると、今まさに檻の中から動物が解き放たれんとするところだった。

「げ」

動物は見たところ犬、または狼のような姿形をしている。
凶暴性はわからないが、万が一噛まれでもしたらたまらない。
エメラルダは慌てて一番近くにいたレオリアの背後に隠れた。

「レオリア氏! 襲い掛かってきたら助けてくれ、頼むよ!」

恐恐としているうちにフロウが叫ぶ。

>>「皆さん、今から手を打ちます!あまり犬たちを刺激しないようにお願いします!」

「だ、そうだよレオリア氏!」

完全に人任せである。
だがそうこうしている内にどうにかなったらしい。
しばらくすると檻から飛び出した犬(?)たちがフロウの前に集合し、大人しくしていた。
それをみたエメラルダはほっと息をついてレオリアの背後から離れる。
そして最初の騒音の原因だろう、落ちて壊れた残骸が転がる棚に近づいた。

「みごとにぐちゃぐちゃだねぇ……ん?」

棚に収められていたであろう物品の多くは、割れたり潰れたりで使い物にならなさそうだったが、いくつか無事なものもあるようだ。

その中の一つ、足元に転がっていた箱を拾い上げる。
周りに割れた瓶や破片が散乱しているのに、この箱には傷どころか汚れすら見当たらない。
さらに、目の前に持ち上げ様々な角度から眺めてみたが、継ぎ目が全くないのだ。
どうやって開けるのかといじっていると、箱の表面に薄く記号のようなものが彫られていることに気づいた。
どうやら魔法文字のようだ。
エメラルダは専門家に聞いてみようとフロウの方に顔を向けた。
フロウはフローラのそばにしゃがみ込みながら様子を窺っている。

>>「手当をしたほうがいいかもしれませんね」

そう言って視線を送ってきたので、何かを自分に求めているらしいことは分かった。
エメラルダはコテンと首をかしげ、ちょっとの間考える。
そうして「手当て」という言葉から、たぶん治療道具を持っていないかということだろうと当たりをつけたエメラルダは、箱を手に持ったままフローラ達のもとに近づいた。

「背中を打ったのかい? いちおう衣装室前で使った薬が打ち身にも効くけど、ひどいようなら治癒魔法をかけたほうがいいんじゃないかな?」

そう言いながらフローラの傍にいたフロウに箱を差し出す。

「フロウ氏ならこれ空けられるかい? あそこの棚にあったものみたいでね、周りがみんなぐちゃぐちゃなのにこれだけ綺麗だったから目立ってたよ!」

散らかってたおかげだね! などと言いながら笑うエメラルダに、微妙な顔を返しながらフロウは箱を受け取った。

242 :レオリア ◆.H09BnLjnM :2015/11/12(木) 17:24:39.98 O
自分で船倉と言ったものの、いざ扉を開くとその物量には圧倒される
物物物さらに物。たまに動物
あまり混み混みした場所や物色に馴染みのないレオリアには珍しい光景である
檻に入っていた犬が逃げたらしいがそれには全く動じず物珍しげにごぞごぞと物色を続ける

>「レオリア氏! 襲い掛かってきたら助けてくれ、頼むよ!」
と自分に纏わりついてきたエメラルダにも
「狗くらいで大袈裟ですってば」
と笑いながらせなを押す。熊でも湧いたら呼んでくれと言わんばかりの無関心さである
犬ごとき襲いかかってきても挽き肉さ。程度の軽々しさで更に物色を続け当たりを付ける。騒動が収束した事にも気付かずに

これなんてどうだろう?吟味の末にやっと見つけた、めぼしい所を物色すると――――
「………木だこれ」

【判定 使用ステータス:知識(70)】

243 :レオリア ◆.H09BnLjnM :2015/11/12(木) 17:36:01.76 O
【判定:失敗】

………木だよなぁ?見た目は何の変哲もない木その物である。形状的には棍棒に近い
しかし一応判る情報は探ってみよう。例えば臭いとか
すると普通の木では無さそうな臭いがした

もしかするともしかするかも。しかしその知識はレオリアにはない。従って確証も持てない
こんな時は―――
「フロウ!」
取り敢えず他人に丸投げするに限る。と棍棒状の木材を投げて渡す
「もしかしたらお高い木かも」
もしかして、もしかしたら、もしかすると香木かも知れない

244 :フロウ(GM) ◆i58havlS0A :2015/11/13(金) 23:52:08.68 0
まずはアイテム鑑定処理

>>241 エメラルダ

「これは・・・・・・『決して衰えぬ栄光を捧げる』?」

 箱に書かれた文字を読み上げると、箱の表面の文字は淡い光を放って消える。
代わりに箱に一本の線が浮かび上がり、開封ができるようになったことを知らせる。
そっと蓋を持ち上げて中身を見れば、一冊の使い込まれた研究日誌が入っていた。
取り出して見ればエメラルダが日頃書いているような、図と考察と式に塗れた書物。

 その中身は時の権力者達が求めて止まない霊薬の一つ。不老不死や強大な力を与えるものに
並び立つ秘薬であった。

「これは・・・・・・毛生え薬のようですね」

 カツラが作られる前の時代、作られた後の時代も求められた物。権勢を極めた王でも
寂しくなる頭髪には言い知れぬ悲しいがあったに違いない。それに対する答えがコレだった。

「どうぞ」
 フロウは何ともやるせない気持ちでそれをエメラルダに渡した。

245 :フロウ(GM) ◆i58havlS0A :2015/11/14(土) 00:07:18.22 0
>>243 レオリア
「これは・・・・・・フンフン、たぶん香木ですね」
 フロウは何とも変わった匂いのするそれを嗅いでみる。軽く燃やしてみればはっきりするが、
鑑定のために使ってしまっては本末転倒である。

「交易品の類で良い値段になります。沢山あればの話ですが」

 ルミエリアでも採れないことはないが数は少ない。基本的に輸入するような品物は
納品依頼でも頻繁に要求される。この頃火にくべた際に木によって違いがあるということが
周知され始めてからというもの、未加工の草木の価値もまた上がってきているのだ。

「この大きさなら同じものがあと4,5本あれば納品できるでしょう」

 フロウはそう言うと、香木をレオリアに返した。

246 :フロウ(GM) ◆i58havlS0A :2015/11/14(土) 00:32:29.80 0
ここから本編

 ちょっとした一騒動とちょっとした気まずさが残ったものの、最後の探索が終了した。
冒険者たちが中層の入口まで戻ってくる。時刻は夕刻、夏の西日が甲板を赤く染め上げる。
その時、船の上層から盛大に音楽が聞こえてくる。今日の祭りのメインイベントが
これから行われることを知らせるものだ。

 ところで、幽霊船の分類は、幽霊が船を操っている場合はホーンテッド、船そのものが
幽霊ならゴーストとなる。この元沈没船である豪華客船は、幽霊に操られているので分類は
ホーンテッドである。

 ところで、物は長いこと使用されたり、大勢の人間が使ったり、強い念を込められることで
物自身が霊となることがある。この短時間に、大量の死者と生者の強い欲の念に当てられ続けた
この船は今まさに、船のゴーストになろうとしていた。

ーその頃のゴメスー

「ようし!今年も来たぜこの時が!」
自慢の赤ひげのセットもキメて、鏡で最後のチェックを済ます。

「今年も宝箱の中を一杯にすることができて良かったわい」
 ちらりと見れば、金貨と宝石がこれでもか詰め込まれた、まさに夢と浪漫の宝箱。
何故か抜き身の剣が刺さっていたり、何処かの王冠もあったりするが、とにかく非常に古典的な
宝箱である。

 この宝箱こそが海賊と冒険者の掛け橋であることをゴメスは知っている。言うなれば
彼らの思い出であり、絆であった。

「さ、最後に中の確認だけしたら、段取りの通りに派手に登場しないとな・・・・・・」

 そういってフックをへりにかけて宝箱の中身を除き込むと・・・・・・

『モッテ・・・・・・イクナ・・・・・・オレノダ・・・・・・オレノ・・・・・・!』
「な、なんだと!?ぬ、ぬわーーーーーーーーーーーーー!」

247 :フロウ(GM) ◆i58havlS0A :2015/11/14(土) 23:40:50.39 0
「・・・・・・遅いですねえ」

 冒険者たちが音楽を聞きながら、次第に手持ち無沙汰になってきた頃、突然何かが
壊れるような轟音が響き渡る。次いで上空から彼らの前に、甲板へと降ってきた一つの影。
宝箱だった。隙間からゴメスの顔が覗いている。

「お、おお!おいお前ら!すまねえが最後のイベントは変更だ!」

幽霊なのに外に出られないようだ。よく見れば宝箱には既にギザギザの歯が見えている。

「経緯は省くが、このミミックが最後の相手だ!オレの代わりにぶっ飛ばしてやってくれ!」
「何やってるんですか、あなた」

 服装を着替えていたフロウが白けた眼で彼を見る。年甲斐もなく・・・・・・といった物言いが含まれている。

「見て分かるだろ!ミミックに食われたんだよ!は、はやく助けてくれい!」
『宝、宝ノ二、匂イ・・・・・・オレノダ。オレノダ!』

 乱暴に蓋がばくんっ!と閉まるとそれきりゴメスの声は聞こえなくなってしまった。
そして見る見るうちにミミックがむくむくと巨大化していくではないか。その大きさはゆうに
かつての赤翼竜と同じほどである。

「何だか締りがありませんが仕方ない。皆さん!これで最後も勝って終わりにしますよ!」

 フロウはパーティメンバーに戦闘の開始を宣言した。

【ボスが出現しました。戦闘ロールに入ります】

ボスモンスター:リッチーミミック
HP:500 攻撃力:50 素早さ:10 属性:金
補足:物理属性の威力-20 魔法のダメージ-10。火・雷属性のダメージ+25
攻撃対象:
4n=メアリ 4n+1=フローラ 4n+2=フロウ 4n+3=レオリア 10n=エメラルダ
96〜99=しまっちゃう(ランダムにターゲット判定を行って退場処理・回避可能)

n=任意の数

ロール順(素早さ判定):
メアリ(80)→フローラ(67)→フロウ(40)→ レオリア(30)→エメラルダ(30) →ミミック(GM 25)

備考 初回及び3ターンごとに全体攻撃(30)固定

248 :メアリ ◆IC7RKFJkf6 :2015/11/16(月) 04:41:18.12 O
のんびりと船長をまっていた一行のもとへ現れたのは、宝箱だった。

>「見て分かるだろ!ミミックに食われたんだよ!は、はやく助けてくれい!」
>『宝、宝ノ二、匂イ・・・・・・オレノダ。オレノダ!』

「た、大変!食べられちゃってる!」

ミミックがいるなら捜索中かと思っていたが、まさか最後に現れるとは。

「助けなきゃ!」

なんだかんだと船長を気に入っていたメアリは、やる気まんまんだ。
いつもの双剣を引き抜き、箱であるミミックに狙いを定める。

【判定:腕力70】

249 :メアリ ◆IC7RKFJkf6 :2015/11/16(月) 04:47:47.80 O
【成功】

ガキン!と箱と剣がぶつかり合う。
どうも効き目が薄いようだ。
かといってメアリには魔法は使えない。
マジックアイテムも、効き目がなければ無駄になる。

「でもまったく効かないわけじゃないみたい」

少し手がしびれたが、ミミックを吹き飛ばした。
顔はないが口(?)が歪んだようにも見える。
このまま押しきってもいいが、メアリの戦士としての頭が叫ぶ。

「フロウ!こいつに弱点とかないかなあ!?」

【500−(70腕力−20物理)敵HP残り450】

250 :名無しになりきれ:2015/11/17(火) 20:55:53.83 0
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おう

俺も仲間に入れてくれや

いくで 👀
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251 :名無しになりきれ:2015/11/17(火) 20:57:58.61 0
>>フロウ(GM) ◆i58havlS0A

何やお前

GMとしての力量なしやな

もう終わっとる

勉強してこんかい

>>メアリ ◆IC7RKFJkf6

お前見込みあり

でもな

もうちょと文章長めに書こか

手抜きに見えるで


ほなまたな

252 :名無しになりきれ:2015/11/17(火) 20:58:50.77 0
>>241

ココの文章汚いな

完全に人任せである。
だがそうこうしている内にどうにかなったらしい。
しばらくすると檻から飛び出した犬(?)たちがフロウの前に集合し、大人しくしていた。
それをみたエメラルダはほっと息をついてレオリアの背後から離れる。
そして最初の騒音の原因だろう、落ちて壊れた残骸が転がる棚に近づいた。

「みごとにぐちゃぐちゃだねぇ……ん?」

棚に収められていたであろう物品の多くは、割れたり潰れたりで使い物にならなさそうだったが、いくつか無事なものもあるようだ。

その中の一つ、足元に転がっていた箱を拾い上げる。
周りに割れた瓶や破片が散乱しているのに、この箱には傷どころか汚れすら見当たらない。
さらに、目の前に持ち上げ様々な角度から眺めてみたが、継ぎ目が全くないのだ。
どうやって開けるのかといじっていると、箱の表面に薄く記号のようなものが彫られていることに気づいた。
どうやら魔法文字のようだ。
エメラルダは専門家に聞いてみようとフロウの方に顔を向けた。
フロウはフローラのそばにしゃがみ込みながら様子を窺っている。

253 :フローラ ◆CFwoAEJ66. :2015/11/19(木) 02:33:58.55 0
後ろめたさの中で進んでいった船倉の捜査は、なんとか事態の好転を見たようだ。
だれもフローラを咎めなかったことも含め、彼女はほっと胸を撫で下ろした。
さて、いよいよ最後のイベントだ。きっとあの陽気な船長が豪奢な演出を用意しているに違いない。
今日が初対面なのに彼のしそうなことがありありと脳裏に浮かんでしまう。だが現実は全く異なる展開となった。

>「見て分かるだろ!ミミックに食われたんだよ!は、はやく助けてくれい!」
「えぇ...?どうしましょう」

正直言うと、フローラは当惑していた。
というのも、どこまでが演出なのかを図りかねていたのだ。
疑心暗鬼の半目で船長に目を落としつつ。ミミックが口を閉じたことでやっと全てが真実だと認識した。

>「何だか締りがありませんが仕方ない。皆さん!これで最後も勝って終わりにしますよ!」
「本当に、締まらないですねぇ...」

若干肩透かしを食らったような気分で、それでも右手には既に数本の矢を手にしていた。
蓋を開けるなら鍵からと、単純な理由で適当に照準をつける。
狙いは鍵穴。閉じた上蓋の鼻先についた南京錠の中央に、ゆっくりと弓を引き絞る。
あまり、長引かないといいのだけれど。道中で使った魔力を気にかけつつ、まず一射、空を駆けた。

【命中判定 使用ステータス:(技量+素早さ)/2 = 53】

254 :フローラ ◆CFwoAEJ66. :2015/11/19(木) 02:42:07.75 0
【命中判定:失敗】

「あらら、ダメですねぇ...」

フローラの放った矢は僅かに狙いが逸れ、南京錠の金属部品に弾かれてしまう。
通常ならば矢ほどの質量体がぶつかれば、南京錠といえどへこみくらいはするものだろうが。
ミミックとして、そしてゴーストとして力を蓄えたのであろう。中途半端な攻撃は意にも介さない様子だった。

次の矢をつがえつつ、弓に埋め込まれた四食の宝玉に目をやる。
これが最後と分かっているなら、多少無茶して魔力を使ってしまっても良いのだろうが。
なまじ今までの生活で、魔力が枯渇するほどの状況が無かったのだ。自分がどうなってしまうかわからない、それが少しだけ怖かった。
状況によっては魔法を使うと決めつつも、少しだけ躊躇いを捨てきれないフローラだった。

255 :名無しになりきれ:2015/11/19(木) 18:04:41.49 0
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>>フローラ


まず基本部分な


南京錠の鍵穴を矢であけようとする


その発想があかんねん


少しかんがえてみいや


お前自分のケツの穴に鍵つまってて
取れへんかったら矢使うんか?


まず知能判定で絶対失敗やな
ワイがGMならそうジャッジするわ 👀
Rock54: Caution(BBR-MD5:0be15ced7fbdb9fdb4d0ce1929c1b82f)


256 :名無しになりきれ:2015/11/20(金) 12:23:45.81 0
>>255
失せろボケ
(乱れ撃ちで猫を一掃)

257 :名無しになりきれ:2015/11/21(土) 19:30:59.61 0
>>256
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>>256
スカッ

お前ネコの速さ舐めんなやで

258 :フロウ ◆i58havlS0A :2015/11/21(土) 23:41:53.61 0
 ミミック。宝箱、金庫、鞄などの非生物に化けているモンスターの総称である。
一部の魔法使いや錬金術師が仕掛ける罠であり自然発生することはまずない、筈なの
だが、目の前のミミックはどうにもそのような類の物には見えない。

>>「あらら、ダメですねぇ...」
>>「フロウ!こいつに弱点とかないかなあ!?」

 ゴメスを助けようとする二人の声を受けて、フロウは考え込む。助けるべきだろうか。
曲りなりにも相手は敵だし、諸共に倒してしまったほうがいいだろう。
しかし、助けを求めているのだから助けるあげるのも悪いということはないとも思う。

「船長ー、このミミックはいつごろ手に入れたんですかー?」

 とりあえずダメ元で質問してみると、ゴメスのなんだか疲れた声が聞こえてきた。

『うむ。あまりに見事な宝箱だったからな、ワシが仕留めて宝箱として使ってたんじゃ。100年くらいな』
「ミミックを倒してその亡骸を100年も後生大事に使ってたらとうとう化けて出た、と」

 非常にレアなケースだ。フロウは眉間を抑えた。咳払いをすると仲間に伝える。

「とにかく、このミミックはアンデッドで木製だから炎と、後は鉄枠の部分に雷属性の
攻撃が通じると思われます」
 
 そしてフロウはその場で待機した。今のところ危害を加えられていないこともあるが、
気持ちの切り替えが上手くできないでいた。

「助けようか、どうしようか」

259 :名無しになりきれ:2015/11/22(日) 09:37:26.44 0
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 丶ニ|    '"''''''''"´ ノ 
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>>フロウ



これ一応警告な

お前は受け身過ぎ

それに尽きるで

お前の行動を見直してみ?

他の連中がお前の行動指針もきめなあかん

TRPGやめた方がええかもな

向いてない 👀
Rock54: Caution(BBR-MD5:0be15ced7fbdb9fdb4d0ce1929c1b82f)


260 :名無しになりきれ:2015/11/22(日) 17:15:58.33 0
糞猫くるぞ

糞猫くるぞ



ぜーんぶ食っちゃうぞ〜




AA荒らし!
AA荒らし!


旨さが

喉に


グッとくる‼

261 :レオリア ◆.H09BnLjnM :2015/11/28(土) 18:10:27.76 O
自分で選んだ道とは言えど、武術家をやっていると嫌に自分を無力に感じる時がある
例えば―――大きすぎる非生物型のモンスターと対峙する時だ。目の前のミミックのような

勇ましく躍り出るメアリやスマートに距離を測るフローラを尻目に外套をその場に脱ぎ捨て、演舞服の袖口を緩めて左開きの半身に構えをとる
「殴る蹴るが効く相手だと願います」
表情を緩めてそう軽口を叩くと、体の輪郭がほんのりと青白く発光する
『魔導装身』魔力で体を包み、体の動きを魔力でサポートする技を発動させたのだ
かなり非力なレオリアだがこの状態の時は人並みよりは動けるようになる

がっぷりと組み合うのは危険と見て、一足跳びで空中で数発蹴りを放ち、その反動で再び距離を取る

【判定:腕力+スキル(68)】

262 :レオリア ◆.H09BnLjnM :2015/11/28(土) 18:20:53.83 O
【判定:失敗】

(ダメだ。手応えがない!)
華麗に着地を決めて構え直す
表面上はミミックを冷静に見つめているが、内心かなり毒々しい気持ちで満たされている
>「とにかく、このミミックはアンデッドで木製だから炎と、後は鉄枠の部分に雷属性の
攻撃が通じると思われます」
「次は参考にさせて貰います」
次は忌々しいこのクソ箱を盛大に火だるまにしてやろう。内心そう決意をするレオリアであった
エルフの性なのか、アンデッドへの嫌悪感は魔法の嫌悪感を上回っているのかもしれない

(次が回ってくればだけど……)
その反面、自分がかなり虚弱なのも自嘲気味にだが理解している
基本的に武術家としてはあまり役に立たないのだ

「自分が戦えなくなったら、次はフロウさんの番ですからね」

263 :名無しになりきれ:2015/11/29(日) 08:59:00.49 0
おう


レオリア添削するで


お前はまずのらりくらりと動きすぎ



TRPGってのはな


お前みたいなのしかおらんと成り立たんのや


やる気あるんかいな?


ん?

264 :名無しになりきれ:2015/11/30(月) 07:11:05.58 0
     ,、‐'''''''''ヽ、
    /:::::;;-‐-、:::ヽ             _,,,,,,,_
     l::::::l  _,,、-‐

265 :名無しになりきれ:2015/12/02(水) 23:25:46.39 0
>>264
死ねよ
バカ

266 :エメラルダ ◆JThaci2X0Q :2015/12/04(金) 00:39:47.35 0
戦闘が始まりそれぞれがミミックに向かう中、エメラルダはとりあえずパーティの最後尾、後方へと移動した。
直接戦闘能力が低い――というより皆無なエメラルダが前衛にいても邪魔なだけだ。
なるべく仲間たちの戦闘の邪魔にならない(敵からの攻撃を避け易い)位置を心がける。

>>「フロウ!こいつに弱点とかないかなあ!?」

非生物系のモンスターは物理攻撃に耐性を持つことも多い。このミミックもそのタイプなのだろう。
効かない訳ではないようだが、フローラやレオリア、力自慢のメアリの攻撃ですら劇的な効果があるようには見えない。
船長とのやりとりをヒントにフロウが弱点を考察する。

>>「とにかく、このミミックはアンデッドで木製だから炎と、後は鉄枠の部分に雷属性の
攻撃が通じると思われます」

「なるほどね、それじゃあ……」

エメラルダは手早く道具と素材を取り出すと、その場で練成を始めた。

【錬金ロール 使用ステータス:(魔力50+知識90)÷2=(70)】
【スキル発動:『錬金術の心得』錬金術に関する判定に+5の補正がつく】

267 :エメラルダ ◆JThaci2X0Q :2015/12/04(金) 00:42:44.11 0
【錬金ロール 成功】

無事練成に成功したエメラルダは、できあがりに問題がないことを確認すると戦闘しているメンバーに向かって声をかけた。

「炎属性のエンチャントパウダーをつくった! こっちにこれそうなら隙をみて渡すから使ってくれ! 
 ただし、即席だからすぐに効果が無くなると思う、効果時間に気をつけてくれよ!」

短時間で、それも戦闘中に作ったのだ。下級のものしか作れなかったのは仕方ないことだろう。
そのうえ量にも限りがある。全員にギリギリ渡せるかどうか、といったところだろうか。
タイミングを見計らうエメラルダがふと横を見ると、なにやら悩んでいる様子のフロウが目に入る。

>>「助けようか、どうしようか」

「ゴメス船長のことかい? とりあえず戦闘する中で助けられそうなら助けておけばいいんじゃないかな?
 後でそれを恩に報酬ふんだくれるかもしれないし」

人を(この場合は幽霊だが)助けようとすればそれだけ対象への配慮が必要になる。
助ける側にもそれなりの余裕がなければ、誰かを助けることはできない。下手したら共倒れになるだけだ。
だから線を引き、見極めなければならない。

「……まぁ、余裕がなさそうならミミックと一緒に成仏してもらうしかないけどね」

268 :名無しになりきれ:2015/12/04(金) 13:48:24.43 0
バンバンバンバン バンバン
バンバンバンバンバン バン
(∩`・ω・)バンバンバンバン
/ ミつ/ ̄ ̄\
 ../ ´・ω・`  \




        ._ゝ,,. .-ー;''""~ ';;; − .._´,
       ._-" ,.-:''ー''l~:|'''ーヾ  ヾ
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    ドーン       j  i
            /~~~\  ドーン
     ⊂⊃  / `・ω・´\
   .................,,,,傘傘傘:::::::::傘傘傘..............
バンバンバンバン バンバン
バンバンバンバンバン バン
(∩`・ω・)バンバンバンバン
/ ミつ/ ̄ ̄\
 ../ ´・ω・`  \




        ._ゝ,,. .-ー;''""~ ';;; − .._´,
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    ドーン       j  i
            /~~~\  ドーン
     ⊂⊃  / `・ω・´\
   .................,,,,傘傘傘:::::::::傘傘傘.............. 👀
Rock54: Caution(BBR-MD5:0be15ced7fbdb9fdb4d0ce1929c1b82f)


269 :フロウ(GM) ◆i58havlS0A :2015/12/05(土) 23:29:22.58 0
 冒険者一行がミミックを相手に悪戦苦闘する中、船全体が大きく揺れる。
海からは大きな波など来ていない。震源は間違いなく足元、この船からであった。

「またこの揺れ・・・・・・!?」

 焦るフロウの前で別の慌てた声が上がる。ゴメスである。

『おい!いったい誰が錨をあげやがった!?止めろ!船を出す気か!』
『た、宝は、オレの、お、オレのダ!ぜ、ぜ絶対二・・・・・・渡サない!』
 目の前のミミックが地団駄を踏むようにガタガタと揺れる。

『この船モぉ・・・・・・オレのだ!全部!お前らの物モッオレノ物オオーーーー!!』

 ガバッと箱が開くと、中にこれでもかと入れられた金貨や宝石が見える。
そして次の瞬間、それらが結構な速さと勢いで冒険者たちに向けて発射される。
よく見るとべろで逃げ出せないようにゴメスを押さえつけている。

【全員攻撃:固定30ダメージ】

『ぐっぐっぐ、今日からオレガ、この船デ、船長ダ!』
『クソ、お前ら、早くこいつを倒してくれ!こいつは船を乗っ取るつもりだ!』
『オレのことは心配するな!このままだと、沖に出られちまうぞ!頼む!』

 何故か自分が心配されているという”てい”で話を進めるゴメス。ともあれ
冒険者たちは呑気に観察していられる状況ではなくなったようだ。

270 :名無しになりきれ:2015/12/06(日) 17:10:31.86 0
>>269
     ,、‐'''''''''ヽ、
    /:::::;;-‐-、:::ヽ             _,,,,,,,_
     l::::::l  _,,、-‐
ヒョイ…


>>:フロウ(GM) ◆i58havlS0A が謎の触手に食われる

     ,、‐'''''''''ヽ、
    /:::::;;-‐-、:::ヽ             _,,,,,,,_
     l::::::l  _,,、-‐
ズブブブ…




        ._ゝ,,. .-ー;''""~ ';;; − .._´,
       ._-" ,.-:''ー''l~:|'''ーヾ  ヾ
      ::( ( .     |: !     )  )
        ヾ、 ⌒〜'"| |'⌒〜'"´ ノ
          ""'''ー-┤.:|--〜''"" バーン
              :|  |
    ドーン       j  i
            /~~~\  ドーン
     ⊂⊃  / `・ω・´\

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